転職エージェントは、初めての転職や在職中で時間がない人ほど使う価値が高く、自力で進められる人には必須ではありません。
こんにちは!転職アドバイザーの夏目結衣です。毎日遅くまでの残業や、しんどい人間関係…本当にお疲れ様です。私もかつて「このままでいいのかな」と悩みながら、限界まで無理をして働いていた時期があるので、そのモヤモヤ痛いほどわかります。このブログでは、キレイごと抜きのリアルな葛藤や、エージェント業界のぶっちゃけ話も交えながら、あなたが自分らしい働き方を見つけるためのヒントを親身にお届けしますね!
「転職エージェントは使うべき?」「使わない方がいいって本当?」「検索すると“やめとけ”“意味ない”“いらない”と出てきて不安……」と迷っている人は多いと思います。
結論からいうと、転職エージェントの良し悪しを一括りにして決めるより、自分が転職活動のどこで困っているかを見ることが大切です。
OpenWorkが2025年9月8日に公開した記事でも、転職エージェントは全員に最適な方法ではなく、自分の性格や目的に合う転職方法を選ぶ重要性が示されています。記事を監修する栗原深雪氏は、社会保険労務士、国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラーの資格を持つ専門家です。
この記事では、転職エージェントを使うべき人・使わなくてもいい人を最初に判定したうえで、「やめとけ」「意味ない」と言われる理由、無料で利用できる仕組み、メリット、失敗しやすいパターン、担当者の見極め方、後悔しにくい使い方まで整理します。
「登録するか迷っている」「すでに利用しているけれど疲れてきた」という人も、自分に必要な部分だけ使うための判断材料にしてくださいね。
転職エージェントは使うべき?まずは30秒で自分を判定しよう

初めての転職、書類や面接に不安がある、仕事が忙しい。このどれかに当てはまるなら、転職エージェントを使うメリットは比較的大きいでしょう。
反対に、志望企業が決まっていて、求人探しから応募、選考管理まで自力で進められるなら、無理に使う必要はありません。
まずは、自分がどちらに近いか確認してみてください。
使った方がいい可能性が高い人 使わなくてもいい可能性が高い人
初めての転職で進め方が分からない 志望企業や応募先がすでに決まっている
職務経歴書の書き方に自信がない 書類作成や企業研究を自力で進められる
面接で転職理由をうまく説明できない 面接対策に大きな不安がない
在職中で求人探しや日程調整の時間がない 企業との日程調整を自分で管理できる
自分の経験で応募できる仕事が分からない 自分の転職市場や希望職種を理解している
第三者にキャリアを整理してほしい 他人に介入されず自分のペースで進めたい
一つでも右側に当てはまったから「エージェント不要」という話ではありません。
大切なのは、自分一人でできるかではなく、今の生活の中で無理なく続けられるかです。
私自身、激務の中で転職活動をしていた頃、「今日は帰ったら求人を見よう」と思っていても、家に着いた瞬間に何もする気力が残っていない日が何度もありました。
書類を作れる能力があっても、毎日残業しながら求人を探し、企業研究をして、応募し、面接の日程を調整するのは別の話なんですよね。
OpenWorkの記事が参照している「マイナビ 転職動向調査2025年版(2024年実績)」では、直近の転職で転職エージェントを「情報収集」に使った人は21.3%、「応募」に使った人は19.3%とされています。
つまり、転職エージェントは有力な選択肢ではあるものの、「転職するなら全員が使うもの」ではありません。
リクルートエージェントも2025年4月28日更新の記事で、転職エージェントを使わずに転職することは可能だと説明しています。
転職サイト、企業の採用ページからの直接応募、スカウトサービス、ハローワーク、知人からの紹介、転職イベントなど、応募ルートはいくつもあります。
だから私は、「エージェントを使う・使わない」の二択ではなく、苦手な工程だけ第三者の力を借りるくらいに考えるのがちょうどいいと思っています。
求人は自分で探すけれど職務経歴書だけ添削してもらう。
応募先は自分で選ぶけれど面接対策は相談する。
企業との日程調整だけ任せる。
そんな使い方でもいいんです。
転職エージェントを使うべきかは「能力」より「余力」で考える
ここは、初めて転職する人ほど見落としやすいポイントです。
「自分で職務経歴書を書けるからエージェントはいらない」「求人サイトを検索できるから一人でも大丈夫」と、できる・できないだけで判断してしまうことがあります。
でも、在職中の転職活動では、できることと、継続できることは違います。
たとえば、平日は仕事で疲れ切っていて、休日は寝て終わってしまう状態なら、求人を探す能力があっても転職活動そのものが進みません。
逆に、仕事内容や業界研究が好きで、自分で応募先を探す方が楽しい人なら、エージェントから大量の求人を送ってもらうことがストレスになる場合もあります。
そのため私は、「エージェントが必要な人・不要な人」と固定するより、今の自分の時間、気力、経験の3つで判断する方が実用的だと考えています。
初めての転職で何から手をつければいいか分からず、さらに現職も忙しいなら、第三者の支援を借りる意味は大きくなります。
一方で、転職経験があり、行きたい会社も明確で、選考管理にも慣れているなら、自分で進める方が早いこともあるでしょう。
なぜ転職エージェントは「やめとけ・意味ない・いらない」と言われる?
「やめとけ」と言われる背景には、希望と違う求人、担当者の質の差、連絡の負担、応募や意思決定を急かされる感覚があります。
これは単なるネット上の悪評だけではなく、実際の利用者調査にも表れています。
株式会社ゼロアクセルが運営する比較メディア「ココモーラ」は、2026年3月25日から4月7日に、転職エージェントを利用して転職した164人へアンケートを実施しました。
その結果、不満だった点として「担当者の質にばらつきがあった」が20.29%、「希望と違う求人を紹介された」が18.84%、「連絡がしつこい・遅い」が15.94%でした。
一方、「満足」「非常に満足」を合わせると57.93%で、評価が一方向ではないことも分かります。
この結果はかなり象徴的だと思います。
転職エージェントそのものが役に立たないというより、「担当者と自分の組み合わせ」で満足度が大きく変わりやすいのです。
さらに、ITエンジニア429人を対象として2026年3月25日〜27日に行われた調査では、73.9%が転職成功前にエージェント利用を途中でやめた経験があると回答しています。
途中で利用をやめた317人の理由では、「希望に合わない求人ばかり紹介された」が50.2%、「応募や内定承諾を急かされた」が36.6%、「担当者とのコミュニケーションが合わなかった」が31.2%でした。
なお、ITエンジニアに限定した調査なので、すべての転職者にそのまま当てはめることはできません。
一方で、同じ調査では87.4%が次回の転職でもエージェント利用に前向きと回答しています。
ここが面白いところです。
「嫌な経験をした人がいる」ことと「サービス自体に価値がない」ことは、まったく同じではありません。
OpenWorkも「使わないほうが良い」と言われる背景として、キャリアアドバイザーとの相性、希望に合わない求人、自分のペースで活動しにくいことなどを挙げています。
JAC Recruitmentも2026年4月22日更新の記事で、応募までに時間がかかる場合があること、保有求人に偏りがあること、すべての求人を自由に閲覧できるわけではないことなどをデメリットとして説明しています。

特に気をつけてほしいのは、現職ですでに疲れ切っている人です。
残業の合間に電話へ出て、大量の求人を確認し、「応募しますか?」という連絡へ次々返信する状態になると、本来負担を減らすためのエージェントが「もう一つの仕事」になってしまいます。
その状態で「自分には転職エージェントが向いていない」と判断する前に、連絡頻度や求人の出し方を調整してもらえないか相談してみてください。
たとえば、次のように具体的に伝える方法があります。
- 求人は一度に5件程度にしてほしい
- 勤務時間中は電話に出られないのでメール中心にしてほしい
- 応募前には必ず自分の確認を取ってほしい
- 希望条件に合わない求人は大量に送らないでほしい
- 連絡可能な時間帯をあらかじめ決めたい
こうした希望を伝えるだけでも、使い勝手はかなり変わります。
「転職エージェントはしつこい」と感じるときも、サービス全体が悪いと決める前に、連絡方法を調整できないか確認する価値はあります。
「意味ない」と感じるのは期待していた役割と違うこともある
転職エージェントに登録すれば、自分では見つけられない理想の求人を次々紹介してもらえて、転職まで自動的に進んでいく。
そんなイメージを持っていると、実際に利用したときに「思ったほど意味がない」と感じることがあります。
転職エージェントができるのは、あくまで求人紹介、キャリア相談、選考支援、企業との調整などです。
最終的に「どの会社を受けるか」「どの条件を優先するか」「内定を承諾するか」を決めるのは本人です。
特に求人紹介では、希望条件を細かく伝えていなければ、担当者も提案の基準を作れません。
「条件に合う求人が来ない」と感じたときは、担当者だけの問題なのか、自分の希望が十分に言語化できているのかも一度確認してみてください。
もちろん、希望を何度伝えても合わない求人ばかり紹介されるなら、担当者やサービスの変更を検討して構いません。
大切なのは、我慢して使い続けることではなく、自分の転職活動が前へ進む使い方になっているかです。
転職エージェントが無料なのはなぜ?
求職者が一般的な転職エージェントを原則無料で利用できる背景には、企業側から職業紹介事業者へ手数料が支払われる仕組みがあります。
ここは「無料だから何か裏があるのでは?」と不安になりやすい部分ですが、制度上の根拠もあります。
職業安定法第32条の3第2項では、有料職業紹介事業者が求職者から手数料を徴収することを原則として禁止し、一定の例外を設けています。
そのため、「転職エージェントは求職者なら何でも完全無料」と広く断定するより、求職者は原則無料で利用できると表現する方が正確です。
ただし、エージェントが営利事業であることまで忘れてはいけません。
企業から報酬を得る仕組みだからこそ、担当者から求人を勧められたときに、私は次の3つを聞いてほしいと思っています。
- なぜ私にこの求人を紹介したのですか?
- 私の希望条件と合っている点、合っていない点はどこですか?
- 入社前に確認しておいた方がいい注意点はありますか?
この質問に具体的に答えてくれる担当者なら、求人票を右から左へ流しているだけではなく、あなたの経歴と希望を考えて提案している可能性が高いでしょう。
逆に、「人気だから」「とりあえず応募してみましょう」といった説明だけで応募を急かされる場合は、いったん立ち止まって構いません。
無料で利用できることと、勧められた求人へ応募する義務があることは別です。
転職エージェントを使うメリットは?初めての転職ほど価値が出やすい
転職エージェントの強みは、求人を紹介してもらうことだけではなく、転職活動の「分からない・面倒・聞きにくい」を減らせることです。
JAC Recruitmentは、転職エージェントのメリットとして、キャリア相談、求人紹介、履歴書・職務経歴書のサポート、面接対策、日程調整、条件交渉などを挙げています。
初めて転職する人の場合、私は特に「順番を整理してもらえること」が大きいと思っています。
転職活動は、いきなり求人へ応募すればいいわけではありません。
まず「なぜ今の会社を辞めたいのか」を整理し、その不満を「次の会社で実現したい条件」に変換する必要があります。
たとえば、「残業が多すぎてつらい」で終わるのではなく、
「月の残業時間を今より減らしたい。給与より休日と勤務時間を優先したい」
という条件に変えていきます。
「上司と合わない」なら、
「個人の裁量が大きい環境がいいのか」
「相談しやすいチーム制がいいのか」
「評価基準が明確な会社を求めているのか」
まで掘り下げる必要があります。
ここが曖昧なまま求人だけ大量に見ると、「今の会社より何となく良さそう」という理由で応募先を決めてしまいやすくなります。
私自身も転職活動を始めた頃は、「とにかく今の環境から逃れたい」という気持ちがかなり強くありました。
でも、嫌なものだけを基準にすると、次の会社を選ぶ軸ができないんですよね。
だからこそ、第三者と話しながら言葉にしていく意味があります。
書類添削や面接対策は「正解をもらう」より客観視に価値がある
職務経歴書や面接対策も、単に「こう書けば通る」「こう答えれば受かる」という正解を教わるためだけのものではありません。
自分では当たり前だと思っている経験が、第三者から見ると強みになっていることがあります。
逆に、自分では大きな実績だと思っていても、「何を工夫したのか」「結果がどう変わったのか」が伝わらず、書類上では魅力が伝わっていない場合もあります。
たとえば営業職なら、「新規開拓を担当した」だけで終わるより、担当した顧客層、工夫した行動、結果として何が改善したのかまで整理した方が、採用側も経験を理解しやすくなります。
こうした自分では気づきにくい部分を指摘してもらえることは、転職エージェントを利用する一つの価値です。
もちろん、添削された文章をそのまま受け入れる必要はありません。
面接で自分の言葉として話せない表現になってしまったら意味がないので、最終的には自分が納得できる言葉へ整えてください。
在職中の転職では日程調整の負担を減らせる
もう一つ大きいのが、在職中の時間負担です。
転職活動が進むと、求人検索だけではなく、職務経歴書の修正、企業研究、面接準備、複数企業の日程調整、選考結果への対応、内定後の条件確認が同時進行になります。
仕事が忙しい人ほど、この「細かいタスクの積み重ね」が苦しくなります。
そんなとき、企業との連絡や日程調整を間に入ってもらえることには、求人紹介とは別の価値があります。
たとえば面接候補日の調整で、複数企業へ一社ずつ連絡する必要が減るだけでも、在職中の負担は変わります。
また、選考途中で確認したいことが出たときに、本人から企業へ直接聞きにくい内容を担当者経由で確認できる場合もあります。
ただし、どこまで対応してもらえるかはサービスや求人によって異なります。
「エージェントを使えば全部やってくれる」と思い込まず、最初の面談でサポート範囲を確認しておくと安心です。
一方、志望企業が決まっていて、書類も自分で作れ、企業と直接やり取りすることに抵抗がない人なら、エージェントを介さない方がシンプルでしょう。
便利なサービスだから使うのではなく、自分の負担を減らせる部分があるから使う。
この考え方なら、「みんな使っているから」という理由だけで登録して疲れることも減らせます。
転職エージェントで失敗しやすい人は?支援現場で注意したい3つのパターン
転職エージェントで失敗しやすいのは、希望条件を決めずに任せきる人、担当者の意見を市場全体の評価だと思う人、応募管理まで丸投げする人です。
私は転職相談を見るとき、サービス名よりも「本人が主導権を持てているか」をかなり重視しています。
特に注意したいのが、次の3パターンです。
1.希望条件が全部「大事」になっている
「年収も上げたい」
「残業も減らしたい」
「在宅勤務もしたい」
「通勤時間も短くしたい」
「仕事内容も変えたい」
「大手がいい」
希望を持つこと自体はもちろん悪くありません。
むしろ、今の職場でつらい思いをしているなら、「次こそはこうしたい」と考えるのは自然です。
ただ、全部を同じ優先順位にすると、担当者も求人を絞り込めなくなります。
すると紹介数だけ増え、「希望と違う求人ばかり送られてくる」という不満につながりやすくなります。
私は、転職条件を「絶対に譲れない」「できれば欲しい」「なくても困らない」の3段階に分けることをおすすめしています。
たとえば「残業時間を減らす」が最優先なら、年収が少し上がる代わりに長時間労働になる求人は最初から外せます。
「年収を下げない」が絶対条件なら、仕事内容が魅力的でも条件を満たさない求人へ応募するかどうかを早めに判断できます。
これだけでも求人を見る疲労はかなり減ります。
さらに、「今の会社で嫌だったこと」をそのまま条件にするのではなく、「次はどうなっていれば満足できるのか」まで言葉にすると、求人選びの精度が上がります。
2.一人の担当者の意見を「転職市場の答え」だと思ってしまう
担当者から「その業界は難しいです」と言われると、初めて転職する人ほど「自分には無理なんだ」と受け止めてしまいがちです。
でも、その担当者が持っている求人、得意な業界、経験してきた支援領域によって見方は変わります。
同じ営業経験でも、メーカー営業、IT営業、法人営業、個人営業では評価される能力が違います。
ある担当者には評価されなかった経験が、別の業界に詳しい担当者から見ると強みになることも考えられます。
だから私は、担当者の意見は重要な参考情報ではあっても、転職市場全体の判定ではないと考えています。
これは転職エージェントを複数比較する大きな理由でもあります。
2026年のココモーラ調査では、転職エージェントを2社以上利用した人が56.1%でした。
併用した理由では「求人を比較するため」が57.61%、「より多くの求人を見たかった」が46.74%、「担当者の質を見極めるため」が42.39%となっています。
複数利用の意味は、単純に求人を増やすことだけではないんです。
自分への評価を一人の担当者だけで決めないことにも意味があります。
ただし、複数利用にも注意点があります。
社数を増やしすぎれば、面談、求人確認、メール、電話、応募状況の管理も増えます。
比較するために登録したはずが、連絡対応だけで疲れてしまったら本末転倒です。
まず少数を比較し、「求人」「担当者との相性」「連絡のしやすさ」を見ながら絞っていく方が現実的でしょう。
3.応募管理まで完全に任せてしまう
転職エージェントを使っていても、「どの会社へ、いつ、どの経路から応募したか」は自分で管理した方が安心です。
特に複数のエージェントや転職サイト、直接応募を併用すると、同じ企業の求人を別ルートで見つけることがあります。
リクルートエージェントも、複数利用する際は同じ求人へ重複応募しないよう確認すること、利用社数が増えすぎると管理負担が大きくなることから、まず2〜3社程度に絞る方法を案内しています。
会社名、応募日、応募経路、選考状況、次回予定くらいは、自分でも一覧にしておきましょう。
面接後に「どの担当者へ結果を連絡すればいいんだっけ?」と混乱することも防げます。
また、同じ企業でも職種や求人票が違う場合があります。
「会社名が同じだから同じ求人だろう」と自己判断せず、気になったら担当者へ確認してください。
エージェントは転職活動を助けてくれる存在ですが、あなたの転職活動そのものを所有しているわけではありません。
最終的な判断と管理の主導権は、自分が持っておくことが大切です。

「やめとけ」で後悔しないためには?良い担当者を見極めて必要な部分だけ使う
転職エージェントは、転職先を決めてもらうサービスではなく、自分の判断材料を増やすための相談相手として使うのがおすすめです。
ここまで読んで「自分は使ってみようかな」と思った人も、最初から担当者を全面的に信用する必要はありません。
逆に、「やっぱり使うのは怖い」と感じている人も、面談をしたからといって紹介された求人へ全部応募する必要はありません。
最初の面談では、求人件数より「こちらの話をどう理解しているか」を見てください。
私なら、担当者へ次のように質問します。
- 私の経験の中で、転職市場で評価されそうなのはどこですか?
- 私の希望条件だと、現実的に難しい部分はありますか?
- この求人を勧める理由を具体的に教えてください
- この会社について、応募前に知っておいた方がいい点はありますか?
- 私と似た経験の人は、どんな仕事へ転職するケースがありますか?
良い担当者なら、「応募できますよ」だけではなく、なぜそう考えるのかを説明してくれるはずです。
反対に、希望条件をほとんど聞かずに大量の求人を送り、質問しても理由が曖昧で、応募だけを急かしてくるなら、少し慎重になった方がいいでしょう。
良い担当者は「できる話」だけでなく「難しい話」もする
私が担当者を見るうえで大切だと思うのは、耳ざわりのいい話ばかりしないことです。
希望年収、経験年数、働き方、職種変更など、すべての条件が同時にかなうとは限りません。
そんなときに、「全部いけます」と言うだけではなく、
「この条件なら求人はありますが、勤務地の選択肢は狭くなりそうです」
「未経験職種へ移るなら、最初は年収より経験を優先した方が選択肢は広がります」
といった形で、条件同士の関係を説明してくれる担当者の方が判断材料になります。
もちろん、その意見が必ず正しいわけではありません。
ただ、メリットだけでなくデメリットや難しい点も伝えてくれるかどうかは、担当者を比較するときの一つの目安になります。
サービスによっては担当者の変更を相談できる場合もあります。
一人の担当者と合わなかっただけで、「転職エージェントは全部ダメだった」と判断する必要はありません。
総合型と特化型はどちらを選ぶ?
また、総合型と特化型の違いも簡単に理解しておくと便利です。
幅広い業界や職種を扱う総合型は、まだ転職先を絞り切れていない人が選択肢を広げるときに向いています。
一方、特定の業界・職種・経験層を中心に扱う特化型は、その分野について細かな情報を得られる可能性があります。
たとえば、「今と同じ職種で業界だけ変えたい」「特定の専門職で経験を生かしたい」といった場合には、その領域を多く扱うサービスの方が話が早いこともあるでしょう。
ただし、「総合型だから浅い」「特化型なら必ず詳しい」と決めつけるのは危険です。
結局は、自分が目指す仕事と保有求人、担当者の知識が合っているかを見る必要があります。
私はここで、「求人の数」より「求人を勧める理由の解像度」を比べてほしいと思っています。
100件送ってくる担当者より、5件について「あなたが話していた○○という希望と、この求人の△△が合っています。ただし□□は希望とずれます」と説明できる担当者の方が、判断材料として役立つこともあります。
そして、エージェント以外の情報源も並行して見てください。
求人サイトで市場を眺める。
気になる企業は公式採用ページも確認する。
企業情報を自分でも調べる。
必要なら別のエージェントの意見も聞く。
こうして複数の情報を重ねることで、一人の担当者の価値観だけに引っ張られにくくなります。
転職エージェントを途中でやめてもいい
「一度登録したら、転職が終わるまで利用し続けないといけないの?」と心配する人もいますが、合わなければ利用方法を見直して構いません。
たとえば、求人紹介はいったん止めてもらい、応募中の企業だけサポートしてもらう方法も考えられます。
転職活動自体を一度休みたいなら、その旨を伝える選択肢もあります。
担当者からの連絡が負担なら、電話ではなくメール中心を希望したり、連絡可能な時間帯を指定したりすることもできます。
ここで大切なのは、「担当者に申し訳ないから」と自分の転職条件を曲げないことです。
担当者に時間を使ってもらったからといって、希望していない企業へ応募したり、納得していない内定を承諾したりする必要はありません。
転職は、その後の生活や働き方に長く影響する選択です。
担当者との関係を気にするあまり、自分の判断を後回しにしないでください。
私が考える「転職エージェントを使うべきか」の最終基準
私が最終的におすすめしたい判断基準は、とてもシンプルです。
「そのサービスを使うことで、自分の転職判断が楽になるか、より正確になるか」
これだけです。
求人メールが増えただけ。
電話対応が増えただけ。
勧められた企業へ応募するか悩む時間が増えただけ。
この状態なら、使い方を変えるか、一度距離を置いた方がいいでしょう。
反対に、
「自分の強みが言葉になった」
「職務経歴書の改善点が分かった」
「知らなかった選択肢に気づいた」
「面接で話す内容が整理できた」
「企業との日程調整が減って楽になった」
こう感じられるなら、そのエージェントを利用する意味があります。
転職活動で大切なのは、エージェントを利用したかどうかではありません。
自分が納得できる情報を集め、自分の基準で次の会社を選べたかどうかです。
私は、自分自身が激務や人間関係に悩みながら転職した経験があるからこそ、「全部一人で頑張らなければ」と思わないでほしいと感じます。
疲れているときほど、人は判断するだけでもエネルギーを使います。
でも、だからといって判断そのものを誰かへ預けるのも違います。
エージェントに任せるのは「作業」と「情報収集」。
自分が手放してはいけないのは「決断」。
この線引きができれば、転職エージェントはかなり使いやすい道具になると私は考えています。
転職エージェントを使う・使わないで迷ったときの進め方は?
迷っている段階なら、最初から「利用する」「利用しない」を永久に決める必要はありません。まず情報収集として使い、自分に合うかを確認する方法があります。
転職エージェントへ相談したからといって、すぐに退職したり、応募したりしなければならないわけではありません。
私は、迷っている人ほど次の順番で考えると整理しやすいと思っています。
1つ目は、転職したい理由を書き出すことです。
「残業がつらい」「人間関係が苦しい」「給与が上がらない」「仕事内容に将来性を感じない」など、最初は感情的な言葉でも構いません。
2つ目は、その不満を次の会社に求める条件へ変えることです。
「残業がつらい」なら勤務時間、「評価が曖昧」なら評価制度、「仕事内容が合わない」なら希望職種というように置き換えます。
3つ目は、自分だけで調べて分からない部分を整理することです。
「自分の経験でどんな求人に応募できるのか分からない」「年収相場が分からない」「職務経歴書に自信がない」という部分があれば、そこがエージェントへ相談する候補になります。
4つ目は、相談した内容をそのまま信じず、自分でも確認することです。
紹介された求人を企業の採用情報と見比べたり、仕事内容や条件を確認したりしてください。
そして5つ目に、使った結果、自分の負担が減ったかを判断します。
この順番なら、「転職エージェントを使うこと」自体が目的になりません。
「登録するだけ」より目的を1つ決めて相談した方がいい
転職エージェントを何となく登録すると、面談で希望条件を聞かれても答えられず、紹介される求人も広がりすぎることがあります。
そこで、最初から完璧な転職軸を作る必要はありませんが、「今日はこれを知りたい」という目的を一つ決めておくのがおすすめです。
たとえば、
- 自分の経歴で応募できる求人を知りたい
- 職務経歴書の改善点を知りたい
- 今の年収が転職市場でどう見られるか知りたい
- 未経験職種へ行ける可能性を確認したい
- 在職中でも進めやすい方法を相談したい
この程度で十分です。
目的があれば、面談後に「相談して意味があったか」を自分でも判断しやすくなります。
これは私が転職支援を見る中で、とても大事だと感じているポイントです。
エージェント選びというとサービス名の比較に目が行きやすいのですが、実際には「何を相談したいのか」が明確な人ほど、担当者の良し悪しも見分けやすくなります。
まとめ
転職エージェントは、「転職する人全員が使うべきサービス」でも、「やめとけと言われるから避けるべきサービス」でもありません。
初めての転職で進め方が分からない人、職務経歴書や面接に不安がある人、在職中で転職活動の時間を確保しにくい人には、利用する価値が高くなりやすいでしょう。
一方で、志望企業が明確で、求人検索から応募、面接対策、日程管理まで自分で進められ、自分のペースを最優先したい人なら、使わなくても問題ありません。
「やめとけ」「意味ない」「いらない」と言われる背景には、担当者の質のばらつき、希望と違う求人、連絡の負担、応募や意思決定を急かされる感覚があります。
実際、2026年の利用者調査でも「担当者の質にばらつきがあった」「希望と違う求人を紹介された」といった不満が確認されています。
だからこそ、担当者の言葉をそのまま答えにせず、「なぜこの求人なのか」を質問し、自分でも企業情報や応募状況を管理することが大切です。
今の会社がつらいと、「早く辞めたい」という気持ちが一番大きくなることがあります。
でも、転職のゴールは今の会社から逃げることだけではなく、今感じている不満を、次の職場でできるだけ繰り返さないことです。
「今の会社で何を変えたいのか」
「次の会社で何だけは譲れないのか」
まずはこの2つを決めてみてください。
そのうえで、一人では負担が大きい部分だけ転職エージェントに頼る。
「求人は自分で探す」「書類だけ見てもらう」「面接対策だけ相談する」という使い分けでも構いません。
私はそれが、初めて転職する20代・30代にとって、後悔を減らしやすい使い方だと考えています。
よくある質問
転職エージェントを使わないと転職できませんか?
いいえ。転職サイト、企業への直接応募、スカウトサービス、ハローワーク、知人からの紹介など、転職エージェント以外にも方法があります。
ただし、求人探し、応募書類、企業研究、面接準備、日程調整、条件確認など、自分で担当する工程は増えます。
自分で進めること自体に問題はないので、「エージェントを使わないと不利になる」と決めつける必要もありません。
転職エージェントを使うと勝手に応募されますか?
応募は本人の意思を確認して進める運用が一般的ですが、サービスごとのルールや担当者との認識を最初に確認しておくと安心です。
「応募する前に必ず私の了承を取ってください」と明確に伝え、自分でも企業名・応募日・応募経路を管理しておきましょう。
特に複数のサービスを利用する場合は、重複応募を避けるためにも自分側の管理が重要です。
転職エージェントは何社くらい使うべきですか?
初めて複数利用するなら、まず2〜3社程度から比較する方法があります。
リクルートエージェントも、利用先が増えるほどやり取りやスケジュール管理の負担が大きくなるため、最初は2〜3社に絞る方法を案内しています。
数を増やすこと自体を目的にせず、「自分に合う求人があるか」「担当者が希望を理解しているか」「連絡の負担が大きすぎないか」を比較し、合うサービスへ絞っていくのがおすすめです。
筆者:夏目結衣(28歳・若手専門転職アドバイザー)


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