転職エージェントの複数利用は伝えるべき?バレる場面と正しい伝え方

複数の転職エージェントから届いた求人情報と面接予定を一つの画面で整理する若手会社員 転職活動

転職エージェントの複数利用は、隠すより早めに伝えるのが安心です。特に応募経路・選考段階・期限の3点を共有しましょう。

「ほかの転職エージェントも使っています」と言ったら、求人紹介を減らされるのではないか。

逆に黙っていたら、どこかでバレて気まずくなるのではないか。初めて複数の転職エージェントを使うと、こんな不安が出てきますよね。

こんにちは!転職アドバイザーの夏目結衣です。毎日遅くまでの残業や、しんどい人間関係…本当にお疲れ様です。私もかつて「このままでいいのかな」と悩みながら、限界まで無理をして働いていた時期があるので、そのモヤモヤ痛いほどわかります。このブログでは、キレイごと抜きのリアルな葛藤や、エージェント業界のぶっちゃけ話も交えながら、あなたが自分らしい働き方を見つけるためのヒントを親身にお届けしますね!

結論からいうと、転職エージェントを複数利用すること自体は問題ありません。ただし、他社も使っている事実は早めに伝え、選考が始まったら必要な情報を追加で共有するのがおすすめです。

JAC Recruitmentが2024年7月29日に公開し、2026年4月22日に更新した解説では、転職エージェントの複数利用は可能としたうえで、各エージェントに併用を伝えることが基本と説明しています。初回面談など早い段階で知らせることも勧めています。

マイナビエージェントの公式ページでも、他社の転職エージェントとの並行利用は「問題ない」と案内されています。エージェントによって保有求人、得意業界、担当者の提案内容や相性が違うため、比較すること自体は珍しい使い方ではありません。

では、なぜわざわざ伝えたほうがいいのでしょうか。

ポイントは、掛け持ちを申告することそのものではなく、同じ企業への重複応募や、面接・内定期限の混乱を防ぐことにあります。

「他社を使っていることがバレるか」を心配するより、「複数ルートの応募を自分で管理できているか」を意識したほうが、実際の転職活動ではずっと重要です。

転職エージェントの複数利用は伝えるべき?結論は早めの共有がおすすめ

転職エージェントの複数利用は伝えるべき?他社利用がバレる場面と伝え方 の内容に合う挿絵(追加1枚目)
※画像はAIによるイメージ

結論:初回面談などの早い段階で「他社も利用しています」と簡潔に伝えておくのがおすすめです。

転職活動では、転職エージェント1社だけでなく、複数エージェント、転職サイト、企業への直接応募などを並行することがあります。

JAC Recruitmentも、複数エージェントを利用する場合は他社利用を伝えるのが基本であり、利用状況を共有すれば転職活動の進捗把握や重複応募の回避につながると説明しています。

ですから、初回面談でわざわざ隠す必要はありません。

伝え方は難しく考えなくて大丈夫です。

「現在、ほかの転職エージェントも利用しています。求人やアドバイスを比較しながら進めています」

これくらいで十分です。

まだ他社経由で応募している企業がない段階なら、「複数社に登録して比較している」という事実だけ伝えればよいでしょう。

一方、すでに応募や面接が進んでいる場合は、もう一歩具体的に伝えます。

「他社経由でも2社選考中です。応募企業が重ならないよう、応募済み企業については都度共有します」

この伝え方なら、複数利用している事実だけでなく、重複応募を避ける意思があることも伝わります。

逆に避けたいのは、実際には他社を利用しているのに「ほかは一切使っていません」と断言してしまうことです。

後になって他社経由の選考や内定が分かれば、複数利用そのものよりも「最初の説明と実態が違った」という点で話がややこしくなります。

担当者に良く思われたいからといって、他社利用を隠すメリットはそれほど大きくありません。

転職アドバイザーとして私が勧めたいのは、全部をさらけ出すことではなく、調整に必要な情報だけ正直に共有することです。

つまり、「他社を利用している」という事実は伝える。一方で、必要もないのに他社担当者とのやり取りや、紹介された求人をすべて細かく説明する必要まではありません。

この線引きができれば、複数利用を必要以上に怖がらなくて大丈夫ですよ。


転職エージェントの複数利用はバレる?登録しただけで自動共有されるの?

結論:別会社の転職エージェントへ登録したというだけで、他社利用が当然に各社へ自動通知されると考える必要はありません。

「A社に登録したら、B社にも登録情報が見えるのでは?」と不安になる方もいますが、別会社の転職エージェント同士が、求職者の登録状況を当然に共有していると考える必要はありません。

個人情報保護委員会のガイドラインでは、民間事業者が個人データを第三者へ提供する場合、法令上の例外などを除き、原則としてあらかじめ本人の同意を得ることが必要とされています。

そのため、「A社へ登録した瞬間、その情報が無関係なB社にも自動的に通知される」という前提で心配する必要はありません。

ただし、これは「転職活動中の情報が絶対に第三者へ提供されない」という意味ではありません。

登録時に同意した利用目的や第三者提供の範囲、採用企業への応募手続きなどによって個人情報が扱われる場面はあります。個人情報保護委員会も、第三者提供について事前に包括的な同意を得ることが可能と説明しています。

気になる場合は、利用する転職エージェントのプライバシーポリシーや登録時の同意事項を確認してください。

大切なのは、「登録しただけでバレる」のではなく、実際の応募や選考の過程で他社利用が分かるケースがあるという整理です。

では、他社利用が分かるのはどんなときなのでしょうか。

同じ企業へ別の経路から応募したとき

最も注意したいのが、同じ企業への重複応募・二重応募です。

たとえば、

  • エージェントAからX社へ応募
  • 数日後、エージェントBからもX社へ応募

という状態です。

企業側では氏名や連絡先などから過去・現在の応募を確認する場合があり、同一人物による応募が複数経路から届けば、どちらの応募を扱うのか確認が必要になります。

JAC Recruitmentも、複数エージェントや直接応募を併用する際、同じ企業へ複数ルートから応募する「二重応募」は避けるべきだと説明しています。複数エージェントから同じ企業へ応募すると、企業側の心証や選考へ悪影響を及ぼす可能性があるともしています。

ここで重要なのは、「複数の転職エージェントを利用したこと」が問題なのではなく、「応募経路が重複したこと」が問題になりやすいという点です。

すでに応募済みの企業を別エージェントから紹介されたら、

「その企業はすでに別経路で応募しています」

と応募前に伝えましょう。

同じ会社でも職種が違えば応募できる場合もありますが、自己判断で別求人へ応募するのではなく、すでに応募歴があることを担当者へ伝えて確認するほうが安全です。

面接日程を調整するとき

他社利用が自然に分かることがあるのが、複数企業の面接が同時期に進んだときです。

「その日は別企業の面接があります」

「今週はほかの最終面接があるため、別日を相談できますか」

といった調整が必要になるからです。

ここは隠すより共有したほうが実務上は楽です。

担当者側も、他社選考の日程が分かれば、自社経由の企業と面接時期を近づけたり、結果を待てるか企業へ相談したりする判断材料になります。

転職活動では、第一志望だけ先に選考が進むとは限りません。

第二志望から先に内定が出て、第一志望はまだ一次面接というケースもあります。だからこそ、複数社を受けているなら「選考の速度」をそろえる意識も大切です。

他社から内定が出たとき

もう一つ重要なのが内定です。

たとえば、

A社経由:第二志望から内定、回答期限が迫っている

B社経由:第一志望が来週最終面接

という状況なら、A社側の担当者にも第一志望の選考日程を伝えたほうが相談しやすくなります。

JAC Recruitmentも、転職エージェント以外の経路を含めて複数の選考を進め、ほかで内定が出るケースを想定した対応を解説しています。

内定の回答期限は企業ごとに異なるため、「どの会社も○日以内」と一律には考えず、実際の内定通知や担当者へ確認してください。

このときも、「第一志望だから待ってくれるはず」「回答期限は延長できるはず」と決めつけないことが大切です。

担当者へ早めに相談すれば調整できる可能性はありますが、必ず希望どおりになるとは限りません。そのため、最終面接日と内定回答期限は分かった時点で共有するのがポイントです。

※画像はAIによるイメージ

他社名まで言う必要はある?共有すべき3情報を整理

結論:転職エージェント名をすべて公開する必要性は通常高くありません。重要なのは「応募経路・選考段階・期限」の3つです。

私は複数利用をしている方には、この3情報を基準に共有することをおすすめしています。

情報 伝える目安 伝える理由
他社も利用している事実 初回面談など早め 重複紹介を避けやすくする
応募経路 応募済み企業があるとき 二重応募を防ぐ
選考段階 面接が始まったら 選考スケジュールを合わせやすくする
最終面接日・回答期限 意思決定に影響するとき 内定や選考時期の調整に必要
利用しているエージェント名 必要に応じて 調整に不要なら無理に列挙しなくてよい
現職の機密情報 原則共有しない 守秘義務・情報管理を優先する

特に覚えてほしいのが、「応募経路・選考段階・期限」です。

たとえば、

「他社経由で2社選考中です。X社は一次面接、Y社は来週最終面接です」

まで分かれば、日程調整にはかなり役立ちます。

さらに内定が出ているなら、

「Y社から内定が出た場合は回答期限も共有します。第一志望の選考日程と調整できるか相談したいです」

と伝えておけば、担当者も状況を把握しやすくなります。

一方、

「AエージェントとBエージェントとCエージェントを使っていて、それぞれの担当者は……」

とサービス名や担当者情報を細かく説明しても、選考調整に必要ないことも多いでしょう。

もちろん担当者から他社名を聞かれることはあります。

その場合も、まず「なぜ必要なのか」を確認し、転職支援に必要な範囲で答えれば十分です。

たとえば、「重複求人を避けるためです」と説明されたなら、その目的に必要な範囲で情報を伝えればよいでしょう。

正直に伝えることと、何でも開示することは別です。

これは現職の情報についても同じです。

職務経歴を説明するために実績を伝える必要はありますが、顧客名、非公開の契約条件、未発表の商品、社外秘の数値などを転職活動だからという理由で話す必要はありません。

転職活動でも情報管理は大切です。

特に初めて転職する方ほど、「エージェントには全部話したほうがいいのかな」と不安になりがちですが、目的は担当者に自分のすべてを開示することではありません。

求人紹介や応募管理、選考調整に必要な情報を、必要なタイミングで伝える。この考え方で十分です。

複数利用を伝えるタイミングはいつがいい?

最初のおすすめは初回面談です。

この段階では、「ほかのエージェントも利用している」「転職サイトから自己応募する可能性もある」といった全体像だけ伝えておけば問題ありません。

その後、応募が始まったら応募済み企業を共有し、面接が始まったら選考段階を共有する。内定が近づいたら最終面接日や回答期限を共有する、というように情報を更新していきます。

つまり、一度の面談ですべて伝える必要はありません。

転職活動の進行に合わせて共有情報を増やすと考えると、気持ちも楽になりますよ。


複数利用を伝えたら求人紹介を減らされる?不利になる可能性は?

結論:他社も利用していると伝えただけで、必ず求人紹介が減るとはいえません。むしろ選考状況を正確に共有したほうが提案や日程調整をしやすくなる面があります。

JAC Recruitmentは、他社利用の状況を正直に伝えることで、重複応募の回避や、希望条件を踏まえた求人提案につながると説明しています。

一方で、転職エージェントにも事業者としての事情があります。

厚生労働省の職業紹介事業に関する資料では、有料職業紹介事業について求人者から紹介手数料を徴収できる仕組みが示されている一方、求職者からの職業紹介手数料は一部の例外を除いて原則禁止されています。

つまり、多くの転職エージェントにとって、求職者が自社経由で企業へ入社することはビジネス上も重要です。

だからこそ、担当者が他社の選考状況や志望順位を気にすること自体は不自然ではありません。

ただ、それを理由に嘘をつく必要はありません。

おすすめは、他社利用の「目的」まで一言添えることです。

「現在ほかのエージェントも利用しています。求人の選択肢とアドバイスを比較して、自分に合う転職先を慎重に決めたいと考えています」

これなら、ただ何となく多数登録しているのではなく、比較のために利用していることが伝わります。

すでに選考中なら、

「他社経由でも2社選考中です。応募企業が重ならないよう共有します。面接や内定期限に関係する進捗もお伝えします」

と伝えるとさらに分かりやすいでしょう。

私はここで、担当者の反応も比較材料にしてよいと考えています。

他社利用を伝えたときに、

「では応募先を重複させないよう整理しましょう」

「最終面接の時期を合わせられるか確認しましょう」

と対応してくれる担当者なら、あなたの意思決定を支える姿勢が見えます。

逆に、他社を使っているという理由だけで不安をあおったり、「今日中に応募してください」など必要以上に判断を急かしたりするなら、その対応も相性を判断する一材料です。

もちろん、応募締切が迫っているなど、急ぐことに合理的な理由があるケースもあります。

大切なのは、「なぜ今日中なのか」「なぜこの求人を勧めるのか」と理由を確認したとき、納得できる説明があるかどうかです。

求人だけでなく、「比較して決めたい」というあなたの意思を尊重してくれるかも見てください。

他社選考の志望順位まで伝えるべき?

志望順位は、必要に応じて伝えたほうが日程調整をしやすくなります。

ただし、「第一志望です」と無理に言う必要はありません。

まだ比較中なら、「現時点では条件と選考内容を見ながら比較しています」で十分です。

一方で、第一志望の企業と第二志望の内定回答期限がぶつかっている場合などは、優先順位を伝えたほうが相談しやすくなります。

転職活動は、担当者に好かれるためのものではありません。

あなた自身が納得して会社を選ぶための活動なので、まだ決めていないことまで無理に断言しなくて大丈夫です。


重複応募してしまったらどうする?応募経路は自分で決めずすぐ相談

結論:同じ企業へ複数経路から応募したと気づいたら、放置せず、関係するエージェントへすぐ申告してください。

「もう応募してしまった。どうしよう」と焦るかもしれません。

でも、一番避けたいのは、気づいているのに黙ったまま両方のルートで選考を進めようとすることです。

次の順番で対応しましょう。

  • 重複応募している企業名と応募日を確認する
  • それぞれの応募経路と現在の選考状況を確認する
  • 関係する転職エージェントへすぐ事情を伝える
  • どの応募経路を残すかは、自分だけで決めず企業・エージェントの案内に従う

伝え方はシンプルで構いません。

「確認不足で、同じ企業へ別のエージェント経由でも応募していたことに気づきました。応募経路をどのように整理すべきか相談させてください」

JAC Recruitmentも、同一企業へ別経路から応募した場合は速やかに担当者へ申告し、企業側への連絡経路を一本化することがトラブル防止につながると説明しています。

ここで注意したいのは、「先に応募したエージェントが必ず優先」「後から応募したほうを必ず取り消す」などと、自分で一律に決めないことです。

企業側の応募管理方法や、各エージェントと企業との契約関係、応募がどこまで進んでいるかによって扱いが変わる可能性があるためです。

まず事実を伝え、指示を確認しましょう。

また、重複応募したことに気づいたからといって、慌てて企業へ直接連絡するのもおすすめしません。

すでにエージェント経由で応募しているなら、まず担当者へ相談し、誰が企業へ連絡するのか確認したほうが、連絡がさらに重複するのを防ぎやすくなります。

そして再発防止では、管理方法を変えるのが一番です。

私は、エージェント名を起点に管理するのではなく、企業名を起点に管理することをおすすめしています。

最低限、次の項目を一つの表にまとめてください。

  • 企業名
  • 職種・求人名
  • 応募日
  • 応募経路
  • 担当エージェント
  • 現在の選考段階
  • 次回面接日
  • 内定の有無
  • 回答期限

新しい求人を紹介されたら、応募ボタンを押す前に企業名で一覧を検索する。

これだけでも重複応募を防ぎやすくなります。

転職サイトからの自己応募や企業ホームページからの直接応募も、同じ表へ入れてください。

「転職サイトで見つけただけ」「まだ応募していない」という求人まで全部管理すると負担が大きいので、少なくとも応募を決めた企業と応募済み企業は一元管理しておきましょう。

さらに、同じ企業から複数職種を紹介された場合は、職種名や求人番号なども分かる範囲で残しておくと混乱しにくくなります。

管理するのは「エージェント」ではなく「自分と企業の接点」です。

この考え方に変えると、利用サービスが増えても状況を把握しやすくなります。

※画像はAIによるイメージ

転職エージェントを複数使うなら何社?目的は「数」ではなく比較

複数利用については「結局何社登録すればいいの?」も気になりますよね。

目安として最初は2〜3社を比較し、面接が増えて管理が大変になってきたら1〜2社へ絞る考え方があります。ただし、大切なのは社数よりも自分が管理できる範囲かどうかです。

今回のテーマで最も重要なのは登録数ではないので、答えを整理しておきます。

JAC Recruitmentの2026年4月22日更新記事では、一般的には最初に2〜3社へ登録して求人や担当者を比較し、複数の書類選考を通過して面接へ進む段階では1〜2社へ絞る考え方が紹介されています。

また、2026年6月26日更新の記事でも、1社だけでは情報源が偏るリスクがあり、複数利用したうえで絞り込む考え方が示されています。

ただし、2〜3社という数字は「成功するための必須条件」ではありません。

残業が多く、平日は転職活動にほとんど時間を使えない人が5社、6社と登録すれば、求人を見るより担当者への返信だけで疲れてしまうこともあります。

とくに複数のエージェントへ同じ希望条件を説明し、それぞれから求人紹介を受け、応募意思を回答し、面接日程まで調整するとなると、思っている以上に連絡量が増えます。

仕事を続けながら転職する方にとって、管理できないほどサービスを増やすのは逆効果になりかねません。

複数利用の目的は求人件数を最大化することではなく、判断材料を比較することだと私は考えています。

比較したいのは、たとえば次のようなポイントです。

  • 自分の希望に合う求人が出てくるか
  • 希望条件を無視した大量紹介になっていないか
  • 担当者が経歴をどう評価しているか
  • 業界や職種について具体的な情報を持っているか
  • 応募を急かすだけでなく、判断材料を説明してくれるか
  • 面接日程や内定期限の調整を丁寧に支援してくれるか
  • 連絡頻度やコミュニケーションが自分に合うか

求人の質。

担当者との相性。

自分の経歴に対する評価。

企業の情報量。

こうしたものを比較して、「この人には今後も相談したい」と思えるエージェントが見えてきたら、利用先を絞って構いません。

反対に、最初から1社だけに決める必要もありません。

同じ職務経歴書を見ても、担当者によって「今の経験をそのまま伸ばすべき」と言う人もいれば、「別職種でも強みを生かせる」と提案する人もいます。

複数の視点を聞いて、自分に合う方向性を考えられるのが複数利用のメリットです。

総合型と特化型を組み合わせる方法もある

複数利用するなら、似たサービスだけを増やすより、役割の違うエージェントを組み合わせるほうが比較しやすい場合があります。

たとえば、幅広い業界・職種を扱う総合型と、特定の業界や職種に詳しい特化型を併用すれば、「市場全体の選択肢」と「専門領域の深い情報」という異なる視点を得やすくなります。

もちろん、どの組み合わせが合うかは経歴や希望職種によって異なります。

大切なのは、ただ登録数を増やすのではなく、それぞれのエージェントに何を期待するのかを決めておくことです。


転職アドバイザーとして考える「他社利用を伝える本当の意味」

ここからは私見です。

複数利用を伝える最大の目的は、エージェントに義理を通すことでも、「掛け持ちがバレる前に白状すること」でもありません。

あなた自身の転職活動を正確に管理し、納得できる状態で比較するためだと私は考えています。

そのために覚えてほしいのが、先ほどお伝えした3つです。

応募経路・選考段階・期限。

どの企業へ、どこから応募したのか。

今どこまで選考が進んでいるのか。

最終面接や内定回答はいつなのか。

この3つが整理されていれば、複数のエージェントを使っても混乱しにくくなります。

逆に、ここが曖昧なまま求人だけ増やすと、「この企業どこから応募したっけ?」「どちらの内定を先に返事すればいい?」という状況になりやすくなります。

私自身も転職活動で苦戦した時期、仕事で疲れた夜に大量の求人を見て、情報を増やせば正解が分かると思っていました。

でも、情報量が増えても、自分の優先順位が決まっていなければ迷いは減りません。

残業を減らしたいのか。

人間関係を変えたいのか。

年収を上げたいのか。

仕事内容を変えたいのか。

全部を最高条件にしようとすると、求人を比較するほど決められなくなることがあります。

だから複数エージェントから違う提案を受けたら、一度「今回の転職で最優先したいこと」を自分でも整理してください。

たとえば、「年収は多少上がればよい。それより残業時間と休日を優先したい」と決めている人と、「仕事内容は今と同じでもいいので年収アップを最優先したい」という人では、選ぶべき求人が変わります。

エージェントを比較する前に、自分の判断軸を持つこと。

これがないと、「A社の担当者が勧めたから」「B社の担当者に急かされたから」と、いつの間にか他人の基準で転職先を選んでしまいます。

担当者Aと担当者Bの意見が違うこと自体は、悪いことではありません。

むしろ、そこに複数利用の価値があります。

「なぜAさんはこの会社を勧めるのか」

「なぜBさんは別職種を勧めるのか」

理由を聞き比べることで、自分では気づかなかった選択肢や、自分が本当に譲れない条件が見えてくることがあります。

私は、転職エージェントの複数利用をキャリアのセカンドオピニオンとして使うのが上手な利用方法だと考えています。

病院を例にするわけではありませんが、一人の意見だけで決めず、複数の専門家から違う見方を聞くことで、自分にとって納得できる判断材料が増える、という意味です。

そして、ここで一つ付け加えたいのが、エージェント同士を競争させることと、意見を比較することは違うという点です。

「他社ではもっと年収が高い求人を紹介された」「別の担当者はこう言っていた」と伝えること自体は問題ありませんが、必要以上に担当者同士を競わせても、あなたの転職軸が明確になるわけではありません。

比較するべきなのは「どの担当者が一番強く勧めてくるか」ではなく、「その提案にはどんな根拠があり、自分の希望に合っているか」です。

これは、複数利用で情報が増えるほど意識してほしいポイントです。

また、担当者から「この企業なら受かる可能性が高い」「今の経験ならこちらの業界も狙える」と言われたときは、その結論だけでなく理由も聞いてみてください。

どの経験が評価されるのか。

どこに懸念点があるのか。

応募先でどの実績を強調するとよいのか。

ここまで聞けると、単なる求人紹介ではなく、自分の市場評価を知る材料になります。

最後に決めるのはエージェントではありません。

転職先で働くのはあなたです。

複数の意見を聞きながらも、最終判断の軸は自分の手元に残しておいてくださいね。


まとめ|転職エージェントの複数利用は「応募経路・選考段階・期限」を伝えよう

転職エージェントを複数利用すること自体は問題ありません。

JAC Recruitmentは2026年4月22日更新の解説で複数エージェントの併用を認め、初回面談など早い段階で他社利用を伝えることを基本としています。マイナビエージェントも他社との並行利用は問題ないと案内しています。

一方、注意したいのは同じ企業への重複応募です。

登録しただけで別会社のエージェントへ当然に情報が自動共有されると考える必要はありませんが、企業への応募、面接日程、他社内定の調整などを通して他社利用が分かることはあります。

だからこそ、最初に、

「ほかの転職エージェントも利用しています」

と伝えておき、選考が動き始めたら、

応募経路・選考段階・期限

の3つを共有する。

これで十分です。

利用しているエージェント名をすべて列挙したり、現職の機密情報まで話したりする必要はありません。

そして、複数利用で管理するときはエージェント別ではなく企業名を軸に一本化すること。

「どの企業へ、いつ、どこから応募したか」を一つの一覧にしておけば、重複応募や日程の混乱をかなり防ぎやすくなります。

今の職場がつらいときは、一日でも早く次を決めたくなることもあります。

私も転職活動に悩んでいた頃は、「登録するサービスを増やせば、それだけ早く正解に近づける」と考えていました。

でも、大切なのは情報の量ではなく、自分が何を変えたいのかを決め、その軸で情報を比較することです。

転職エージェントは、数を増やすことが目的ではありません。

あなたが納得できる転職先を選ぶために、必要な情報と意見を比較する道具として使う。

そのくらいの距離感で大丈夫ですよ。


よくある質問

転職エージェントを複数利用していることは必ず伝えないといけませんか?

複数利用そのものが禁止されているわけではありませんが、重複応募や選考日程の混乱を防ぐため、初回面談など早い段階で「他社も利用している」と共有しておくのがおすすめです。

選考が始まったら、応募経路・選考段階・最終面接日や内定回答期限など、調整に必要な情報を追加で伝えましょう。

まだ登録しただけで他社経由の応募がない場合は、「複数社を比較しています」と伝える程度でも十分です。

利用している転職エージェント名まで言う必要がありますか?

必ずしもすべてのサービス名を伝える必要はありません。

重要なのは、どの企業へ応募済みなのか、現在どの選考段階なのか、意思決定に関わる期限がいつなのかです。他社名を聞かれた場合も、転職支援に必要な範囲で回答すればよいでしょう。

「なぜ他社名が必要なのか」が気になる場合は、目的を確認してから答えても問題ありません。

複数利用を伝えると求人紹介を減らされますか?

他社利用を伝えたことだけで、必ず求人紹介が減るとはいえません。

むしろ重複応募を避けたり、選考時期を調整したりするためには正確な共有が役立ちます。

担当者の対応に違和感がある場合は、その反応自体をエージェントとの相性を判断する材料にして構いません。求人の数だけでなく、あなたが比較して決める意思を尊重してくれるかも確認してみてください。

夏目結衣(若手専門転職アドバイザー)

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