転職エージェントの面談では、職歴・転職理由・希望条件・キャリアの方向性・選考状況を話し、本音を次の会社選びの条件へ整理します。
こんにちは!転職アドバイザーの夏目結衣です。毎日遅くまでの残業や、しんどい人間関係…本当にお疲れ様です。私もかつて「このままでいいのかな」と悩みながら、限界まで無理をして働いていた時期があるので、そのモヤモヤ痛いほどわかります。このブログでは、キレイごと抜きのリアルな葛藤や、エージェント業界のぶっちゃけ話も交えながら、あなたが自分らしい働き方を見つけるためのヒントを親身にお届けしますね!
「転職エージェントの面談では何を話すの?」「残業や人間関係への不満まで本音で言っていい?」「やりたい仕事が決まっていなくても大丈夫?」と不安になりますよね。
先に結論を言えば、転職エージェントとの面談は企業の採用面接とは違います。自分を良く見せて合否を競う場ではなく、これまでの経験と転職理由を整理し、自分に合う求人や転職方針をすり合わせる場です。
ただし、「何を言ってもいい」「準備はまったく不要」という意味でもありません。
経歴や年収などの客観的事実は正確に伝えながら、転職理由や希望条件については本音を共有し、その本音を「次の会社では何を重視するのか」まで具体化することが大切です。
この記事では、転職エージェントの面談で実際に話す内容、本音をどこまで伝えるべきか、初回面談の流れ、事前準備、面談を有意義にする質問まで順番に解説します。
初めて転職エージェントを利用する人でも、読み終えたときに「とりあえずこれを話せば大丈夫」とイメージできる状態を目指します。
転職エージェントの面談では何を話す?基本は5項目

転職エージェントの初回面談では、主に「これまで何をしてきたか」「なぜ転職したいか」「次はどうしたいか」を確認します。
面談で話す内容を整理すると、基本は次の5項目です。
- これまでの職歴・仕事内容・スキル・実績
- 転職を考えた理由・退職理由
- 希望する職種・業界・年収・勤務地・働き方
- 今後のキャリアについて考えていること
- 他社エージェントや自己応募を含む現在の選考状況
リクルートエージェントが2025年1月25日に掲載し、2026年8月12日に更新した解説では、面談の目的について、求職者の経験・スキル、強み、志向や価値観、転職理由、希望条件などを理解し、適切な求人紹介や転職支援につなげることだと説明しています。
JAC Recruitmentが2024年9月25日に公開し、2026年6月30日に更新した解説でも、面談は求人を紹介されるだけの時間ではなく、経験を棚卸しし、次の選択肢や判断軸を整理する場として位置づけられています。
つまり、面談の本質は「求人を何件紹介してもらえるか」だけではありません。
自分では価値がないと思っていた経験を言語化し、次の仕事を選ぶ基準まで整理することに大きな意味があります。
初回面談では「回答を間違えたらどうしよう」と考えすぎなくても大丈夫です。採用企業の面接官に評価されるための受け答えではなく、担当者があなたの現状を理解するための会話だからです。
一方で、情報が具体的であるほど担当者も求人を絞り込みやすくなります。「何となく転職したい」で終わらせず、分かる範囲だけでも整理して参加すると、面談時間を有効に使いやすくなります。
職歴は会社名だけでなく「役割・行動・成果」まで話す
面談で最初に確認されやすいのが、これまでの仕事です。
「営業をしていました」「事務をしていました」だけでは、同じ職種でも実際に経験してきた仕事の範囲が分かりません。
例えば営業なら、
「法人向けの既存営業を担当し、顧客へのヒアリングから提案、見積もり、受注後のフォローまで担当していました」
と説明すると、担当範囲が一気に伝わりやすくなります。
さらに数字で説明できる実績があるなら、次のような項目を整理しておくと経験の具体性が増します。
- 担当顧客数
- 売上や達成率
- 業務時間の削減
- 対応件数
- チーム人数
例えば、「営業を3年間経験しました」だけよりも、「既存顧客約30社を担当し、提案から納品後のフォローまで一貫して対応していた」と説明したほうが、担当者は経験を求人要件と照らし合わせやすくなります。
ただし、数字がないから評価材料がないわけではありません。
顧客対応、社内調整、資料作成、クレーム対応、業務改善、後輩指導、マニュアル作成、スケジュール管理なども、求人によっては重要な経験になります。
初めて転職する人ほど、「これくらい誰でもやっている」と経験を小さく見積もりがちです。
例えば事務職でも、「電話対応やデータ入力をしていただけ」と感じていても、実際には複数部署との納期調整、Excelを使った集計、問い合わせ対応、新人への引き継ぎまで行っているケースがあります。
その一つひとつを分解すると、調整力、業務処理能力、正確性、改善経験など、企業に伝えられる要素が見えてきます。
筆者としては、経験の価値を自分だけで判定して削らないことが大切だと考えています。何が評価されるかは、応募する業界や職種によって変わるからです。
「これは話すほどでもないかな」と思う経験ほど、一度エージェントに話してみてください。その経験が別の業界では珍しいスキルとして評価されることもあります。
転職理由は「嫌だったこと」で終わらせない
「残業が多い」「給料が低い」「上司と合わない」「仕事が面白くない」。
こうした理由が転職のきっかけでも、転職エージェントとの面談で無理に隠す必要はありません。
むしろ本当の理由を隠してしまうと、同じ問題を抱える会社を紹介される可能性があります。
重要なのは、不満をポジティブな言葉に無理やり変換することではなく、不満の中身を分解することです。
例えば「残業がつらい」なら、
「繁忙期だけでなく恒常的に長時間労働が続き、自分の時間を確保できない状態なので、次は業務量や人員体制が安定している環境を重視したい」
と整理できます。
「人間関係が悪い」なら、
「上司に質問や相談をしにくく、一人で判断しなければならない場面が多かったため、次は情報共有や相談の機会がある組織を希望している」
まで言葉にできれば、求人選びの基準になります。
私自身も転職を考え始めた頃は、「人間関係がしんどい」「もう仕事がきつい」という気持ちばかりでした。
でも掘り下げてみると、私にとって本当につらかったのは、長時間労働だけではなく、困ったときに相談できず、一人で仕事を抱え込みやすい環境だったんです。
そこが分かったことで、「残業時間」だけではなく、「相談できる相手がいるか」「仕事が特定の人に集中していないか」まで会社選びで確認しようと思えるようになりました。
転職理由は過去の説明ではなく、次の会社を選ぶ条件の原材料でもあるんです。
ここは、面談で特に時間を使ってよい部分だと思います。
「嫌だったことを言うと印象が悪いのでは」と不安になる人もいますが、エージェントとの面談では、きれいな退職理由を作ることよりも、同じ失敗を繰り返さない条件を見つけることのほうが重要です。
希望条件は「必須・希望・調整可能」に分ける
面談では、希望職種や業界だけでなく、年収、勤務地、休日、勤務時間、転勤、リモートワークなども確認されます。
ただし、希望を10個並べて「全部叶えたい」と伝えるだけでは、求人を選びにくくなります。
例えば次のように整理すると分かりやすくなります。
優先度 条件の例 考え方
必須条件 転勤なし、土日休み 満たさなければ応募しない
できれば叶えたい条件 年収アップ、在宅勤務 他条件が良ければ調整できる
調整可能 通勤時間、企業規模 仕事内容などとのバランスで判断する
JAC Recruitmentの2026年6月30日更新記事でも、条件を「譲れない」「できれば」「なくても良い」のように段階分けし、優先順位を整理する考え方が紹介されています。
さらに大切なのが、なぜその条件が必要なのかです。
例えば「在宅勤務がしたい」と言っても、通勤時間を減らしたい人と、家庭との両立を重視する人では、代わりに検討できる条件が違います。
通勤時間を減らしたいのであれば、完全在宅でなくても「自宅から30分以内」の会社が候補になるかもしれません。
一方、家庭の事情で平日に自宅にいる時間が必要なら、勤務地が近いだけでは解決できず、リモートワーク制度や勤務時間そのものが重要になるでしょう。
「人間関係のいい会社がいい」も、そのままでは求人票で判断できません。
「上司との1on1や定期面談がある」「チームで情報共有する文化がある」「個人同士を過度に競わせない」といった形まで分解すれば、求人紹介や企業面接で確認しやすくなります。
ここで一つ覚えておいてほしいのは、希望条件そのものより、その条件を求める理由のほうが求人探しのヒントになることがあるという点です。
「土日休み」が必要なのか、「年間休日を確保したい」のか。「年収500万円」が必要なのか、「現在より生活水準を落としたくない」のか。
理由まで伝えることで、担当者から自分では考えていなかった選択肢を提示される可能性があります。

キャリアプランが決まっていなくても相談していい
「5年後は何をしていたいですか?」と聞かれると、明確な答えを用意しなければならないように感じますよね。
でも転職エージェントの面談では、
「営業を続けるか迷っている」
「管理職より専門性を高めたい気がする」
「違う業界に興味はあるけれど、自分の経験が使えるか分からない」
という段階でも構いません。
リクルートエージェントの解説でも、転職する意思が完全に固まっていなくても相談でき、中長期のキャリアを考えるために面談を利用できると説明されています。
むしろ、方向性が決まっていないこと自体が相談テーマになります。
面談前に無理やり立派なキャリアビジョンを作るより、「決まっていること」「迷っていること」「避けたいこと」を分けて伝えるほうが、現実的な相談につながります。
例えば、
- 決まっていること:今の働き方は変えたい
- 迷っていること:同じ職種を続けるか別職種へ移るか
- 避けたいこと:恒常的な長時間労働や全国転勤
という整理だけでも十分です。
「やりたいことが分からない」という人でも、「もうやりたくないこと」は比較的はっきりしている場合があります。
私は、そこから逆算する方法も立派なキャリア整理だと思っています。
転職活動というと「やりたいことを見つけなければ」と考えがちですが、20代・30代で今後何十年も続くキャリアを一度の面談で決め切る必要はありません。
まずは次の数年間で何を変えたいのか、どんな経験を積みたいのかまで考えられれば十分です。
他社エージェントや応募状況も共有する
複数の転職エージェントを利用していても、それ自体を隠す必要はありません。
JAC Recruitmentも、他の転職エージェントの利用状況を共有することで活動の進捗を把握しやすくなり、同じ企業への重複応募を避けやすくなると説明しています。
自己応募ですでに選考を受けている会社がある場合も、必要な範囲で伝えておきましょう。
例えば、
「A社は来週一次面接です」
「B社は他社エージェント経由ですでに応募済みです」
「C社からは○日までに内定回答を求められています」
と分かれば、他社の選考スケジュールを相談しやすくなることがあります。
特に複数社を同時並行で受けている場合、内定が出るタイミングを大きくずらさないことも大切です。
一社だけ選考が早く進みすぎると、その会社から回答を求められた時点で、比較したかった他社がまだ一次面接ということもあります。
選考状況を共有しておけば、可能な範囲で面接日程を前倒しできないか担当者に相談する材料にもなります。
他のエージェントを利用しているからといって、申し訳なく思う必要はありません。
選考状況の共有は、担当者のためというより、自分が重複応募や日程の混乱を避けるための情報管理だと考えるとよいでしょう。
転職エージェントの面談で本音はどこまで話していい?
転職理由や希望条件、困っていることは、基本的には本音で伝えたほうが面談の精度は上がります。
ただし、「本音」と「事実」は分けて考える必要があります。
面談で話す内容は、大きく3つの層に整理できます。
種類 例 伝え方
客観的な事実 在籍期間、仕事内容、資格、年収 正確に伝える
希望・価値観 年収、勤務地、働き方、仕事内容 本音と優先順位を伝える
感情・悩み 上司がつらい、残業が苦しい、不安 原因と次に望む状態まで整理する
この区別はとても大切です。
「年収を少し高めに言ったほうが有利かな」「担当業務を大きく見せよう」と客観的事実を変えるのは避けるべきです。
JAC Recruitmentも、現在年収や経歴を詐称しないよう明確に注意喚起しています。
一方、
「今の仕事が本当につらい」
「何をしたいか分からない」
「年収より休日を優先したい」
「実は管理職になりたくない」
といった考えは、面談だからこそ率直に伝えてよい内容です。
むしろ、こうした本音を隠したまま「成長できる会社がいいです」「キャリアアップしたいです」と無難な希望だけを伝えると、本当に望んでいる求人と提案内容がずれてしまうことがあります。
会社への不満も話してよいが「翻訳」する
現職への不満を話すこと自体が問題なのではありません。
大切なのは、そこで会話を止めないことです。
おすすめは、何が嫌だったか → なぜつらかったか → 次はどうしたいかの順番で整理することです。
例えば、
「上司が嫌です」
だけでは、次の会社をどう選べばよいか分かりません。
一方、
「仕事の相談をしても回答を得られず、判断を一人で抱える場面が多かった。次は定期的に相談でき、役割分担が明確なチームで働きたい」
となれば、確認すべき条件が見えてきます。
「残業が嫌だ」も同じです。
残業時間そのものが問題なのか、急な残業が多いことが問題なのか、人手不足が問題なのか、休日にも連絡が来ることが問題なのかで、探す会社は変わります。
例えば月20時間ほど残業があっても、予定が事前に分かるなら許容できる人もいます。
反対に、残業時間自体は少なくても毎日のように終業直前に急な仕事を頼まれることが強いストレスになる人もいます。
同じ「残業が嫌」でも原因は違うんですね。
私は、転職エージェント面談の価値はここにあると考えています。
感情を消すのではなく、感情が生まれた原因を「求人を選ぶ条件」へ翻訳する。
ここまでできれば、単なる愚痴だったものが転職軸に変わります。
「本音を企業にそのまま伝えられそう」で不安なときは確認する
「上司と合わないなんて言ったら、応募企業にも伝えられるのでは?」と心配な人もいるでしょう。
リクルートエージェントでは、面談でネガティブな情報を話したからといって、その内容が直接企業に伝わるわけではないと説明しています。
ただし、転職エージェントごとに個人情報の利用目的、企業への推薦方法、応募時に共有される情報などは異なり得ます。
不安がある場合は面談時に、
「今日相談した内容のうち、企業にはどの範囲が共有されますか?」
「推薦時にはどのような情報が企業へ伝わりますか?」
と確認しておくのがおすすめです。
これは疑っているわけではありません。
自分の情報がどのように扱われるかを理解して転職活動を進めることも、エージェントを主体的に使うための大切なポイントだと私は考えています。
また、企業面接で退職理由を聞かれた場合の伝え方と、エージェントに相談するときの伝え方は同じである必要もありません。
エージェントには背景を含めて率直に話し、そのうえで「企業面接ではどのように整理して説明すれば誤解されにくいか」を一緒に考えてもらう方法があります。
これは本音を隠すという意味ではなく、必要以上に感情的な表現にならないよう、事実と今後の希望を分かりやすく組み立てる作業です。
転職エージェントの初回面談はどんな流れ?時間は何分?
初回面談は、自己紹介から始まり、職歴・転職理由・希望条件を整理したうえで、求人や今後の進め方について話す流れが一般的です。
典型的には次のように進みます。
- サービスや担当者の説明
- 現在の転職活動状況の確認
- 職務経歴・経験・スキルの確認
- 転職理由や現在の悩みの整理
- 希望条件・キャリアの方向性の確認
- 市場情報や求人についての説明
- 今後の応募方針・スケジュール確認
もちろん、必ずこの順番になるとは限りません。
職歴について話している途中で退職理由へ移ったり、希望条件を話しながらキャリアの方向性を整理したりすることもあります。
また、初回面談で必ず求人が紹介されるとも限りません。
職務経歴や希望条件を確認したうえで、面談後に条件に合う求人を探して連絡するケースもあります。
「その場で求人が出なかったから面談に失敗した」と判断する必要はありません。
面談時間は30分から2時間程度までサービスによって差がある
面談時間については、転職エージェントによって目安が異なります。
2026年8月12日更新のリクルートエージェントの記事では、面談時間を30分~1時間程度の目安としています。
JAC Recruitmentの2026年6月30日更新記事では、初回面談の目安を60~90分程度としています。
一方、マイナビスカウティングでは、コンサルタントとの面談について1~2時間ほどを目安として紹介しています。
つまり、「転職エージェントの面談は必ず60分」と決まっているわけではありません。
職歴の長さ、相談内容、キャリアの方向性が決まっているかどうか、求人紹介まで行うかなどで変わります。
初めて転職する人の場合は、経験の棚卸しや希望条件の整理に時間がかかることもあります。
反対に、「応募したい職種も条件もほぼ決まっている」という人なら比較的短時間で終わる可能性があります。
在職中で次の予定があるなら、予約時に所要時間を確認しておくと安心です。
「○時までに終了したい」と事情がある場合は、面談の最初に伝えておくのもよいでしょう。
対面・オンライン・電話に対応するサービスもある
面談方法も一つではありません。
リクルートエージェントでは対面だけでなく、電話やオンラインで面談できる場合があると案内しています。
JAC Recruitmentでも、対面、オンライン、場合によっては電話での対応について説明されています。
働きながら転職活動をしている人なら、オンラインや電話のほうが移動時間を抑えやすいでしょう。
一方で、職務経歴書や求人票を一緒に見ながら細かく相談したい場合は、画面を共有できるオンラインや対面が使いやすい場合もあります。
「どの方法が正解か」ではなく、自分が落ち着いて話せて、資料を確認しやすい方法を選ぶことが大切です。
周囲に転職活動を知られたくない人は、電話面談を会社の休憩室や人通りの多い場所で行うより、自宅など会話を聞かれにくい環境を確保したほうが安心です。
オンラインの場合も、会社のPCや社用アカウントではなく、可能であれば私物の端末や個人のメールアドレスを利用したほうが、転職活動と仕事を切り分けやすいでしょう。
転職エージェントの面談前に準備するものは?
面談前に完璧な回答集を作る必要はありません。職務経歴・転職理由・希望条件・選考状況を簡単に整理できれば十分です。
ただ、何も整理せず参加すると、限られた時間の多くが職歴確認だけで終わってしまう可能性があります。
面談前には、次の内容を簡単に準備しておくとよいでしょう。
- 履歴書・職務経歴書
- 転職を考えたきっかけ
- 希望する仕事・業界
- 希望条件と優先順位
- 現在応募している企業・選考状況
- 今後の予定や入社可能時期
- エージェントに聞きたい質問
リクルートエージェントは、履歴書や職務経歴書を面談前に送っておくことで、担当者が経歴を事前に把握でき、面談をスムーズに進めやすくなると説明しています。
JAC Recruitmentも、職務経歴書を事前共有することで、経歴の読み合わせだけではなく、経験を次のキャリアでどう生かすかという話に時間を使いやすくなるとしています。
とはいえ、職務経歴書が完成していないから面談を受けてはいけないわけではありません。
リクルートエージェントのキャリア相談でも、希望やキャリアプランが固まっていなくても面談でき、履歴書・職務経歴書も「準備できるなら」という位置づけで案内されています。
初めての転職なら、
「職務経歴書をどのようにまとめればいいか分からない」
という悩みそのものを相談しても構いません。
むしろ、書類を書き始めて手が止まってしまった場合は、どの経験をアピールすべきか担当者に相談してから仕上げる方法もあります。
面談前は「30秒で説明できるメモ」を作れば十分
ここで、面談準備を難しく考えすぎないためにおすすめしたい方法があります。
紙やスマートフォンのメモに、次の3文だけ書いてみてください。
現在:
「今は○○の仕事をしていて、主に△△を担当しています」
転職理由:
「□□という状態が続いているため、環境を変えたいと考えています」
次に求めるもの:
「次は○○を重視しつつ、△△の経験を生かしたいです」
例えば、
「現在は法人営業として既存顧客を担当しています。慢性的な長時間労働が続いているため転職を考えています。次は休日を確保できる環境を優先しながら、顧客折衝の経験を生かせる仕事を探したいです」
くらいで十分です。
ここから細かい部分を担当者に質問してもらえば、面談が進みます。
最初から完璧な自己分析を完成させようとすると、かえって面談予約を先延ばしにしてしまう人もいます。
面談は完成した答えを発表する場所ではなく、答えを一緒に具体化する場所と考えてみてください。
また、メモは文章としてきれいに仕上げなくても構いません。
「残業」「上司に相談しづらい」「土日休み」「営業経験は生かしたい」のような単語だけでも、自分が話したかったことを思い出す助けになります。

面談で聞きたい質問を3つ準備する
こちらからの質問も用意しておくと、面談をより有効に使えます。
例えば、次のような質問です。
- 私の経験は、どんな職種で評価されやすいですか?
- 希望業界では、どの経験が重視されていますか?
- 私が希望する年収は市場相場と比べてどうですか?
- 職務経歴書で弱い部分はどこですか?
- 面接では私の経歴のどこを質問されそうですか?
- この求人を私に紹介した理由は何ですか?
全部聞く必要はありません。
自分にとって重要なものを3つ程度選んでおけば十分でしょう。
特に私がおすすめしたいのが、「なぜ、この求人を私に紹介したのですか?」という質問です。
希望条件と少し違う求人でも、理由を聞くと「あなたの○○という経験がこの仕事で生かせる」と、自分では気づかなかった強みが見つかることがあります。
逆に説明を聞いても納得できなければ、
「勤務地を最優先したいです」
「この仕事内容は希望していません」
と伝えることで、次回からの求人提案を修正してもらいやすくなります。
さらに一歩踏み込むなら、
「この求人で私の経歴が不足している部分はありますか?」
と聞いてみるのもおすすめです。
良い部分だけではなく不足している部分まで確認できれば、「経験不足でも応募できそうなのか」「先に別の経験を積んだほうがよいのか」を判断しやすくなります。
面談前に話せない条件も整理しておく
意外と見落としやすいのが、「何を話すか」だけでなく「いつまでに転職したいか」です。
例えば、
「良い会社があれば半年以内に転職したい」
「賞与を受け取ってから退職したい」
「現職の引き継ぎを考えると内定後1~2カ月は必要」
など、入社可能時期に関わる事情があるなら伝えておきましょう。
転職時期が明確になっていると、求人の応募タイミングや選考スケジュールを考えやすくなります。
まだ時期が決まっていない場合も、「急いで辞めたいわけではない」「まず市場を知りたい」と正直に伝えて構いません。
転職エージェント側と自分の温度感を合わせておくことで、必要以上に応募を急かされる状況も避けやすくなります。
転職エージェント面談を有意義にするには?求人紹介より「判断軸」を持ち帰ろう
初回面談を有意義にする最大のポイントは、紹介された求人の件数より、自分が次の会社を選ぶ判断軸が明確になったかを見ることです。
初回面談を終えたあと、「求人を何件紹介してもらえたか」だけで良し悪しを判断する必要はありません。
私が面談後に確認してほしいのは、次の3点です。
- 自分が転職で何を変えたいのか
- どんな求人を優先して見るのか
- 次に何をすればいいのか
この3つが面談前より少しでも明確になっていれば、面談には意味があります。
転職エージェントを単なる「求人を送ってくれるサービス」と考えると、届いた求人を眺めるだけになりやすいんですよね。
でも本来は、
「なぜこの求人なのか」
「私の経験のどこが評価されるのか」
「この条件を優先すると、どんな選択肢が減るのか」
と質問しながら、自分の判断軸を磨くことができます。
特に重要なのが、「希望条件には交換条件がある」と知ることです。
例えば、年収を最優先すると勤務地の選択肢が減るかもしれません。完全リモートを重視すれば、希望職種の求人数が限られる可能性もあります。
逆に、勤務地を少し広げるだけで仕事内容や年収条件が良くなることもあります。
どの条件を守り、どの条件なら調整できるかが分かると、求人検索で迷いにくくなります。
紹介された求人は「合う・合わない」で終わらせない
希望と違う求人を紹介されると、「担当者は私の話を聞いていないのかな」と感じることもあります。
もちろん、明らかに希望とかけ離れた求人ばかり続くなら、条件を改めて伝える必要があります。
ただ、一度は「なぜ紹介したのか」を聞いてみてください。
そして断る場合も、
「年収が低いから」
だけでなく、
「仕事内容には興味がありますが、現在より年収が大きく下がるため今回は見送ります」
と理由を伝えます。
すると担当者にも、
「仕事内容の方向性は合っている」
「年収条件は調整できない」
という情報が残ります。
JAC Recruitmentも、興味を持った理由や合わなかった理由を具体化すると、その後の求人提案の精度を高めやすいという考え方を示しています。
求人紹介は合否判定ではなく、自分の希望条件を検証する材料としても使えるんです。
例えば3社の求人を見て、
「大手企業だから魅力的だと思っていたけれど、仕事内容を見ると企業規模より裁量の大きさを重視している」
と気づくこともあります。
求人を見る前に考えた希望条件と、実際の求人を比較した後の希望条件が変わるのは珍しいことではありません。
面談は採用面接ではない。でも最低限の約束は守る
転職エージェント面談は企業の採用面接ではありません。
そのため、スーツで完璧に自己PRをしたり、転職理由を模範回答に作り込んだりする必要はありません。
一方で、約束した時間を守る、変更が分かったら連絡する、提出を約束した書類が遅れるなら伝える、といった基本的な対応は大切です。
在職中なら、急な仕事や残業で予定が変わることもありますよね。
その場合は無理に参加するのではなく、早めに日程変更を相談しましょう。
また、紹介された求人すべてに応募する必要もありません。
「応募しないと悪く思われそう」と気を使いすぎるより、自分の希望と違う理由を具体的に返したほうが、次の提案につながります。
転職エージェントとの関係では、「良く思われること」より「正しい情報を共有すること」のほうが重要です。
希望と違うのに遠慮して応募を続けると、選考準備の時間も増え、本当に受けたい企業へ使える時間が減ってしまいます。
担当者と合わないと感じたときは我慢しすぎない
面談を受けてみて、「話を十分に聞いてもらえない」「希望と違う求人ばかり強く勧められる」「質問への回答に納得できない」と感じることもあるかもしれません。
一度の面談だけで担当者の良し悪しを決めつける必要はありませんが、違和感を無視し続ける必要もありません。
まずは、
「年収より休日を優先したいです」
「営業職以外も比較したいです」
「求人を紹介する前に、もう少しキャリアの方向性を相談したいです」
など、自分の希望を具体的に伝えてみましょう。
それでも意思疎通が難しい場合は、利用するエージェントを見直したり、複数のサービスから意見を聞いたりする方法もあります。
担当者も一人の人間なので、得意な業界や職種、支援スタイルには違いがあります。
私は、エージェントを一方的に信じる必要も、一方的に疑う必要もないと思っています。
情報や助言を受け取りつつ、最終判断は自分で行う。その距離感を保つことが大切です。
私見|良い面談とは「転職理由の解像度が上がる面談」
筆者としては、良い転職エージェント面談とは、求人を大量に紹介される面談ではないと考えています。
面談前に、
「とにかく今の会社を辞めたい」
と思っていた人が、面談後には、
「長時間労働よりも、実は急な予定変更が多く生活をコントロールできないことが一番つらかった」
と分かれば、大きな前進です。
「給料を上げたい」と思っていた人が、
「年収アップも大切だけれど、土日を安定して休めることはもっと重要だった」
と気づくこともあります。
逆に、
「ワークライフバランスが大事」
と思っていたものの話してみたら、
「忙しくてもいいから、裁量を持って仕事をしたい」
と分かる人もいるでしょう。
転職活動では、最初に考えた希望条件が途中で変わることがあります。
私は、それを「軸がぶれている」とは思いません。
情報を知り、人と話し、自分の経験を振り返ったことで、曖昧だった希望の解像度が上がった結果だからです。
そして、ここに転職エージェント面談を使う大きな意味があると考えています。
自分一人で考えていると、「辞めたい」「仕事がつらい」という感情が頭の中を何度も回ってしまい、何を変えれば状況が良くなるのか分からなくなることがあります。
第三者から、
「残業そのものと、急な残業ではどちらがつらいですか?」
「仕事内容と人間関係なら、どちらを優先して変えたいですか?」
「今の会社で続けてもよい部分はありますか?」
と質問されることで、初めて自分の優先順位に気づくことがあります。
ただし、担当者の意見をそのまま正解にする必要もありません。
エージェントは有力な情報源ですが、最終的に入社し、働くのは自分です。
「市場ではこちらが有利です」
「この求人がおすすめです」
と言われた場合も、
「なぜそう言えるのか」
「自分が重視する条件とどうつながるのか」
を確認し、自分で納得したうえで判断することが大切です。
エージェントに転職先を決めてもらうのではなく、エージェントから得た情報を使って自分で決める。
この距離感が、転職エージェントを上手に利用するうえで非常に重要だと私は考えています。
さらに私が初回面談後におすすめしたいのは、「求人リスト」だけでなく自分の判断基準を3行でメモしておくことです。
例えば、
- 長時間労働を減らしたい
- 顧客対応の経験は生かしたい
- 年収より休日と働き方を優先する
という具合です。
求人をたくさん見ると、企業名や年収など目立つ条件に気持ちを引っ張られやすくなります。
そんなときに面談で整理した3行へ戻れば、「そもそも何を変えるための転職だったのか」を思い出しやすくなります。
まとめ|転職エージェントの面談は本音を「次の条件」に変える時間
転職エージェントの面談で話す内容は、主に職歴・転職理由・希望条件・キャリアの方向性・現在の選考状況です。
「残業が多い」「人間関係がつらい」「仕事内容に不満がある」といったネガティブな転職理由でも、無理に隠す必要はありません。
ただし、不満だけで終わらせず、何がつらいのか → なぜつらいのか → 次はどうしたいのかまで整理してみましょう。
そうすれば、漠然とした不満が「次の会社を選ぶ基準」に変わります。
希望条件も、「全部必要」と考えるのではなく、必須・できれば・調整可能に分けると求人を比較しやすくなります。
一方で、在籍期間、仕事内容、資格、実績、現在年収などの客観的な事実を良く見せるために変えるのは避けるべきです。
面談前には職務経歴書、転職理由、希望条件、選考状況、質問を簡単に整理しておけば十分でしょう。
30秒程度で「今の仕事」「転職を考えた理由」「次に求めること」を説明できるメモがあるだけでも、初回面談は進めやすくなります。
そして面談を終えたときに、「自分は何を変えたいのか」「どんな求人を見るのか」「次に何をするのか」が少しでも明確になっていれば、その面談は前進です。
「転職したい。でも何がしたいか分からない」という状態でも大丈夫です。
むしろ、そのモヤモヤを具体的な言葉と条件に変えることこそ、転職エージェントとの初回面談でやっておきたい大切な作業だと私は考えています。
よくある質問
転職エージェントの面談では何を話せばいいですか?
主に、これまでの職歴・仕事内容・スキル、転職理由、希望条件、今後のキャリア、現在の応募・選考状況を話します。
やりたい仕事が決まっていなくても、「方向性に迷っている」とそのまま相談して構いません。
職歴については会社名や職種だけでなく、「どんな役割を担当したか」「何を工夫したか」「どんな成果や経験を得たか」まで話せると、求人との相性を判断してもらいやすくなります。
転職エージェントに会社への不満を本音で話しても大丈夫ですか?
基本的には、転職理由や困っていることは本音で伝えたほうが、希望に合う求人を整理しやすくなります。
ただし「上司が嫌」「残業が嫌」で終わらせず、何がつらかったのか、次はどんな環境を求めるのかまで整理すると、会社選びに使える条件へ変えやすくなります。
一方、在籍期間や年収、資格、担当業務などの客観的な事実は正確に伝えましょう。
他の転職エージェントを利用していることは伝えるべきですか?
他社エージェントや自己応募で選考中の企業がある場合は、必要な範囲で共有しておくとよいでしょう。
選考状況を共有することで、同じ企業への重複応募を避けやすくなり、面接日程や内定回答期限について相談するときにも状況を説明しやすくなります。
複数の転職エージェントを利用すること自体を申し訳なく思う必要はありません。自分自身の選考スケジュールを管理するための情報として共有すると考えてみてください。
夏目結衣|若手専門転職アドバイザー


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