転職理由が「給料を上げたい」でも、実績・評価・次の役割・企業への貢献までつなげれば前向きに伝えられます。
面接で大切なのは給与への本音を隠すことではなく、「なぜ転職が必要で、なぜその会社を選び、入社後に何を返せるのか」まで一貫して説明することです。
こんにちは!転職アドバイザーの夏目結衣です。毎日遅くまでの残業や、しんどい人間関係…本当にお疲れ様です。私もかつて「このままでいいのかな」と悩みながら、限界まで無理をして働いていた時期があるので、そのモヤモヤ痛いほどわかります。このブログでは、キレイごと抜きのリアルな葛藤や、エージェント業界のぶっちゃけ話も交えながら、あなたが自分らしい働き方を見つけるためのヒントを親身にお届けしますね!
給料を上げたい転職理由は面接で伝えていい?

結論からいうと、給料アップを転職理由の一つとして伝えること自体が、一律にNGになるわけではありません。
仕事内容や責任が増えているのに給与がほとんど変わらない、成果を出しても評価に結びつきにくい、今の会社では中長期的な昇給を期待しにくい。こうした状況から待遇を見直したいと考えるのは、転職理由として珍しいものではありません。
厚生労働省の「令和2年転職者実態調査」では、自己都合で前職を辞めた転職者の離職理由として「賃金が低かったから」が23.8%、「労働条件(賃金以外)がよくなかったから」が28.2%、「満足のいく仕事内容でなかったから」が26.0%でした。調査時点が令和2年である点には注意が必要ですが、給与が転職判断の現実的な要素の一つであることは読み取れます。厚生労働省+1
さらに、マイナビ転職が直近2年以内に転職した20〜50代の会社員800人を対象に、2024年7月30日〜8月5日に実施した「転職による年収アップの実態調査」では、転職者の7割が「給与面が転職理由に含まれる」と回答し、「給与の増加を目的として転職した」人も4割弱でした。マイナビ転職
また、2026年2月25日更新のマイナビ転職の面接解説では、マイナビの「転職動向調査2025年版」をもとに、「給与が低かった」が転職活動を始めた理由として3年連続で最多だったと紹介されています。マイナビ転職
ですから、「給料を上げたいと思う自分は印象が悪いのでは」と、本音そのものを責める必要はありません。
ただし、面接官が見ているのは「給与を気にするかどうか」だけではないんです。
転職理由と志望動機はどう違う?
ここは面接対策で混同しやすいところなので、先に整理しましょう。
転職理由は、「なぜ今の会社を離れようと考えたのか」です。
志望動機は、「なぜ転職先としてこの会社を選んだのか」です。
たとえば、
「成果を出しても評価制度上、給与や役割へ反映されにくいため転職を考えた」
というのは転職理由です。
一方、
「御社では法人営業の経験を生かしながら、より大きな顧客を担当でき、成果と役割に応じた評価制度の下で貢献できると考えた」
というのは志望動機です。
この2つがつながっていると、給与への不満が単なる愚痴ではなく、「現在の課題を解決するために、次の環境を選んでいる」というキャリアの話になります。
面接官が給与理由で警戒しやすい3つのポイント
「今より給料が高い会社に行きたいです」だけで終えると、企業側は一般に次のような点を確認したくなります。
- 給与条件がさらに良い会社を見つけたら、また短期間で辞めないか
- 自社の仕事内容や事業ではなく、条件だけで応募していないか
- 希望する給与に見合う経験・スキル・成果を持っているか
マイナビ転職の面接解説でも、採用担当者が転職理由を聞く背景には、「自社で長く活躍できそうか」「応募者が実現したいことを自社で実現できるか」を確認する意図があると説明されています。マイナビ転職
だから面接で避けたいのは、「給与の話をすること」ではありません。
給与以外の説明がないことなんです。
「給料が安いから辞めます」で終われば前職への不満だけが残りますが、「どんな仕事をしてきたか」「なぜ現在の評価では納得できないのか」「次にどんな役割を担いたいか」まで話せれば、受け取られ方は大きく変わります。
「給料を上げたい」はどう言い換える?面接回答の4要素
面接用の転職理由を作るときは、「給料が低い」を無理に「成長したい」に言い換える必要はありません。
おすすめなのは、本音を消すのではなく、仕事の言葉へ翻訳することです。
面接回答の基本形は、次の4要素です。
①実績 → ②評価上の課題 → ③次に担いたい役割 → ④応募企業への貢献
この4つが入ると、転職理由と志望動機を一本のストーリーにしやすくなります。
要素 面接で整理する内容 例
①実績 現職で何をしてきたか 営業目標の達成、業務改善、後輩育成、専門業務など
②評価上の課題 なぜ現在の環境では難しいのか 年次中心の評価、役割拡大が待遇に反映されにくいなど
③次の役割 転職後に何へ挑戦したいか 大口顧客、マネジメント、専門性の深化など
④企業への貢献 応募先で経験をどう生かすか 売上拡大、効率化、顧客支援、チーム育成など
たとえば、営業職で本音が「売上を上げても給料が変わらない」だったとします。
NGになりやすいのは、
「営業成績を上げても会社が評価してくれないので、もっと給料をもらえる会社に行きたいです」
という説明です。
これでは「会社への不満」が主役になっています。
一方で、
「現職では営業目標の達成を継続し、担当顧客や提案範囲も広がってきました。一方、現在は年次を重視した評価制度で、成果や担当する役割が待遇へ反映されにくい状況です。今後はこれまでの営業経験を生かし、より大きな顧客や提案に挑戦しながら、成果と責任に応じて評価される環境で貢献したいと考えています」
と整理すれば、給与への不満は残しつつも、話の中心は仕事になります。
そして応募企業について、
「御社では法人向けの提案営業を強化しており、これまで培った既存顧客との関係構築や提案経験を生かせると考えました」
と続ければ、志望動機にもつながります。
「成長したい」だけに逃げない
ここで注意してほしいのが、給与への本音を全部「成長したい」に置き換えてしまうことです。
本当は「担当範囲が増えているのに評価されない」が悩みなのに、
「もっと成長したいから転職します」
だけで済ませると、「どんな成長ですか?」「なぜ現職ではできないのですか?」「なぜ当社なのですか?」と聞かれたときに説明が苦しくなります。
面接では、きれいな言葉より具体的な事実のほうが強いんです。
「業務改善を任されるようになった」「後輩指導まで担当している」「顧客数が増えた」「専門業務の範囲が広がった」など、自分の仕事の変化を書き出してみてください。
給与アップを希望する根拠は、「頑張っているから」ではなく、どんな役割・成果・専門性を担っているかに置くと整理しやすくなります。

転職相談で見えやすい「回答が強くなる人」の違い
転職相談で繰り返し見かけるパターンを一般化すると、最初は「給料が低いです」としか言えなかった方でも、仕事内容を細かく棚卸しすると回答が変わることがあります。
たとえば営業なら、「給与が低い」ではなく、「既存顧客だけでなく新規開拓まで担当するようになった」「後輩同行も任されている」「以前より責任範囲が広がった」と事実を分解できます。
事務職でも同じです。
「給料が上がらない」だけだった話が、「通常の入力作業に加え、業務フローの見直しや新人教育まで担当している」に変わると、面接で語る材料が一気に増えます。
これは特定の一人の成功談ではなく、複数の相談で見られる共通パターンを一般化したものですが、私はここに大きな違いがあると感じています。
給与への不満が強い人ほど、まず給与ではなく『自分の仕事がどう変化したか』を言葉にしたほうがいい。
そうすると、「もっとお金がほしい」という話から、「より大きな役割を担える環境に移り、その役割に合った評価を受けたい」という説明へ自然に変わっていきます。
給料アップが本音の転職理由はどう伝える?例文と深掘り質問
実際の面接では、用意した転職理由を一度話して終わりではありません。
採用担当者は、その説明に矛盾がないか確かめるために深掘りします。
まず、よくある本音を整理すると次のようになります。
本音・NGになりやすい表現 面接で伝えやすい考え方
頑張っているのに給料が安い 成果や担当範囲をより明確に評価する環境で挑戦したい
とにかく年収を上げたい 経験を生かして役割を広げ、その責任に応じた評価を得たい
昇給しない会社にいたくない 中長期的に役割を広げられる評価制度のある環境を希望している
会社が自分を評価してくれない 自分の経験をより生かせる業務・評価制度へ移りたい
高い給料なら会社はどこでもいい 仕事内容・役割・待遇のバランスを見て転職先を選びたい
成果を出しても給料へ反映されにくい場合
営業職なら、次のような形が使えます。
「現職では担当顧客への提案活動を続け、担当範囲も広がってきました。一方で、現行の評価制度では成果が待遇に反映されるまで時間がかかるため、今後のキャリアを考えて転職を検討しています。これまでの営業経験を生かし、成果と役割がより明確に評価される環境で、さらに大きな売上貢献に挑戦したいと考えています」
ポイントは、会社批判ではなく制度と自分の希望を分けて説明することです。
「会社がおかしい」「上司が評価してくれない」と感情的に話すより、「現在の評価制度と、自分が今後目指したい働き方が合わなくなってきた」と整理したほうが伝わりやすくなります。
責任と年収が見合っていない場合
後輩指導やチーム運営まで任されているなら、
「現在は通常業務に加え、後輩育成やチーム内の業務調整も担当しています。こうした経験をさらに広げ、今後は正式にマネジメントや業務改善を担える環境で力を発揮したいと考え、転職を検討しています。役割と成果を明確に評価する御社の環境で、チーム全体の成果向上に貢献したいです」
という組み立てができます。
給料アップは目的の一つですが、その前に「より大きな責任を担う」という交換条件を置いています。
企業から見ても、「高い給与がほしい人」だけではなく、その待遇に対応する仕事を担おうとしている人として理解しやすくなります。
専門スキルをより高く評価してほしい場合
IT、技術、経理、法務など専門性が評価へ影響しやすい職種なら、
「これまで○○の実務を経験し、現在は△△まで担当しています。今後はより専門性の高い業務に携わり、自分の経験を広げたいと考えています。御社では○○領域の案件を多く扱っているため、これまでの経験を生かしながら新しい領域にも挑戦し、成果と役割に応じた評価を得られるキャリアを築きたいです」
といった流れです。
Geeklyが2026年6月10日に最終更新した年収アップ転職の記事では、社内SEからプロジェクトマネージャーへ転職して年収530万円から728万円となった30歳男性の例や、プロジェクトマネージャーから業務系SE・PGへ移り800万円から1100万円となった46歳男性の例が掲載されています。Geekly
ただし、これはあくまでGeekly利用者の個別事例です。
同じ職種へ転職すれば同程度上がるという意味ではありませんし、企業の給与テーブル、経験、選考評価、採用ポジションなどによって結果は変わります。
参考にしたいのは金額ではなく、「経験をどの役割として評価してもらうか」で提示される待遇が変わり得るという点です。
深掘り質問1「なぜ今の会社で改善できないのですか?」
ここはかなり重要です。
「給料が安いから転職します」と話した後に、「昇給を相談したのですか?」「異動や昇進では解決できませんか?」と聞かれることがあります。
回答例は、
「現職でも上司との面談で今後の役割や評価について確認しました。ただ、現在の制度では年次を基準とした昇格が中心で、短期的に担当範囲や評価方法が変わる見通しはありませんでした。今後より大きな役割に挑戦したいという希望もあり、社外を含めてキャリアを考えるようになりました」
という形です。
大切なのは、「何もせず不満を持って辞める人」に見せないことです。
実際に交渉していないなら、「相談しました」と作る必要はありません。
その場合は、「社内の評価制度や昇格条件を確認した結果、自分が希望するキャリアとのずれを感じた」といった、事実に沿った説明にしましょう。
深掘り質問2「なぜ当社でなければならないのですか?」
ここでは給与条件を繰り返さないことが重要です。
たとえば、
「給与水準だけで応募したわけではありません。御社では○○業界への提案を強化しており、現職で培った法人営業の経験を生かせる点に魅力を感じました。また、将来的に大口顧客やチーム運営まで担当できるキャリアがあるため、経験を広げながら長期的に貢献したいと考えています」
と答えられます。
つまり志望動機では、応募企業でしか得にくい仕事内容・役割・環境を具体化します。
「評価制度が良さそうだから」だけでは他社でも成立してしまいます。
深掘り質問3「希望年収の根拠は何ですか?」
ここで「生活費が上がったから」「今より100万円多くほしいから」だけでは、企業がその金額を提示する理由になりません。
仮に現年収500万円、希望年収550万円なら、
「現年収は500万円です。希望としては550万円程度を考えています。現職では○○に加え△△まで担当しており、今回のポジションでも同様の経験を生かしながら担当範囲を広げられると考えています。ただ、最終的には業務内容や役割、御社の給与制度を踏まえて相談させていただければと思います」
と伝える方法があります。
希望額は言いつつも、根拠を仕事内容へ戻しているのがポイントです。
転職で給料を上げたいとき希望年収はどう伝える?
転職理由と希望年収の交渉は、分けて考えましょう。
「なぜ転職するのですか?」と聞かれたときに、いきなり希望年収の金額を話す必要はありません。
一方、企業側から希望年収を聞かれたときや、条件面をすり合わせる段階では、自分の希望を曖昧にしすぎないことも大切です。
マイナビ転職が2024年10月29日に公表した「転職による年収アップの実態調査」では、転職後に年収が上がった人は40.2%、維持した人は34.9%、下がった人は25.0%でした。
30代では転職前後の年収増減額が平均プラス約47万円で、100万円以上増えた人も2割近くいました。マイナビ転職
ここから分かるのは、転職しただけで自動的に給料が上がるわけではないということです。
4人に1人は年収が下がっているため、「転職=給与アップ」と考えて退職を急ぐのはおすすめできません。
同調査では、転職時に年収交渉を行った人は半数以上で、そのうち8割以上が給与額を上げることに成功したとされています。
給与アップを目的として転職した人では77.4%が年収交渉をしており、交渉時に提示した希望年収の平均は612万円でした。マイナビ転職
ただし、この数字を「交渉すれば8割以上の人が年収アップできる」と読むのは危険です。
交渉する人には、すでに企業から高い評価を受けている人や、経験・スキルに交渉材料がある人も含まれます。
つまり、これは因果関係を証明する数字ではありません。
私がここから重視したいのは、年収について相談すること自体は珍しい行為ではないという点です。
同調査では、年収交渉を行ったタイミングとして一次面接が36.5%で最多でした。給与アップ目的の転職者では、書類選考36.3%、一次面接38.6%となっています。マイナビ転職
ただし、「一次面接では必ず自分から給与交渉を始めるべき」という意味ではありません。
企業から希望額を聞かれたとき、求人票と実際の役割に差があると分かったとき、内定後に条件通知を確認したときなど、状況に合わせて話すほうが自然です。
同じ調査で年収交渉をしなかった理由の1位は、「交渉することで印象が悪くなることを懸念したため」の24.1%でした。
20代では「交渉の方法が分からなかったため」が27.7%となっています。マイナビ転職
初めて転職するなら、「こんなことを聞いたら落とされるのでは」と怖くなるのも無理はありません。
そんなときは、年収交渉を「もっとお金をくださいというお願い」ではなく、仕事内容・役割・経験と報酬が合っているか確認する条件調整と捉えると整理しやすくなります。

給料アップ転職では初年度年収より何を確認すべき?
給料を上げることが転職の大きな目的なら、求人票の「想定年収○○万円」という数字だけで決めないでください。
同じ年収450万円でも、基本給、固定残業代、賞与、手当の構成は会社によって異なります。
マイナビ転職の2024年調査では、転職後の給与について応募時の認識とのギャップを感じた人は半数以上でした。
「認識していたより低かった」というネガティブなギャップを感じた人は4人に1人で、ギャップにつながった項目として最も多かったのは「基本給」の29.6%でした。マイナビ転職
給料アップを目的に転職するときは、少なくとも次のように分けて確認したいところです。
確認項目 見ておきたいポイント
基本給 各種手当や固定残業代を除いた金額はいくらか
固定残業代 何時間分、いくらが給与に含まれているか
賞与 回数だけでなく、算定方法や支給実績をどう説明しているか
手当 住宅・家族・資格など、自分が実際に対象になるか
昇給 評価時期、昇給条件、昇格時の給与レンジはどうなっているか
評価制度 年次・成果・能力・役割のうち何を重視するか
特に私は、「入社時にいくらもらえるか」だけでなく、「何をすれば次に給料が上がるのか」まで確認することをおすすめします。
たとえば年収450万円の会社と430万円の会社があったとしても、450万円の会社は昇給基準が曖昧で、430万円の会社は役割ごとの給与レンジと昇格条件が明確かもしれません。
初年度だけなら450万円の会社が上です。
でも3年後、5年後まで考えると、どちらが有利かは初年度年収だけでは判断できません。
マイナビ転職の調査では、前職を退職する直前1年間に「昇給なし」だった人が全体の半数以上でした。
一方、転職後の会社に5年間勤務した場合の年収について、回答者の予想平均は現在より約127万円高いという結果でした。これは実際の将来給与を保証する数字ではなく、あくまで回答者の見込みですが、「今の金額」だけでなく将来の伸びを意識する重要性は分かります。マイナビ転職
同じ調査では、転職で年収が上がった理由として「スキルや実績、経験が評価されたから」が21.5%で最も高い結果でした。マイナビ転職
ここは、給料アップを目指す人にとってかなり大事な数字だと私は考えています。
転職アドバイザーとしての考察|「いくら欲しいか」より「何を評価されたいか」
筆者としては、「給料を上げたい」という転職理由を必要以上に隠す必要はないと考えています。
ただ、転職活動を始めたら一度だけ、金額とは別の質問を自分にしてほしいんです。
「私は、何を評価されて給料を上げたいのか?」
営業成果でしょうか。
専門知識でしょうか。
マネジメントでしょうか。
業務改善でしょうか。
担当する責任の大きさでしょうか。
顧客との関係構築でしょうか。
この答えが分かると、求人を見る基準そのものが変わります。
「年収500万円以上」という条件だけで検索するのではなく、自分の強みを評価する仕組みがある会社かを見るようになるからです。
これが、給料アップ転職で見落とされやすい視点だと思います。
たとえば成果を出すことが得意なのに、ほぼ年功序列で給与が決まる会社では、本人が頑張っても短期的には収入へ反映されにくい可能性があります。
反対に、成果評価の比重が高い会社へ行けば収入を伸ばせる可能性はありますが、目標へのプレッシャーが強くなるかもしれません。
マネジメントを評価する会社なら役職へ上がることで給与レンジが変わる可能性がありますが、人を管理する仕事が自分に合わなければ、年収だけ上がっても苦しくなるでしょう。
つまり、給料は単独の数字ではありません。
仕事内容・責任・評価方法・労働時間・将来のキャリアとセットになった条件です。
私自身、激務や人間関係で余裕がなくなっていた時期には、「今より条件がいい会社ならどこでもいい」と思いかけたことがあります。
でも、しんどいときほど「一番つらい条件」だけを改善しようとして、ほかの条件が見えなくなりやすいんですよね。
年収が50万円上がっても、残業が大幅に増えたら納得できない人もいます。
一方、初年度の年収アップが小さくても、専門性を高められ、数年後により高い役割へ進める会社なら、中長期では納得できるかもしれません。
マイナビ転職の調査でも、給与面で「認識より高かった」人の中には、残業や夜勤が想定より多かったことで結果的に収入が増えていた回答が見られます。マイナビ転職
これは「年収が上がった=転職成功」と単純に判断できないことを示す、とても分かりやすい例だと私は感じます。
だから企業を比べるときは、
「年収はいくらか」
だけではなく、
「その年収を得るために何を求められるのか」
まで見てください。
そして面接では、
「もっと給料がほしいです」
ではなく、
「これまで○○の経験を積んできた。次は△△まで役割を広げたい。その経験を御社の□□で生かし、成果と責任に応じた評価を得られるキャリアを築きたい」
と話す。
この形なら、給与アップという本音を隠さずに、仕事への意欲と企業への貢献まで伝えられます。
私は、これが「給料を上げたい」という転職理由を最も無理なく伝える方法だと考えています。
まとめ
転職理由が「給料を上げたい」でも、それだけで面接に不利になると決まっているわけではありません。
重要なのは、「実績→評価上の課題→次に担いたい役割→応募企業への貢献」の4要素で整理し、「給料が低いから辞めたい」という不満だけで終わらせないことです。
厚生労働省の「令和2年転職者実態調査」では、「賃金が低かったから」を自己都合の離職理由に挙げた割合は23.8%でした。マイナビ転職の2024年調査でも、転職者の7割が給与面を転職理由に含めています。厚生労働省+1
一方、同調査で転職後に年収が上がった人は40.2%でしたが、25.0%は年収が下がっています。マイナビ転職
だからこそ、「転職すれば給料が上がる」と考えるのではなく、自分の経験がどんな役割で評価されるのか、基本給や固定残業代、賞与、昇給制度まで確認することが大切です。
そして面接で深掘りされたときは、「なぜ現職で改善できないのか」「なぜこの会社なのか」「なぜその希望年収なのか」の3つに答えられるよう準備しておきましょう。
「給料を上げたい」は隠すべき本音ではありません。
自分が何を評価されたいのかを明確にし、その価値をより発揮できる会社を探すこと。
そこまで整理できれば、給与アップは単なる条件交渉ではなく、これからのキャリアを考える立派な転職軸になります。
よくある質問
転職面接で「給料を上げたい」と正直に言っても大丈夫ですか?
給与アップを転職理由の一つとして話すこと自体が、一律にNGになるわけではありません。
ただし「今の会社は給料が安いから」とだけ話さず、これまでの実績、現在の評価上の課題、次に担いたい役割、応募企業でどう貢献できるかまでつなげましょう。
「給料が低いから辞めたい」はどう言い換えればいいですか?
「成果や担当する役割がより明確に評価される環境で、これまでの経験を生かしながら責任範囲を広げたい」といった形に整理できます。
大切なのは言葉だけをきれいにすることではなく、「なぜそう考えたのか」を自分の実績や仕事内容で説明できるようにすることです。
希望年収を言うと選考で不利になりますか?
希望年収を伝えたことだけで、一律に不利になるとは限りません。
現年収、経験、担当範囲、実績、応募先で担う役割などを踏まえ、希望額の根拠を説明できるようにしておきましょう。金額だけでなく、基本給、固定残業代、賞与、昇給制度も併せて確認することが大切です。
夏目結衣


コメント