転職エージェントは複数利用して問題ありません。迷うなら2社から始め、必要な情報が足りなければ3社目を追加するのが現実的です。
ただし、登録数が多いほど転職が有利になるわけではありません。求人・担当者・情報源を比較するために併用し、選考が増えたら1〜2社へ絞るのが使いやすい進め方です。
こんにちは!転職アドバイザーの夏目結衣です。毎日遅くまでの残業や、しんどい人間関係…本当にお疲れ様です。私もかつて「このままでいいのかな」と悩みながら、限界まで無理をして働いていた時期があるので、そのモヤモヤ痛いほどわかります。このブログでは、キレイごと抜きのリアルな葛藤や、エージェント業界のぶっちゃけ話も交えながら、あなたが自分らしい働き方を見つけるためのヒントを親身にお届けしますね!
「転職エージェントを2社同時に使ってもいい?」「3社だと多すぎる?」「掛け持ちしていることを担当者に言ったら印象が悪くならない?」と、初めての転職では迷いますよね。
2026年時点で確認できるJAC Recruitment、マイナビ転職エージェント、リクルートエージェントの公開情報を見ると、複数の転職エージェントを併用すること自体は可能という点は共通しています。
JAC Recruitmentは最終的に1〜2社へ絞る考え方を示し、マイナビ転職エージェントは最初に2〜3社を比較して最終的に1〜2社へ絞る方法を紹介しています。リクルートエージェントは、管理負担も踏まえ、まず1〜2社への相談から始める方法を案内しています。
つまり、「絶対に3社登録すべき」という正解はありません。
この記事では、実際の利用者164人を対象にした2026年の調査や、複数登録経験者244人を対象にした調査も確認しながら、何社使うのが自分に合うのか、複数利用には何の意味があるのか、どう管理すれば失敗しにくいのかまで具体的に整理します。
転職エージェントの複数利用は何社がいい?2社・3社の目安

初めて転職する20〜30代なら、まず2社、必要なら3社目を追加する方法が管理しやすいと私は考えています。
「最初から必ず3社」ではありません。残業が多い人、休日まで仕事の連絡が来る人、初めての転職で職務経歴書の作成から始める人などは、2社でも十分に比較できます。
各社の公開情報を整理すると、複数利用に対する考え方には少し違いがあります。
情報源 複数利用についての考え方 読むときのポイント
JAC Recruitment 複数利用は可能。最終的に1〜2社へ絞る ハイクラス領域を中心とするサービス
マイナビ転職エージェント 最初2〜3社、最終1〜2社が効率的 求人の質や担当者との相性を比較
リクルートエージェント 複数利用可能。まず1〜2社への相談からでもよい 管理負担を抑えながら必要に応じて追加
忙しい在職者 まず2社程度でも十分 面談・返信・面接準備に使える時間を優先
JAC Recruitmentは2024年7月29日公開、2026年4月22日更新の記事で、複数利用には多様な求人を見られることや専門的な助言を比較できる利点がある一方、最終的には1社または2社へ絞るのがよいと説明しています。
マイナビ転職エージェントは2026年7月1日更新の記事で、最初に2〜3社へ登録し、相性や求人の質を比べたうえで信頼できる1〜2社へ絞る方法を紹介しています。
一方、リクルートエージェントは「まずは1〜2社の転職エージェントへの相談から始めよう」という考え方を紹介しています。同時に、大手・総合型と特化型を目的に応じて使い分ける方法も案内しています。
ここで大切なのは、これら3社はいずれも転職支援サービスを提供する事業者側の情報だということです。
そこで、実際の利用状況も見てみましょう。
CocoMoolaが2026年3月25日〜4月7日に、日本国内で「転職エージェントを利用して転職したことがある人」164人へ実施したインターネット調査では、利用社数は1社のみ43.9%、2社34.15%、3社12.2%、4社以上9.76%でした。
2社以上を利用した人を合計すると、約56.1%になります。
一方、この調査は20代14人、30代67人、40代83人という構成です。20〜30代だけを対象とした結果ではないため、「若手転職者の約56%が複数利用している」と読み替えるのは適切ではありません。
ここは数字を見るうえで、とても重要なところです。
「みんな3社使っているから3社登録しなきゃ」ではなく、自分が比較したい情報に合わせて必要な数だけ利用する。これが複数利用の基本です。
私は初めて転職する方なら、まず次のように考えるのがおすすめです。
- 求人の幅を確認するための「軸になる1社」
- 違う得意分野や担当者の意見を確認するための「比較用1社」
- 2社で不足が見えた場合だけ「補完用の3社目」
この考え方なら、登録すること自体が目的になりません。
2社で十分なら2社。比較材料が足りなければ3社。選考が忙しくなれば1〜2社へ集中する。
社数を固定するより、転職活動の段階に合わせて増減させるほうが現実的です。
2社利用が向いている人は?
2社利用が向いているのは、比較はしたいけれど転職活動に使える時間が限られている人です。
特に在職中で残業が多い場合、3社以上へ登録すると、各社との面談や求人確認だけで平日の夜が埋まってしまうことがあります。
「求人の幅を見る総合型」と「希望分野に詳しい特化型」のように役割を分ければ、2社でも比較材料は十分に得られる可能性があります。
初めての転職では、エージェントの数を増やすより、届いた求人をきちんと読み、企業研究や面接準備へ時間を使うほうが大切な場面も少なくありません。
3社利用が向いている人は?
3社利用を検討しやすいのは、2社だけでは明確に情報が足りない場合です。
たとえば、「2社とも紹介求人が似ている」「希望職種に詳しい担当者がいない」「別の業界も比較したい」という場合は、3社目を加える意味があります。
一方、2社だけですでに応募候補が十分にあり、担当者からも異なる視点を得られているなら、3社目は必須ではありません。
3社目は“登録しておいたほうが安心だから”ではなく、“何が足りないのか分かったあと”に追加する。
この順番にすると、連絡だけ増えて疲れる状況を避けやすくなります。
転職エージェントを2社・3社併用するメリットは?
転職エージェントを複数利用する一番の価値は、単純に「求人メールが増えること」ではありません。
私は、求人・担当者・企業情報という異なる判断材料を、一つの情報源だけに依存せず比較できることに意味があると考えています。
2026年のCocoMoola調査でも、複数利用した理由は「求人を比較するため」が57.61%で最多でした。
続いて「より多くの求人を見たかった」46.74%、「担当者の質を見極めるため」42.39%、「総合型と業界特化型を併用した」36.96%となっています。
転職エージェントによって紹介できる求人や得意分野が違う
まず知っておきたいのは、すべての転職エージェントが同じ求人を持っているわけではないことです。
厚生労働省は「職業紹介」を、求人と求職の申し込みを受け、求人者と求職者の間で雇用関係が成立するようあっせんすることと定義しています。
有料職業紹介事業者は企業など求人側との関係を通して求人を取り扱うため、それぞれ取引先や得意な業界・職種が異なります。
その結果、A社にはある求人がB社にはない、同じ企業でも扱っている職種が違う、といったことが起こり得ます。
JAC Recruitmentも、各転職エージェントには異なる企業との関係や専門性があり、複数利用によって求人や専門的なアドバイスを比較できると説明しています。
だからこそ、「求人数を増やすために似たサービスを5社」というより、違う情報を得るために特徴の異なる2社という選び方のほうが意味があります。
キャリアアドバイザーの評価を比較できる
同じ職務経歴書を見ても、担当者によって提案される方向性は変わります。
たとえば、法人営業を5年間経験している人に対し、一人は「同業界なら即戦力として評価されやすい」と考え、別の担当者は「営業力を生かして異業界も狙える」と提案するかもしれません。
これは必ずしも、どちらかが間違っているという話ではありません。
担当者が得意とする業界、担当している企業、現在扱っている求人などによって、見えている転職市場が異なるからです。
初めての転職では、一人の担当者から「その希望条件では難しいです」と言われただけで、「私って転職市場では評価されないのかな……」と落ち込んでしまうことがあります。
でも、一人の担当者による評価と、あなた自身の市場価値はイコールではありません。
複数の担当者から同じ弱点を指摘されたなら、職務経歴書や希望条件を見直す材料になります。
反対に、一人だけ大きく違う見解なら、「なぜそう判断したのですか?」と理由を確認できます。
複数利用はアドバイスの多数決ではなく、判断の根拠を比べるために使うのがポイントです。
相性の良い担当者を見極めやすい
転職エージェントは、会社名だけでなく「誰が担当するか」も満足度に影響します。
希望を深掘りしてくれる人、求人紹介が速い人、応募書類の添削が細かい人、企業ごとの面接傾向に詳しい人など、支援スタイルには違いがあります。
CocoMoolaの164人調査では、不満点として「担当者の質にばらつきがあった」と答えた割合が20.29%でした。また「求人数が少なかった」も同じ20.29%でした。
もちろん、164人の民間調査だけで転職エージェント全体を一般化することはできません。
それでも、「有名な会社に登録すれば、誰が担当しても同じ」とは考えないほうがよいでしょう。

「1社の意見だけで決める」状態を避けられる
私はここが、複数利用の中でもかなり大事だと思っています。
今の職場で残業や人間関係が限界になると、「もう早く辞めたい」という気持ちが強くなりますよね。
私自身も仕事がつらかった時期、「今と違う会社なら、どこでも少しはマシなんじゃないか」と考えそうになったことがあります。
そんな状態で最初の担当者から魅力的な求人を紹介されると、本当は確認すべき条件まで良く見えてしまうことがあります。
複数の情報源があれば、「A社では高く評価されたけれど、B社ではこの点を確認したほうがいいと言われた」「同じ業界でも別の企業がある」と、少し距離を置いて判断できます。
複数利用の価値は求人数を2倍にすること以上に、意思決定を一つの情報源へ預けすぎないことにある。
私はそう考えています。
同じ求人でも「確認すべきポイント」の違いが見えやすくなる
複数利用には、求人の数だけではなく、求人を見る「角度」が増えるメリットもあります。
たとえば同じ営業職でも、一人の担当者は年収や昇進制度を重視して説明し、別の担当者は残業時間や営業スタイル、配属先の雰囲気を詳しく確認してくれることがあります。
今の会社を辞めたい理由が長時間労働なら、年収だけを詳しく説明されても、本当に知りたい情報は埋まりません。
反対に、年収アップを最優先している人なら、働きやすさだけを比較しても判断しきれないでしょう。
複数の担当者と話すことで、「自分はこの求人の何を確認すべきなのか」が見えやすくなる点も、私は大きなメリットだと感じています。
転職エージェントを複数利用するデメリットと注意点は?
複数利用にはメリットがありますが、増やしすぎると転職活動そのものが負担になります。
特に注意したいのは、重複応募、連絡量、スケジュール、情報過多、現職の機密情報です。
同じ企業への重複応募を避ける
複数利用でまず防ぎたいのが、別々のエージェントから同じ企業へ応募することです。
リクルートエージェントは、複数利用時には誤って同じ企業へ応募する可能性があるため、重複応募を避けるよう注意を促しています。
一つの企業が複数の人材紹介会社へ求人を依頼していれば、A社とB社の両方から同じ会社を紹介されることはあります。
応募者から見れば「同じ会社への応募」でも、企業側では「どの紹介会社から推薦された候補者なのか」という応募経路を管理する必要があります。
ですから重複応募を避けることは、単なる気遣いではありません。
自分の応募経路を混乱させないための実務上の管理です。
応募したら、その日のうちに最低でも「企業名・応募経路・応募日・選考状況」を記録しましょう。
紹介された求人へすぐ応募せず、「この会社は他社から紹介されていなかったか」を一度確認する習慣をつけるだけでも、重複応募のリスクは下げやすくなります。
3社利用すれば連絡も面談も3社分になる
複数利用で見落とされやすいのが、時間の問題です。
転職エージェントへ登録すると、初回面談だけで終わるわけではありません。
求人の確認、応募意思の返信、職務経歴書の修正、面接日時の調整、選考結果への対応などが続きます。
在職中なら、日中は仕事をしながらこれらを処理しなければなりません。
2022年1月18日〜2月2日にビズヒッツが複数登録経験者244人へ行った調査では、デメリットの1位が「連絡が多い」で111人、2位が「スケジュール管理が大変」で43人、3位が「求人情報が多すぎる」で39人でした。
この調査は「転職エージェントへ複数登録した経験がある人」だけを対象にしているため、転職者全体の割合ではありません。
ただ、複数利用をした人がどこに負担を感じやすいのかを見る材料にはなります。
仕事が終わって21時、22時になり、そこから3社分の求人メールを読み、翌日の面接準備まで行う。
これでは、転職する前に疲れ切ってしまいますよね。
残業が多い人ほど「3社利用できるか」ではなく、3社分の連絡を処理したあとに面接準備の時間を残せるかで考えてみてください。
登録社数を増やして求人を10件多く受け取るより、本命企業1社について企業研究を30分深く行うほうが、選考段階では重要になることもあります。
情報が増えるほど「自分の基準」が必要になる
担当者が増えると、アドバイスが食い違うこともあります。
Aさんは「年収アップを優先しましょう」、Bさんは「まず経験を積める企業へ」、Cさんは「今の会社でもう少し働いたほうがいい」と言うかもしれません。
そこで全部の意見を同じ重さで受け止めていると、「結局どれが正解なの?」と余計に迷ってしまいます。
転職活動を始める時点で、完璧なキャリアプランを作る必要はありません。
ただし、今回の転職で絶対に改善したいことを2〜3個だけ決めるのがおすすめです。
たとえば、次のような条件です。
- 月の残業時間を今より減らしたい
- 休日の仕事連絡が常態化している職場は避けたい
- 営業経験は生かしたい
- 年収より勤務地を優先したい
- 個人ノルマだけで評価される環境は避けたい
今の会社がつらくて転職する人ほど、「次は何を手に入れたいか」だけではなく、「何を繰り返したくないか」を決めておくと判断しやすくなります。
私自身、仕事がしんどかった時期は「次こそ良い会社を見つけよう」と考える一方で、「良い会社とは何か」を言葉にできていませんでした。
でも実際には、万人にとって完璧な会社を探すより、今の自分が耐えられない問題を明確にしたほうが、求人を比較しやすくなります。
現職の機密情報まで話す必要はない
転職エージェントには、自分の仕事内容や実績を正確に伝える必要があります。
一方で、現在勤めている会社の未公開情報、取引先との秘密情報、詳細な原価、公開前の商品、社外秘プロジェクトの具体的な内容まで説明する必要はありません。
JAC Recruitmentも複数利用のデメリットとして、キャリア情報や現職の情報を多くの相手へ提供することになる点を挙げ、現職の機密情報の扱いには注意が必要だとしています。
「法人顧客を担当し、営業プロセスの改善を行った」「複数部署を巻き込んだプロジェクトを担当した」など、自分の能力や役割が分かる表現へ置き換えればよいケースもあります。
これは複数利用に限った話ではありませんが、情報を伝える相手が増えるからこそ、より意識したいポイントです。
エージェントごとに違う転職理由を話さない
複数利用では、担当者ごとに説明内容が少しずつ変わってしまうケースにも注意したいです。
もちろん、面談を重ねるうちに考えが整理され、希望条件が変わること自体は問題ありません。
ただし、A社には「年収アップが最優先」、B社には「年収は気にしない」、C社には「仕事内容だけを重視」と大きく違うことを話していると、自分自身も判断軸を見失いやすくなります。
最低限、「転職したい理由」「次の会社で改善したいこと」「譲れない条件」は一度メモにまとめておくと安心です。
担当者ごとに違う角度の提案を受けても、自分の軸が残っていれば、振り回されにくくなります。
転職エージェント2社・3社はどう使い分ける?
複数利用をうまく機能させるコツは、全社へ同じ役割を求めないことです。
私は20〜30代で初めて転職する方なら、「幅を見る会社」と「深く見る会社」を分ける方法が使いやすいと考えています。
リクルートエージェントも、幅広い業界・職種を扱う「大手・総合型」と、業界・職種・エリアや第二新卒など特定領域に強い「特化型」を目的に応じて使い分ける方法を紹介しています。
たとえば、まだ希望職種を決め切れていない人なら、総合型で広く求人を見る。
その中でIT業界へ興味が出てきたら、IT分野に詳しいサービスを2社目として利用する。
反対に希望職種が明確なら、特化型を軸にしつつ、総合型で別業界への可能性も確認する。
こうすれば、2社から届く求人が完全に似通う可能性を下げられます。
2社を使うなら「総合型+特化型」が分かりやすい
まだ転職市場にどんな求人があるのか分からない人は、役割を分けた2社利用から始めると整理しやすくなります。
1社目では幅広く求人を見て、「今の経験で応募できる業界や職種」を確認する。
2社目では、興味が強くなった業界・職種について、より専門的な情報を確認する。
こうすると、単に求人を2倍集めるのではなく、広さと深さの両方を確保するという使い方ができます。
逆に、同じタイプのサービスを複数使っていて紹介求人も担当者の説明もほとんど同じなら、併用効果は小さくなる可能性があります。
3社目は「足りないもの」が分かったときに追加する
ここで私が提案したいのが、登録社数ではなく「情報の重複率」で3社目を判断する考え方です。
たとえば2社へ登録した結果、
- 紹介企業がほぼ同じ
- 担当者から出てくる話も似ている
- 希望業界に詳しい人がいない
という状態なら、3社目を追加する意味があります。
一方で2社から十分に違う求人が届き、担当者からも異なる視点の情報が得られ、すでに5社、10社と応募候補が見つかっているなら、3社目を増やしても管理負担だけが増える可能性があります。
つまり、2社から得られる情報が違うならそのまま2社で進める。2社から得られる情報が似すぎているなら、特徴の異なる3社目を検討するという考え方です。
これは「3社が正解」という固定的な社数論より、自分の転職活動に合わせやすいと思います。
さらに判断を簡単にするなら、「3社目を追加したら何を知りたいのか」を一文で答えられるか確認してみてください。
「IT業界の求人を増やしたい」「第二新卒向けの求人を比較したい」「現在の担当者とは違う視点で職務経歴書を見てほしい」と言えるなら、追加する目的があります。
反対に「なんとなく不安だから」という理由だけなら、まず今の2社から得られている情報を整理したほうがよいかもしれません。
「比較フェーズ」と「選考フェーズ」で社数を変える
転職活動の初期は、まだ自分の選択肢が分かっていません。
この時期は求人を見たり、担当者の意見を聞いたりして比較する必要があります。
ところが書類選考が通り、一次面接や二次面接が何社も並ぶようになると状況は変わります。
この段階で本当に必要なのは、新しい求人を毎日増やすことではありません。
企業研究をしたり、想定質問を考えたり、自分の転職理由を整理したりする時間です。
私はこれを、前半の「情報収集フェーズ」と後半の「選考集中フェーズ」に分けて考えるのがおすすめだと思っています。
情報収集フェーズでは2〜3社を比較する。
選考集中フェーズに入ったら、実際に有益な求人や支援を提供してくれる1〜2社を中心にする。
JAC Recruitmentが最終的に1〜2社へ絞る考え方を示し、マイナビ転職エージェントも最初2〜3社から最終1〜2社へ絞る方法を紹介しているのは、こうした管理負担を考えても納得しやすい考え方です。
応募管理は「エージェント別」ではなく「企業別」にする
2社以上利用するなら、応募情報は必ず一つにまとめましょう。
おすすめは、「Aエージェント」「Bエージェント」という管理ではなく、企業名を中心に管理する方法です。
企業名 応募経路 応募日 選考状況 次の予定 志望度
A社 エージェント① 8月20日 一次面接 9月3日 高
B社 エージェント② 8月23日 書類選考 結果待ち 中
C社 エージェント① 8月25日 未応募 応募検討 中
こうしておけば、別の担当者からA社を紹介された瞬間に「すでに別経路から応募しています」と伝えられます。
リクルートエージェントも、複数利用ではやりとりや選考状況の管理が煩雑になりやすく、同じ求人への応募を避ける必要があると説明しています。
私は、複数利用で混乱する本当の原因は「3社使ったこと」そのものより、応募情報が3社それぞれのメールやマイページへ分散することだと思っています。
2社でも管理しなければ混乱します。
逆に3社利用していても、応募先が一つの表にまとまっていれば、「誰からどこへ応募したのか」はかなり分かりやすくなります。
応募日だけでなく、求人票を見て気になった点や面接で確認したい質問も一緒に書いておくと、選考が増えたときに役立ちます。
たとえば「残業実態を確認」「配属部署の人数を質問」「休日対応の有無を確認」と残しておけば、転職理由と企業選びがずれにくくなります。

複数利用していることは担当者へ伝える
「他社も使っていると伝えたら、担当者の態度が悪くならないかな」と心配する人もいますよね。
でも、複数利用していること自体は隠す必要はありません。
JAC Recruitmentは併用していることを伝えるのが基本とし、マイナビ転職エージェントも複数利用している事実を正直に伝えることをポイントとして挙げています。リクルートエージェントも、他社を利用している旨を伝えて構わないと説明しています。
特に共有したほうがよいのは、他社経由で選考が進んでいる企業や内定時期など、日程調整に影響する情報です。
リクルートエージェントも、他社での選考進捗を共有しておけば、面接や内定のタイミングを調整しやすくなるとしています。
細かく「A社では求人を12件もらいました」などと報告する必要はありません。
「現在は複数のエージェントから情報を集めています。他社経由で選考が進んだ場合は、日程調整に必要な範囲で共有します」
くらいで十分です。
利用しなくなったエージェントについても、連絡を放置するより「現在進んでいる選考へ集中したいため、求人紹介をいったん止めたい」と伝えたほうが、自分自身の連絡負担も減ります。
いつ1〜2社へ絞るべき?
一つの目安は、面接が複数社で進み始めたときです。
書類応募前は求人を比較する価値がありますが、面接が重なる段階では、一社ごとの準備に使える時間のほうが重要になります。
たとえば平日の夜に一次面接が2件、翌週に最終面接が1件入っている状況で、新しいエージェントとの初回面談をさらに追加すると、企業研究や回答準備の時間が削られます。
この時期は、「今使っている3社のうち、どこが自分の選考に実際に役立っているか」を確認してみてください。
求人の質、連絡のしやすさ、企業情報の具体性、面接対策の内容などを比べ、支援価値が高い1〜2社を中心にするのが現実的です。
転職エージェント複数利用をどう考える?若手専門アドバイザーの考察
ここからは、若手の転職を支援する立場としての私見です。
私は「転職エージェントは何社使えば正解か」という質問に対して、適正数は転職活動の進み具合と、足りない情報の種類によって変わると考えています。
転職活動を始めたばかりのころは、自分がどんな企業へ応募できるのかもよく分かりません。
現在の年収が高いのか低いのか。
今の経験が他社で通用するのか。
異業界へ行けるのか。
自分では判断できないことだらけです。
この時点では、一人の担当者だけではなく複数の視点を得る価値があります。
ところが選考が5社、10社と増えてきたら、新しい情報を増やすほど転職がうまくいくとは限りません。
むしろ1社ごとの仕事内容、残業、評価制度、配属、将来性などを確認する時間が必要です。
だから、前半は広げ、後半は絞る。
これが私の考える複数利用の基本です。
「社数」より「情報源の違い」を見る
2026年の164人調査では、併用理由の最多が「求人を比較するため」57.61%でした。担当者の質を見極めるためという回答も42.39%あります。
この結果を見ても、複数利用の目的は「3という数字を達成すること」ではなく、比較することにあると読み取れます。
似た求人を扱い、似たタイプの担当者から同じ話を聞く3社より、役割の異なる2社のほうが情報価値は高いこともあります。
私はこの考え方を、「社数ではなく情報源の独立性を見る」と表現しています。
総合型と特化型。
幅広い求人に強い会社と、希望業界に詳しい会社。
求人提案を重視する担当者と、キャリア整理を丁寧に行う担当者。
こうした違いがあれば、比較する意味があります。
反対に、すでに十分な情報を得ているのに「ネットには3社がおすすめと書いてあったから」という理由だけで増やす必要はありません。
ここから一歩踏み込んで考えるなら、複数利用で重要なのは「社数」ではなく、「新しい判断材料が増えているか」です。
3社目へ登録したのに、既に知っている求人と同じ会社ばかり紹介されるなら、情報量は増えても判断材料はほとんど増えていません。
反対に2社しか使っていなくても、一方から幅広い求人を得て、もう一方から業界事情や面接傾向まで詳しく聞けているなら、十分に複数利用の効果を得られていると考えられます。
転職エージェントの提案は「答え」ではなく判断材料
もう一つ忘れてほしくないのは、転職エージェントはとても便利な存在ですが、最終的に働くのはあなた自身だということです。
転職エージェントには、求人紹介、書類添削、面接対策、企業との日程調整など、多くの支援があります。
一方で、有料職業紹介は求人者と求職者を結び付ける仕組みであり、職業安定法上、有料職業紹介事業者は原則として求職者から手数料を徴収できない一方、一定の仕組みに基づき求人側などから手数料を受ける事業です。
だからといって「エージェントは信用できない」という話ではありません。
大切なのは、紹介された求人をそのまま正解として受け取るのではなく、「なぜ私にこの求人を勧めたのですか?」と理由を聞くことです。
仕事内容が合うのか。
経験を生かせるのか。
希望年収に届く可能性があるのか。
働き方が合うのか。
理由が分かれば、担当者の提案と自分の転職軸が一致しているか判断できます。
さらに、複数の担当者が同じ企業を勧めてきた場合でも、「みんな勧めるから良い会社」とすぐ結論づけないことが大切です。
それぞれに「自分のどの経験を評価したのか」「今の転職理由に対してどこが合うと考えたのか」を聞けば、同じ求人でも推薦理由の違いが見えてきます。
今の会社を辞めたい「原因」が解消されるか確認する
私自身、激務と人間関係で仕事がつらかったころは、転職すること自体がゴールになりかけました。
「ここから出られれば何とかなる」と考えてしまうんですよね。
でも、今の会社を離れるだけなら、それほど難しい判断ではありません。
本当に難しいのは、次の会社で同じ苦しさを繰り返さないことです。
複数のエージェントから求人を紹介され、魅力的な条件がたくさん並んだときほど、最初の転職理由へ戻ってください。
「残業がつらかったのに、この会社の残業実態は確認した?」
「人間関係で悩んだのに、配属部署の人数や上司との働き方を聞いた?」
「休日も仕事の連絡が来るのが嫌だったのに、休日対応の有無を確認した?」
「仕事内容が合わなかったのに、年収だけで選ぼうとしていない?」
こうした確認のほうが、「2社か3社か」よりずっと重要です。
複数利用は、転職を成功させてくれる魔法の方法ではありません。
自分の判断を一つの情報源へ依存させず、次の職場を落ち着いて選ぶための仕組みとして使うものだと私は考えています。
「求人の数」より「確認できた不安の数」を見る
私がもう一つ大切だと思うのは、複数利用の成果を「紹介された求人件数」だけで測らないことです。
転職活動の目的は、求人一覧を増やすことではありません。
たとえば今の職場で残業に苦しんでいるなら、「次の会社の働き方をどこまで確認できたか」が大切です。
人間関係に悩んでいるなら、「配属先の体制やマネジメント方法について、どこまで質問できたか」が重要になります。
3社から50件紹介されたとしても、今の悩みを解消できそうか分からない求人ばかりなら、判断材料としては弱いままです。
一方、2社しか使っていなくても、候補企業について仕事内容、働き方、評価制度、配属などを具体的に確認できているなら、そのほうが次の一歩は踏み出しやすいでしょう。
複数利用の目的は、求人を増やすことではなく、不確かな部分を減らすこと。
特に「もう今の会社が限界」と感じているときほど、この視点を忘れないでほしいなと思います。
まとめ|転職エージェント複数利用は2社から始め必要なら3社へ
転職エージェントは複数利用して問題ありません。
2026年4月22日更新のJAC Recruitmentは複数利用を認めたうえで最終的に1〜2社へ絞る考え方を紹介し、2026年7月1日更新のマイナビ転職エージェントは最初2〜3社、最終1〜2社を一つの効率的な方法としています。リクルートエージェントでは、まず1〜2社へ相談する方法も紹介されています。
また、2026年3月25日〜4月7日に転職エージェント利用経験者164人へ行われた調査では、1社のみ43.9%、2社34.15%、3社12.2%、4社以上9.76%でした。
複数利用者の理由では「求人を比較するため」が57.61%で最多でした。
この数字からも、「全員が3社使うべき」とは言えません。
私なら、初めて転職する20〜30代には次の流れをおすすめします。
- まず役割の違う2社を利用する
- 情報が不足しているなら3社目を追加する
- 面接が増えてきたら信頼できる1〜2社へ集中する
そして、応募先は企業単位で一元管理し、他社経由の選考状況は必要な範囲で担当者へ共有する。
この進め方なら、求人や担当者を比較するメリットを残しながら、重複応募や連絡疲れを防ぎやすくなります。
転職エージェントは、たくさん登録した人が勝つゲームではありません。
今の職場でしんどい思いをしていると、早く環境を変えたくなるのは自然なことです。
だからこそ焦って一社の提案だけで決めるのではなく、必要な情報だけを比較して、最後は「この会社なら、今つらいと感じている原因を減らせそうか」で考えてみてくださいね。
よくある質問
転職エージェントを2社同時に利用しても大丈夫ですか?
はい、複数利用は可能です。
2社なら求人や担当者の違いを比較しながら、3社以上より連絡やスケジュール管理の負担を抑えやすいため、初めて転職する人にも取り組みやすい数だと考えられます。
リクルートエージェントも、まず1〜2社へ相談する方法を紹介しています。
転職エージェントを3社利用するのは多すぎますか?
3社だから多すぎるとは限りません。
マイナビ転職エージェントは、最初に2〜3社を比較し、最終的に1〜2社へ絞る方法を紹介しています。
ただし、面談・求人確認・面接日程の管理が負担になっているなら、無理に3社を維持する必要はありません。
「3社目から新しい情報を得られているか」「選考準備の時間を削っていないか」で判断すると分かりやすいでしょう。
転職エージェントを複数利用していることは伝えるべきですか?
伝えておくのがおすすめです。
複数利用そのものは問題なく、他社経由ですでに応募している企業や選考状況を必要な範囲で共有すれば、重複応募や面接・内定時期の衝突を防ぎやすくなります。
すべての求人件数や細かなやり取りまで報告する必要はなく、応募状況や日程調整に影響する情報を共有すれば十分です。
執筆:夏目結衣(28歳・若手専門転職アドバイザー。20〜30代の初めての転職を中心に、求人比較・応募管理・選考準備の情報を発信。自身も激務と職場の人間関係に悩みながら転職活動を経験)


コメント