転職活動は、生活資金に不安があるなら働きながら始めるのが基本です。退職後が向くのは、時間確保が難しく、無収入期間にも耐えられる準備がある人です。
dodaの8,955名調査では、働きながら転職活動をした人が55%、辞めてから活動した人が45%でした。2026年9月時点では自己都合退職後の雇用保険制度も変わっているため、古い情報だけで退職時期を決めないことも重要です。
こんにちは!転職アドバイザーの夏目結衣です。毎日遅くまでの残業や、しんどい人間関係…本当にお疲れ様です。私もかつて「このままでいいのかな」と悩みながら、限界まで無理をして働いていた時期があるので、そのモヤモヤ痛いほどわかります。このブログでは、キレイごと抜きのリアルな葛藤や、エージェント業界のぶっちゃけ話も交えながら、あなたが自分らしい働き方を見つけるためのヒントを親身にお届けしますね!
「今の会社を辞めたい。でも、次が決まる前に辞めるのは怖い」「仕事が忙しすぎて、働きながら転職活動なんてできそうにない」。初めての転職では、この迷いが最初の大きな壁になりやすいですよね。
この記事では、2025年2月18日に公開されたdoda「転職活動は働きながら?辞めてから?内定までの期間や入社日調整について解説」を軸に、2026年9月時点の雇用保険制度と転職市場のデータも踏まえながら、「働きながら」と「辞めてから」のどちらを選ぶべきか整理します。
単純に「在職中のほうが有利」「退職後は不利」と決めつけるのではなく、収入・時間・現職の負担・希望する求人の数まで含めて、自分に合った進め方を見つけていきましょう。
転職活動は働きながらと辞めてから、実際はどちらが多い?

結論は、働きながら転職活動をする人がやや多いものの、転職成功者ではほぼ半々です。
dodaが20〜59歳の正社員8,955名を対象に2024年8月5日〜13日に実施した調査では、「働きながら転職活動」が55%、「辞めてから転職活動」が45%でした。「分からない」と回答した12.1%は集計から除外されています。
この調査を掲載したdodaの記事は2025年2月18日公開で、キャリアアドバイザーの佐藤和輝さん、桑原優希さん、松井美樹さんが監修しています。
記事では、在職中に活動する理由として「離職期間が長引く不安」や現職に残れる安心感、退職後に活動する理由として残業による時間不足や職場環境から離れたい事情などが挙げられています。
つまり、55%という数字だけを見て「働きながらが正解」と考えるのは少し早いんです。
転職成功者の45%は、退職後に転職活動をしています。 「辞めてからでは転職できない」というほど珍しい進め方ではありません。
参考になる過去データとして、エン・ジャパンが2018年9月26日〜10月28日に「エン転職」利用者10,663名へ行った調査では、86%が「在職中に転職活動を行なう」と回答しています。
ここで大切なのは、2018年の調査であることと、調査対象・質問内容がdodaとは違うことです。
dodaは転職成功者の実際の活動状況を尋ねた調査で、エン転職は利用者に「在職中に転職活動を行うか」を尋ねた調査です。調査時期・対象・質問そのものが異なるため、55%と86%をそのまま横並びにはできません。
私がここで大切だと感じるのは、数字の多数決ではありません。
在職中で始めるのは一般的。でも、現在の働き方では活動できないなら、退職後という選択肢も現実に存在する。 まずこのくらい柔らかく捉えておくのがいいと思います。
また、「みんなは働きながら転職しているらしいから、自分もそうしなければ」と考える必要もありません。
同じ正社員でも、残業がほとんどない人と、毎日遅くまで勤務している人では、転職活動に使える時間がまったく違います。通勤時間、休日出勤、家事・育児の有無なども大きく影響します。
大切なのは「多数派に合わせること」ではなく、自分が転職活動を継続できる方法を選ぶことです。
働きながら転職と辞めてからのメリット・デメリットは?
一番大きな違いは、働きながらなら「収入」を守りやすく、辞めてからなら「時間」を確保しやすいことです。
どちらが優れているというより、「何を守る必要があるのか」で向き不向きが変わります。
比較項目 働きながら転職活動 辞めてから転職活動
収入 給与を得ながら活動できる 給与収入は原則途切れる
活動時間 平日日中を確保しにくい 転職活動へ集中しやすい
職歴の空白 基本的にできない 活動期間によって生じる
求人選び 金銭的に焦りにくい 長期化すると妥協しやすい
面接調整 現職との調整が必要 平日日中も対応しやすい
入社時期 退職・引き継ぎが必要 比較的早く入社しやすい
現職に残る選択 残せる 原則として戻れない
向きやすい人 収入を守りながら比較したい人 在職中では活動時間を作れない人
dodaは、働きながら転職するメリットとして、経済的不安を抑えられること、職歴に空白期間を作りにくいこと、転職活動をやめて現職へ残る選択肢があることを挙げています。
一方のデメリットは、仕事に応募書類作成や面接が上乗せされ、スケジュールが厳しくなることです。
面接は平日に設定されることも多く、日程調整の難しさから転職活動そのものに疲れてしまうケースも紹介されています。
働きながら転職する最大のメリットは「断れる余裕」
私は、在職中転職の価値は単に「給料が入る」ことだけではないと考えています。
本当に大きいのは、微妙な求人や内定を断れる余裕を持ちやすいことです。
dodaでは転職活動の平均的な期間を2〜3カ月と説明しています。数カ月活動しても生活費を給与から払えるなら、「早く決めなければ貯金がなくなる」というプレッシャーを受けにくくなります。
転職支援の相談でも、私はこの「焦り」が意思決定をかなり左右すると感じています。
条件を冷静に見れば希望とズレているのに、「せっかく内定をもらったから」「もう転職活動を続けたくないから」と決めてしまう。そんな判断を避けるには、選考テクニック以上に断っても生活できる状態が大切なんです。
もう一つのメリットは、現職との比較ができることです。
実際に求人を見ると、「今より残業が少ない求人がある」「同じ経験でも給与水準が違う」と気づくこともあれば、「年間休日や福利厚生は今の会社のほうが良かった」と分かることもあります。
転職活動は、転職するためだけのものではありません。
今の会社に残る価値まで客観的に調べる市場調査として使えるのが、働きながら活動する強みだと私は考えています。
さらに、在職中なら「一度内定が出たら必ず転職しなければならない」という状況にもなりにくいです。
仕事内容、年収、勤務地、残業時間、休日、転勤の有無などを比較し、「本当に今より良くなるのか」を考えたうえで辞退する余地があります。
私はこの選ばない自由こそ、在職中転職の大きな強みだと考えています。

働きながら転職する最大の弱点は「進まないこと」
反対に、在職中転職で私がよく感じる落とし穴は、「安心して活動できるはずなのに、活動そのものが進まない」ことです。
求人検索、職務経歴書、企業研究、応募、面接対策。仕事をしながら全部こなそうとすると、意外なほど時間を使います。
dodaでも、転職成功者から「夜や休日しか時間を取れず日程調整が大変だった」「平日の面接が大変だった」といった声が紹介されています。
相談を受けていると、「職務経歴書を完成させてから応募しよう」「自己分析を完璧にしてから求人を見よう」と準備ばかり続け、1カ月経っても応募ゼロというパターンもあります。
これは本人のやる気だけの問題ではありません。残業や通勤時間が長ければ、転職活動に使えるエネルギーそのものが残っていないからです。
だから「働きながらのほうが安全」という一般論だけで自分を追い込まないでくださいね。
在職中転職では、完璧な準備を目指すよりも、活動を止めない仕組みを作ることが重要です。
たとえば、職務経歴書を100%完成させてから全社へ応募しようとするのではなく、まず80%程度まで整え、気になる求人を数件確認する。その後、応募先に合わせて内容を調整するほうが動きやすいこともあります。
また、面接が始まると日程調整も増えます。
一次面接はオンラインで対応できても、最終面接では平日日中への来社を求められることがあります。有休や半休をどう使うか、応募を増やしすぎないかまで考える必要があります。
在職中だから安全なのではなく、在職中でも進められる計画があるから安全になる。 この違いは意外と大きいです。
転職先が決まる前に辞めるメリットとリスクは?
退職後に転職活動をする最大のメリットは、時間と予定の主導権を取り戻せることです。
dodaは、退職後なら転職活動へ集中でき、面接日程を調整しやすく、資格取得などのスキルアップにも時間を使えると説明しています。
仕事が忙しすぎて、平日は帰宅後に何もできない。休日も疲れを取るだけで終わる。
そんな状態なら、時間を増やす効果はかなり大きいでしょう。
未経験職への転職でも、自己分析や業界研究、「なぜこの仕事を選ぶのか」「今までの経験を何に生かせるのか」を整理する時間を確保できます。
また、すでに退職していれば内定後の入社時期を調整しやすいのもメリットです。
dodaでは在職中の場合、内定から入社までは1〜3カ月以内が一般的と説明しています。4カ月以上先になる場合は企業との相談が必要で、採用事情によっては難しくなるケースもあるとしています。
そのため、「できるだけ早く人を採用したい」という企業では、退職済みで早期入社が可能なことが調整面でプラスに働く場面も考えられます。
ただし、これを「辞めている人のほうが採用されやすい」という意味に受け取る必要はありません。
あくまで入社可能日の調整がしやすいという話であり、採用判断では経験・能力・企業との相性など複数の要素が見られます。
辞めてから転職する最大のリスクは空白期間より「焦り」
退職後転職で私がより警戒したいのは、空白期間そのものよりも、貯金が減ることで求人を見る目が変わってしまうことです。
dodaでも、収入が途絶えて経済的に追い詰められると、希望していない会社への入社を焦って決めてしまうケースがあると説明しています。
最初の1カ月は「じっくり探そう」と思えても、家賃、食費、通信費、保険料、税金などが毎月出ていけば気持ちは変わります。
3カ月後に同じ求人を見たとき、「条件が合わないから見送ろう」と判断できるか。それとも「もう決めないと怖い」と思うか。
ここまで想像したうえで退職を決める必要があります。
dodaは平均的な転職活動期間を2〜3カ月としていますが、これは「全員が3カ月以内に決まる」という保証ではありません。
そのため「3カ月分あれば十分」と一律には言えません。
家賃や扶養状況、ローン、希望職種、勤務地などで必要な余裕は大きく異なるため、○カ月分という万能な基準ではなく、自分の毎月支出から活動可能期間を逆算するほうが安全です。
たとえば、貯金額だけを見るのではなく、「税金や保険料を含めて退職後に毎月いくら出ていくのか」を確認しておくことが大切です。
退職後は、それまで会社経由で処理されていた負担を自分で意識する場面も増えます。給与がなくなるだけでなく、固定費は続くという前提で考えましょう。
また、空白期間が生じた場合も、必要以上に怖がる必要はありません。
大切なのは「なぜ退職したのか」「退職後に何をしていたのか」「なぜ次の会社を選んだのか」を一貫して説明できることです。
何となく辞めて何となく応募したように見えるより、退職後に業界研究やスキル整理を行い、応募軸を定めたと説明できるほうが、活動の意図は伝わりやすくなります。
2026年9月時点の失業給付はどう変わった?
ここは、2025年2月公開のdoda記事だけを読んで判断すると情報が古くなりやすい部分です。
2025年4月1日以降に自己都合で退職した人は、基本手当の給付制限期間が原則2カ月から1カ月へ短縮されています。 ただし、受給資格決定後には原則7日間の待期期間があり、一定の場合は3カ月の給付制限となります。
具体的には、退職日からさかのぼって5年間に2回以上、正当な理由なく自己都合退職して受給資格決定を受けている場合などは、給付制限が3カ月になる扱いがあります。
さらに2025年4月からは、一定の教育訓練等を離職前1年以内または離職後に受けた自己都合離職者について、要件を満たせば給付制限が解除される仕組みも始まりました。
基本手当そのものを受けるには、「失業の状態」にあることに加え、自己都合退職の場合は原則として離職前2年間に雇用保険の被保険者期間が通算12カ月以上必要です。
また、厚生労働省は2026年7月31日に、2026年8月1日から適用する基本手当日額等について新しい内容を公表しています。
つまり、給付額についても古い記事の金額をそのまま当てはめるのではなく、退職時点の最新条件を確認する必要があるということです。
ハロートレーニングも引き続き利用できます。
厚生労働省によれば、求職者支援訓練は主に雇用保険を受給できない求職者や受給を終えた人などを対象に、就職に必要な職業スキル・知識を学ぶ訓練を原則無料で実施しており、テキスト代などは自己負担です。
ここで注意してほしいのは、「失業給付があるから先に辞めても大丈夫」と単純化しないことです。
給付開始までの時期、受給資格、金額、所定給付日数は人によって違います。退職を具体的に考えているなら、ハローワークで自分の条件を確認したうえで家計を組み立てるのが安心です。
特に大切なのは、失業給付を「生活費の全額を補うもの」と思い込まないことです。
退職前の給与と同じ金額をそのまま受け取れる制度ではありませんし、実際の支給開始までにも手続きがあります。
私なら、退職を検討する段階で「給付がなくても当面生活できる金額」と「給付を受けられた場合の金額」を分けて考えます。
失業給付は退職を決断するための主役ではなく、退職後の生活を支える一要素と捉えるほうが、無理のない判断につながると思います。

転職先が決まる前に退職すべき?3つの判断軸
「結局、自分はどちらにしたらいいの?」という人には、私は生活防衛資金・活動時間・現職負担の3つで判断することをおすすめしています。
「仕事がつらい」という感情を否定するためではありません。
むしろ、つらいときほど判断材料を具体化しておくと、「勢いで辞めて後悔する」「怖くて何年も動けない」の両方を避けやすくなるからです。
1.生活防衛資金|無収入でも何カ月「選べる」か
まず、毎月いくら必要なのかを書き出します。
- 家賃・住宅ローン
- 食費・日用品費
- 水道光熱費・通信費
- 保険料・税金
- ローンや奨学金などの返済
- 転職活動の交通費や準備費
- 家族がいる場合の生活費
ポイントは、単に「何カ月生きられるか」ではありません。
何カ月なら、焦って希望条件を下げずに転職活動を続けられるかを考えてください。
100万円の貯金があっても毎月25万円必要なら、数字の印象ほど余裕はありません。
逆に支出を把握できていれば、「あと○カ月までは探す」「そこまでに決まらなければ条件を再整理する」と期限を持って活動できます。
ここで私が特におすすめしたいのは、貯金総額だけで判断せず、「選考が長引いた場合でも断れる期間」を計算することです。
たとえば、生活できる期間が4カ月あったとしても、3カ月目から「もう次で決めなければ」と焦るなら、実質的な余裕は3カ月未満かもしれません。
転職では、生活できる期間と、冷静に選べる期間は同じとは限りません。
2.活動時間|2週間、本当に転職時間を作れるか
次に見るのは「忙しいかどうか」ではなく、転職活動へ使える時間です。
おすすめは、退職を決める前に2週間だけ転職活動の時間を先に予定へ固定することです。
たとえば、
- 火曜・木曜の21時から30分は求人を見る
- 土曜午前に2時間、職務経歴書と応募へ使う
- 日曜夜に翌週の面接可能日時を整理する
という程度でも構いません。
2週間続けて実行できるなら、在職中転職を続けられる可能性があります。
反対に、毎回残業で潰れる、休日は疲れ切って何もできないという状態なら、「自分の意志が弱い」のではなく、現在の勤務環境では転職活動との両立が難しいという重要なデータが得られます。
私が相談で感じる典型的な失敗は、「毎日少しずつやろう」と曖昧に決めたまま、疲れて先延ばしになるケースです。
在職中転職では、やる気より「曜日と時間を予約する」という仕組みのほうが頼りになります。
さらに、2週間試すなら「何時間確保できたか」だけでなく、何が進んだかも見てください。
求人を10件見た、職務経歴書の職務要約を書いた、2社へ応募した。こうした小さな進捗が出るなら、在職中でも前進できます。
一方、2週間すべて予定が潰れたなら、その結果自体が判断材料です。
3.現職負担|お金より先に守るべきものがないか
最後に、今の職場を続ける負担です。
収入を守るために働きながら転職するのは合理的ですが、それがどんな状況でも最優先という意味ではありません。
「少し不満がある」状態と、「勤務を続けることで日常生活まで大きく崩れている」状態は分けて考える必要があります。
私は以前、転職に悩んでいたとき、「辞めるか、耐えるか」という二択ばかり考えていました。
でも本当は、「まず求人を見る」「職務経歴書の土台だけ作る」「2週間活動してみる」といった、その一段手前の行動があったんですよね。
転職活動を始めることと、退職することは別の決断です。
ここを切り離せるだけで、かなり考えやすくなると思います。
退職届を出さなくても、求人を見ることはできます。
応募してみなければ、自分の経験がどの程度評価されるかも分かりません。面接を受けなければ、他社の働き方や条件も見えてきません。
だからこそ、「辞めるかどうか」を最初に決めようとせず、外の選択肢を確認してから退職判断へ進むという順番も持っておいてください。
2026年の転職市場を踏まえると、先に辞めても大丈夫?
2026年9月時点でも求人は存在しますが、「求人倍率が高い=自分もすぐ転職できる」とは限りません。
厚生労働省が2026年8月28日に公表した7月分の一般職業紹介状況では、有効求人倍率は1.18倍、新規求人倍率は2.10倍、正社員有効求人倍率は1.00倍でした。
一方、dodaが2026年8月20日に発表した7月の転職求人倍率は2.71倍。求人数は前年同月比17.2%増、転職希望者数も4.8%増でした。
数字だけ見ると「売り手市場だから辞めても平気」と思うかもしれません。
でも、厚生労働省とdodaでは対象となる求人・求職者や算出方法が違うため、1.18倍と2.71倍を直接比べることはできません。
さらに厚生労働省の2026年7月データでは、新規求人は前年同月比0.8%減。製造業は6.8%増だった一方、宿泊・飲食サービス業は10.7%減、卸売・小売業は7.3%減と、業界によって動きも異なっています。
ここが2026年時点で特に大切な視点です。
転職市場全体が良さそうでも、自分が希望する職種・業界・地域まで同じとは限りません。
だから私は、「市場がいいから辞める」ではなく、在職中に実際の求人を10〜20件ほど見て、自分が応募できそうな求人がどの程度あるか確かめてから判断するほうが現実的だと考えています。
求人倍率という大きな数字より、自分が応募できる求人が実際にあるかのほうが、退職判断には役立ちます。
さらに一歩進めるなら、求人を見るときは単純な件数だけでなく、「自分が応募条件を満たしている求人」を数えてみてください。
検索結果に100件出ても、勤務地、年収、経験年数、資格、転勤条件などを絞ったら応募候補が5件しかないこともあります。
逆に、「自分には転職先がない」と思い込んでいても、経験を少し広めに捉えることで候補が20件、30件と見つかることもあります。
市場全体の求人倍率ではなく、自分専用の求人倍率を見る。
これは、働きながらか辞めてからかを決めるうえで、とても実用的な考え方だと私は思います。
職種による違いも無視できません。
dodaの2026年7月の職種別転職求人倍率では、IT・通信系は11.26倍、営業は3.04倍だった一方、販売・サービス系は0.79倍、事務・アシスタント系は0.58倍でした。
もちろん求人倍率だけで個人の転職難易度を断定することはできませんが、希望職種によって求人の多さが大きく異なることは分かります。
事務職を希望している人とIT職を希望している人では、「先に退職しても求人が見つかりやすいか」という判断材料も同じではありません。
退職を考える前に、自分の希望条件で求人検索をして、応募可能な求人がどの程度あるか確認しておく意味は大きいでしょう。
夏目結衣の考察|「働きながらか、辞めてからか」より大事なこと
私の結論は、まず働きながら小さく始め、両立できないことが確認できたら退職後転職を検討するという順番です。
生活資金に不安があり、週に数時間でも活動できるなら、わざわざ収入を止める必要性は高くありません。
一方、残業や勤務状況によって転職活動の予定が何度も消え、生活資金も確保できているなら、退職後に集中する選択は十分現実的です。
ここで、新しく一つだけ覚えておいてほしい考え方があります。
それは、転職活動は「会社を辞める手続き」ではなく、「退職する価値があるかを調べる作業」でもあるということです。
今の会社しか知らない状態では、給与が低いのか、残業が多いのか、経験が市場で評価されるのかを客観的に判断しにくいですよね。
求人を見て、実際に応募して、面接で他社の働き方を知る。
そこまで進めて初めて、「やっぱり転職したい」と思うこともあれば、「今は残ったほうがいい」と判断することもあります。
どちらでもいいんです。
転職活動を始めたからといって、必ず転職する義務はありません。
そして退職後転職で最も避けたいのは、「空白期間ができたこと」そのものではなく、資金不足によって選択肢を自分から狭めてしまうことだと私は考えています。
在職中転職で最も避けたいのは逆に、「安全だから」と何カ月も求人を見るだけで終わり、何も変わらないことです。
つまり、双方の失敗は正反対です。
働きながらなら「期限を決める」。
辞めてからなら「資金と活動スケジュールを決める」。
この違いを意識すると、かなり転職活動を進めやすくなります。
もう一つ、私は「退職判断」と「転職可能性の確認」を同時にやらないことも重要だと考えています。
今の仕事がつらいと、「辞めたい」という気持ちと「転職できるだろうか」という不安が頭の中で混ざってしまいます。
すると、「転職できる保証がないから辞められない」「でも辞めないと転職活動できない」という堂々巡りになりやすいんですね。
そこで、判断を段階に分けます。
まず求人を見る。次に職務経歴書を作る。応募してみる。面接を受ける。その結果を見て、退職するかどうかを考える。
この順番なら、最初から人生を大きく決断しなくても構いません。
私自身、激務と人間関係に悩んでいたころは、「辞める決心がついてから転職活動を始めるもの」だと思い込んでいました。
でも実際には逆で、転職活動を始めたからこそ、辞めるか残るかを判断する材料が増えるんです。
この視点は、特に初めて転職する人に知ってほしいと思っています。
「退職する勇気がないから何もできない」のではありません。
退職を決める前にできることは、想像以上にたくさんあります。
まとめ
転職活動は、収入を維持しながら動けるなら、まず働きながら始めるほうがリスクを抑えやすいです。
dodaの8,955名調査では働きながら活動した人が55%、辞めてから活動した人が45%。退職後に探す人も決して少数ではありません。
判断基準は、多数派かどうかではなく、生活防衛資金・転職活動に使える時間・現職を続ける負担の3つです。
働きながら転職する最大のメリットは、給与を受け取りながら求人や内定を比較でき、「違う」と思った会社を断る余裕を持ちやすいことです。
一方、最大の弱点は、仕事に追われて転職活動そのものが進まなくなることです。
辞めてから転職する場合は、面接や企業研究へ集中しやすくなります。しかし、活動が長引いて生活資金が減ると、条件を十分に比較しないまま就職先を決めたくなる可能性があります。
また2025年4月以降、自己都合退職者の雇用保険の給付制限は原則1カ月へ短縮され、一定の教育訓練を受ける場合には給付制限が解除される制度変更も行われています。
2026年8月には基本手当日額等も更新されているため、退職前には必ず自分に該当する最新制度を確認しましょう。
転職市場についても、「求人倍率が高いから大丈夫」とは言い切れません。
2026年7月のデータでは、厚生労働省の有効求人倍率は1.18倍、dodaの転職求人倍率は2.71倍でしたが、調査対象や算出方法は異なります。
さらに職種別では、dodaの転職求人倍率がIT・通信系11.26倍、営業3.04倍、販売・サービス系0.79倍、事務・アシスタント系0.58倍と大きく違っています。
だからこそ、退職する前に「世の中の求人が多いか」ではなく、自分の条件で応募できる求人があるかを確かめてください。
迷っているなら、今日退職を決めなくても大丈夫です。
まず求人を見て、2週間だけ活動時間を固定してみる。それでも転職活動がまったく進まないなら、その事実も含めて退職を検討すればいいんです。
「転職する」「今の会社に残る」「もう少し準備する」。
外の選択肢を知ってから自分で選べる状態を作ることが、後悔を減らすための第一歩だと私は考えています。
よくある質問
転職活動は働きながらと辞めてからで採用されやすさに違いがありますか?
dodaは、働きながらでも辞めてからでも転職のチャンス自体に違いはないと説明しています。
ただし、在職中なら空白期間ができにくく、退職後なら早期入社へ対応しやすいなど状況は異なります。
大切なのは在職中か退職済みかだけではなく、これまでの経験、退職理由、応募理由、入社可能時期などを一貫して説明できることです。
退職後に活動している場合も、「辞めたこと」だけを気にするのではなく、その期間にどのような基準で企業を探し、何を準備しているのか整理しておきましょう。
働きながら転職活動すると内定まで何カ月かかりますか?
dodaでは平均的な転職活動期間を2〜3カ月程度としています。
ただし、応募数や希望条件、面接日程、職種によって期間は変わります。「3カ月で必ず決まる」とは考えず、ある程度余裕を持って計画するのがおすすめです。
在職中の場合は、内定を得たあとに退職交渉や引き継ぎも必要になります。
そのため、「転職活動を始めてから内定まで」と「新しい会社へ入社するまで」は別々に考えておくと予定を立てやすくなります。
転職先が決まる前に自己都合で辞めると失業給付はいつから受けられますか?
2025年4月1日以降の自己都合退職では、受給資格決定後の7日間の待期を経たうえで、給付制限は原則1カ月です。
ただし、過去の自己都合退職回数などにより3カ月になる場合があり、一定の教育訓練を受けることで給付制限が解除されるケースもあります。
実際の受給資格、支給時期、金額、所定給付日数は個別条件によって異なるため、退職前後にハローワークで最新情報を確認してください。
失業給付だけを前提に退職を決めるのではなく、支給開始までの生活費や、希望する転職先が決まるまで活動を続けられる資金も一緒に確認しておくことが大切です。
執筆:夏目結衣(若手専門転職アドバイザー)


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