転職エージェント面談で聞くべきこと8選|市場価値・年収・求人の見極め方

転職エージェントとのオンライン面談を前に8つの質問をメモして確認する若手会社員 転職活動

転職エージェントの面談では、市場価値・年収相場・求人の推薦理由・選考対策・次の行動を聞けば、転職判断に必要な情報を集めやすくなります。

大切なのは質問数ではなく、「なぜそう言えるのか」まで確認し、求人だけでなくキャリアアドバイザー自身も見極めることです。

こんにちは!転職アドバイザーの夏目結衣です。毎日遅くまでの残業や、しんどい人間関係…本当にお疲れ様です。私もかつて「このままでいいのかな」と悩みながら、限界まで無理をして働いていた時期があるので、そのモヤモヤ痛いほどわかります。このブログでは、キレイごと抜きのリアルな葛藤や、エージェント業界のぶっちゃけ話も交えながら、あなたが自分らしい働き方を見つけるためのヒントを親身にお届けしますね!

初めて転職エージェントと話すと、「何を聞けばいいんだろう」「質問したら面倒な人だと思われないかな」「まだ転職するか決めていないのに相談していいのかな」と緊張しますよね。

でも、転職エージェントとの面談は、企業の採用面接とは目的が違います。自分を一方的に評価してもらう場ではなく、これまでの経験を整理し、転職市場での立ち位置や今後の選択肢を一緒に確認する場と考えると分かりやすいです。

JAC Recruitmentは、2024年9月25日公開・2026年6月30日更新の記事で、転職エージェントとの面談を、求人紹介だけでなく経験の棚卸しや市場価値の確認、今後の選択肢を整理する場と説明しています。初回面談は60〜90分程度が目安です。

リクルートエージェントも、2025年1月25日掲載・2026年8月12日更新の記事で、面談の目的を、求職者の経験・スキル・価値観・転職理由・希望条件を理解し、適切な求人紹介や転職支援につなげることだと説明しています。

つまり、面談の成果は「何件求人を紹介されたか」だけでは測れません。

面談後に、自分の強み・狙える選択肢・注意点・次にやることがどれだけ具体的になったか。

ここをゴールにすると、初回面談をずっと有効に使いやすくなります。

転職エージェントの初回面談で聞くべきこと8選【質問例一覧】

転職エージェント面談で聞くべきこと8選|市場価値・年収・求人の見極め方 の内容に合う挿絵(追加1枚目)
※画像はAIによるイメージ

初回面談で聞くべきことは、市場価値・狙える求人・年収相場・市場動向・求人の推薦理由・採用背景・選考対策・次の行動の8つです。

全部を質問する必要はありません。面談前に3〜5問だけ選び、「今日はこれだけは確認する」と決めておけば十分です。

聞くべきこと そのまま使える質問例 分かること
1. 市場価値 私の経験で特に評価されやすい部分はどこですか? 強み・弱み
2. 狙える求人 今の経験なら、どんな企業・職種からニーズがありますか? 現実的な選択肢
3. 年収相場 私の経験では、どの年収帯が現実的ですか? 希望年収の妥当性
4. 転職市場 希望職種では、今どんな経験が求められていますか? 市場の需給
5. 推薦理由 なぜこの求人を私に紹介したのですか? 提案の根拠
6. 採用背景・役割 なぜ募集していて、入社後に何を期待されていますか? 求人票に出にくい事情
7. 選考対策 私の経歴で評価される点と懸念される点は何ですか? 書類・面接の改善点
8. 次の行動 今日の話を踏まえて、次回までに何をすべきですか? 転職活動の進め方

ここで覚えておいてほしいのは、質問そのものより、返ってきた答えの中身が重要だということです。

たとえば「私の市場価値はどうですか?」と聞いて、「高いですよ」「大丈夫です」と返ってきても、それだけでは応募先を選ぶ材料にはなりにくいですよね。

そこで一歩だけ深掘りします。

  • 「どの経験が評価されるのでしょうか?」
  • 「どんな業界や企業で評価されやすいですか?」
  • 「逆に、希望職種へ行くには何が不足していますか?」
  • 「その判断は、最近の求人傾向からでしょうか?」
  • 「私と似た経歴の人は、どんな求人を受けていますか?」

ここまで聞けば、面談で得た情報を職務経歴書や応募先選びへつなげやすくなります。

質問するときに遠慮する必要はありません。

むしろ、初回面談は自分のキャリアについて、普段とは違う視点を借りる時間として使ってみてください。

「質問をたくさん用意しなくては」と考えるより、ひとつの答えに対して「それはなぜですか?」と一度だけ掘り下げる方が、役立つ情報を得られることもあります。


市場価値・年収・転職市場はどう聞く?3つに分解すると具体的になる

市場価値については、「評価される経験」「足りない経験」「評価される場所」の3つに分けて聞くのがおすすめです。

「私の市場価値は高いですか?」だけでは、どうしても「高い・低い」という曖昧な答えになりやすいからです。

たとえば、次のように聞けます。

  • 「これまでの経験で、企業から最も評価されそうなのは何ですか?」
  • 「希望職種へ転職するうえで、不足している経験はありますか?」
  • 「私の経験を評価してくれそうなのは、どんな企業でしょうか?」

JAC Recruitmentも、面談では経験や希望条件を整理しながら、市場価値についてフィードバックを受けることを紹介しています。職務経歴書を事前共有し、確認したい論点を準備すると面談を効率化しやすいとしています。

そして、市場価値を考えるときに注意したいのが、転職市場全体の数字だけで自分の転職しやすさを判断しないことです。

厚生労働省が2026年8月28日に公表した「一般職業紹介状況(令和8年7月分)」によると、2026年7月の有効求人倍率は1.18倍、新規求人倍率は2.10倍、正社員有効求人倍率は1.00倍でした。

一方、dodaが2026年8月20日に発表した2026年7月の転職求人倍率は2.71倍です。前月比では0.16ポイント、前年同月比では0.29ポイント上昇し、求人数も前年同月比17.2%増となっています。

「1.18倍と2.71倍では全然違うじゃない」と思いますよね。

これはどちらかが間違っているのではなく、対象と算出方法が異なるためです。厚生労働省の数字はハローワークにおける求人・求職状況を集計したもので、dodaの転職求人倍率は同サービスにおける求人と転職希望者を基にした独自指標です。

さらに、dodaの2026年7月データを見ると職種差も大きくなっています。

営業は3.04倍、エンジニア(IT・通信)は11.26倍なのに対し、販売・サービスは0.79倍、事務・アシスタントは0.58倍でした。

同じ2026年7月の転職市場でも、希望職種によって状況はかなり違います。

だから、面談で「今は売り手市場ですか?」と聞くだけでは少しもったいありません。

「私が希望する職種では、どんな経験の求人が多く、私の経験年数やスキルならどう評価されますか?」

ここまで絞って質問してみてください。

年収も同じです。

「500万円を希望しています」と伝えるだけではなく、「今の経験で500万円を狙うなら、どんな企業やポジションが現実的ですか?」と聞いた方が判断材料になります。

もし希望額との差があるなら、「何の経験が増えれば、その年収帯を狙いやすくなりますか?」まで質問してみましょう。

たとえば現在の年収が400万円で、希望年収を500万円としている場合も、「100万円アップできますか?」だけでは答えが曖昧になりがちです。

「同じ職種のまま500万円を狙えるのか」「管理職候補や専門性の高いポジションなら可能性が上がるのか」「業界を変える必要があるのか」と分ければ、次に何をすべきかが見えやすくなります。

転職エージェントから希望より低い相場を言われたからといって、それがあなた自身への評価を意味するわけではありません。

現在の経験と、特定の求人市場で提示されやすい条件を切り分けて考えることが大切です。

そして、担当者の意見だけで年収や市場価値を決めつけないことも重要です。

転職エージェントによって保有求人、得意業界、担当者の経験は異なります。A社では「500万円は難しい」と言われても、別のサービスでは異なる業界やポジションを提案されることもあります。

市場価値は一つの固定された数字ではなく、「どの企業の、どの求人に応募するか」で変わるものとして考える方が現実的です。

※画像はAIによるイメージ

求人を紹介されたら何を逆質問する?推薦理由・採用背景・懸念点を確認

求人紹介を受けたら、最初に確認したいのは「なぜ私にこの求人を紹介したのですか?」です。

会社名や年収を見る前に推薦理由を聞くことで、「条件が合っただけの求人なのか」「経験や価値観まで考えた提案なのか」が分かりやすくなります。

たとえば、回答が「希望年収に合っています」「大手企業なのでおすすめです」だけなら、まだ情報が足りません。

反対に、

「法人顧客への折衝経験が、この求人の既存顧客向け提案業務と近いです。さらに、面談で話していた『個人競争よりチームで動きたい』という希望とも重なります」

と説明されたなら、少なくとも経験と希望をどう求人へ結びつけたのかが見えます。

詳しい説明があるからといって、その求人が必ず自分に合うわけではありません。

ただし、推薦のロジックが分かれば、「応募する・しない」を自分で考えられます。

次に確認したいのが採用背景です。

  • 「増員ですか、それとも欠員補充ですか?」
  • 「入社後、最初に期待される仕事は何ですか?」
  • 「企業が特に重視している経験は何でしょうか?」
  • 「私の経歴で懸念されそうなところはありますか?」
  • 「このポジションで活躍している人には、どんな共通点がありますか?」

このように聞くと、求人票を読むだけでは分かりにくい情報を補えます。

ここでも、弱い回答と信頼しやすい回答の違いは、根拠があるかどうかです。

たとえば年収について「たぶん500万円くらいはいけます」と言われるより、「同じ職種・同程度の経験ではこのあたりのレンジが多い。ただし最終条件は選考評価で変わります」と説明される方が、情報の確度を判断できます。

採用背景も同様です。

「人が足りないみたいです」だけではなく、「企業側からは事業拡大に伴う増員と聞いています。ただ、配属部署の退職状況までは確認できていないので確認します」と分けて説明してもらえる方が安心できます。

この「分かっている事実」と「担当者の見立て」と「未確認情報」を混ぜない姿勢は、担当キャリアアドバイザーを見る大切なポイントです。

求人について質問するとき、もう一つ確認したいのが「自分の希望条件と合わない部分」です。

転職活動では、100%希望通りの求人だけが紹介されるとは限りません。

たとえば「残業を減らしたい」と伝えているのに、多少残業がある求人を紹介されたとします。そのとき、すぐ「希望と違う」と断るだけではなく、「なぜこの求人を候補に入れたのでしょうか?」と聞いてみてください。

仕事内容や年収、将来的なキャリア、働き方の柔軟性など、別の希望条件を踏まえて提案されている可能性があります。

理由を聞いたうえで自分に合わないと判断したなら断ればいいですし、「その視点は考えていなかった」と気づくこともあります。

求人を断ることと、提案理由を聞くことは両立します。

選考対策についても、「面接では元気に話しましょう」といった一般論だけで終わらせず、自分の経歴に即した情報を聞きましょう。

リクルートエージェントは、転職支援の内容として履歴書・職務経歴書の準備やキャリアアドバイス、求人紹介などを説明しています。また、面談前に経歴や希望条件を共有しておくことで、より具体的な面談につながる場合があるとしています。

私なら、「評価されそうな点」と同じくらい、「懸念されそうな点」を聞くことをおすすめします。

未経験転職なら、経験がない事実そのものは変えられません。

でも、「現職のどの経験なら次の仕事へつながるのか」「なぜ今キャリアチェンジするのか」を整理することはできます。

たとえば営業職から企画職へ転職したい場合、「企画経験がありません」で終わるのではなく、「営業時代に顧客データを集計して提案内容を改善した」「販促施策を考えた」といった経験が、どこまで企画職へ転用できるかを聞けます。

反対に、「データ分析経験が不足している」「企画書作成の実績が弱い」と指摘されたなら、その部分を応募前に補強する方法を考えられます。

転職エージェントの役割は、ただ「大丈夫ですよ」と励ますことだけではありません。

応募前にリスクを見つけ、準備できる状態へ変えてくれるか。

ここも見ておきたいところです。


良いキャリアアドバイザーを見極めるには?見るべきポイントは3つ

良いキャリアアドバイザーか見極めるときは、回答の具体性・根拠の示し方・分からない情報の扱い方の3点を見ると判断しやすくなります。

何でも即答できる担当者が優秀とは限りません。

まず一つ目は、回答の具体性です。

「あなたなら転職できます」

「良い求人だと思います」

「市場価値は高いですよ」

こうした言葉だけでは、転職判断には使いにくいですよね。

「どの経験が」「どんな企業で」「どんな理由で」評価されるのかまで話してくれるかを確認しましょう。

二つ目は、根拠です。

担当者自身の経験なのか、企業側から聞いた情報なのか、過去の選考傾向なのか。

同じ回答でも、根拠が分かるだけで情報の受け取り方は変わります。

たとえば「この企業は面接で論理性を重視します」と言われた場合も、「過去の応募者の選考結果からそう考えている」のか、「企業の採用担当者から直接聞いた」のかでは情報の性質が違います。

もちろん、企業の採用基準は変わることがあります。だからこそ、「それはいつ頃の情報ですか?」まで聞いても問題ありません。

三つ目は、分からない情報の扱い方です。

私はここをかなり大事にしています。

たとえば「この会社は残業が少ないですか?」と聞いたとき、根拠もなく「大丈夫です」と言い切られるより、「求人票に記載された範囲は分かりますが、部署差までは確認できていないので企業担当へ確認します」と答えてもらう方が信頼できます。

転職では、企業側の状況や選考結果など、誰にも断定できないことがあります。

だからこそ、分からないことを分からないまま扱えるかは大切です。

もう一つ、担当者を見るときに注目してほしいのが、「希望条件の理由」まで聞いてくれるかです。

「残業が少ない会社がいい」という一言でも、

「体力的に限界だから」

「資格勉強の時間を取りたいから」

「毎日の残業より、突発的な予定変更が困るから」

では、合う働き方が変わります。

年収も同じです。

「500万円以上」が生活上どうしても必要なのか、仕事内容が良ければ多少下がっても構わないのかで、紹介できる求人の範囲は変わります。

条件だけでなく、その条件を希望する理由まで理解しようとしてくれるか。

求人紹介数では見えにくい部分ですが、ミスマッチを減らすうえで重要だと私は考えています。

さらに、紹介された求人への応募を必要以上に急かさないかも確認しておきたいポイントです。

求人には応募期限があったり、人気求人では早めに募集が終了したりすることもあります。そのため「早めに検討した方がよい」という助言自体が悪いわけではありません。

ただし、「とにかく応募しましょう」「考える前に全部出しましょう」と理由なく急かされる場合は、一度立ち止まってもいいでしょう。

「なぜ今応募した方がよいのですか?」「募集状況が理由ですか、それとも私の転職活動全体を考えた提案ですか?」と確認すれば、担当者の意図を見極めやすくなります。

ここで、転職相談でよく起こるパターンを分かりやすくするため、複数の相談に共通する状況を一つの架空ケースとして整理してみます。

たとえば「今の仕事がしんどいので、企画職へ行きたい」と考えている20代後半の営業職の人がいたとします。

最初は「私でも企画職へ転職できますか?」とだけ聞いていたため、答えも「求人によります」と抽象的になりがちです。

そこで質問を、

「法人営業で行ってきたデータ集計や販促提案は、企画職ではどこまで評価されますか?」

「未経験扱いになる部分はどこですか?」

「営業経験を評価する企画求人にはどんな共通点がありますか?」

と分解します。

すると、「営業から企画へ行けるか」という二択ではなく、何が転用できて、何が不足し、どの求人なら接点があるのかを考えられるようになります。

支援する側から見ても、こうした質問に変わるだけで求人検索や職務経歴書の見せ方を具体化しやすくなります。

質問力というと難しく聞こえますが、特別なテクニックではありません。

「それは、なぜですか?」を一度だけ足す。

まずはそれで十分です。

※画像はAIによるイメージ

面談前・面談後は何を準備する?本音を整理して5分で記録しよう

面談前は、履歴書・職務経歴書、転職理由、希望条件、質問3〜5個を整理しておけば十分です。

面談後は、聞いた内容を5分だけメモすることで、次の求人選びや別のエージェントとの比較がしやすくなります。

リクルートエージェントは、面談前の準備として、可能であれば履歴書や職務経歴書を共有すること、希望条件や転職で実現したいこと、現在の転職活動状況などを整理しておくことを挙げています。

また、面談時間はサービスによって異なります。

JAC Recruitmentは初回面談を60〜90分程度の目安としています。

リクルートエージェントは30分〜1時間程度を目安としており、キャリアプランや具体的な希望が固まっていない場合は長くなる可能性があると説明しています。

つまり、「転職エージェントの面談は必ず○分」と決まっているわけではありません。

限られた時間を使いやすくするためにも、「今日は最低この3問」と優先順位をつけておくと安心です。

面談前に完璧な転職理由や志望職種を用意する必要もありません。

「転職したい気持ちはあるけれど、次に何をしたいか分からない」

「今の会社を辞めたい気持ちが先に来ている」

「年収を上げたいのか、働き方を変えたいのか、自分でも整理できていない」

そんな段階でも、整理すること自体が面談の目的になります。

そして、転職理由は無理にポジティブな言葉へ加工しなくても大丈夫です。

リクルートエージェントも、企業との採用面接とは異なり、転職エージェントとの面談では本音を共有し、転職の目的や希望条件をすり合わせることを勧めています。

「人間関係がつらい」なら、その事実だけで終わらず、

「次は相談できる上司がいる職場がいい」

「個人競争よりチームで情報共有できる会社がいい」

まで考えてみてください。

「残業がつらい」場合も、

「月20時間程度なら対応できる」

「繁忙期の残業は構わないが、毎日遅くなる環境は避けたい」

「残業時間より、急な呼び出しや予定変更を減らしたい」

と分解すると、希望条件として使いやすくなります。

今の職場への不満は、ただの愚痴ではありません。

「次の職場では何を変えたいか」を見つける材料になります。

私自身も仕事がつらかったときは、「とにかく環境を変えたい」という気持ちが先にありました。

でも、「何が嫌なのか」を細かく考えていくと、仕事そのものではなく、長時間労働や人間関係、相談しづらい環境など、変えたい条件が見えてきます。

ここを整理しないまま転職すると、会社名は変わっても同じ悩みを繰り返す可能性があります。

だから面談では、「今の会社の嫌なところ」だけでなく、「次の会社ではどうなっていたら働きやすいか」まで一緒に言葉にしてみてください。

そして面談の最後には、ぜひ、

「今日の話を踏まえて、次回までに私がやることは何ですか?」

と確認してください。

職務経歴書を直すのか、求人を比較するのか、条件の優先順位を整理するのか。

次の行動が決まると、面談が「たくさん話したけれど何も進まなかった時間」になりにくくなります。

さらに、面談後は5分だけ使って、次の内容を残しておくのがおすすめです。

  • 評価されると言われた経験
  • 不足・懸念点として挙げられた経験
  • 紹介された求人と、その推薦理由
  • 担当者が確認すると言った未確認事項
  • 自分が次回までに行うこと

このメモは、2社目、3社目の転職エージェントと話したときにも役立ちます。

たとえばA社では「営業経験が強み」と言われ、B社では「マネジメント経験不足が課題」と言われたなら、どちらかをすぐ正解と決める必要はありません。

なぜ評価が違うのかを聞くことで、自分の市場価値を一つの意見だけで決めずに済みます。

ここは、転職エージェントを複数利用するときにも大切な視点です。

同じ経歴を見せても、担当者によって注目する部分が違うことがあります。「意見が違う=どちらかが間違い」と決めるのではなく、それぞれが何を根拠に判断しているのかを比べてみてください。

たとえば、IT業界に強い担当者とメーカー求人に強い担当者では、同じ営業経験でも評価の仕方が違う可能性があります。

その違い自体が、「自分の経験はどの市場で高く評価されやすいのか」を知る材料になります。

面談後の記録まで含めて考えると、転職エージェントは「求人をもらう場所」から「自分のキャリア仮説を検証する場所」へ変わっていきます。


転職エージェントに聞かない方がいい質問はある?

基本的には、転職活動に関することであれば遠慮せず質問して大丈夫です。

ただし、答えようがない質問をそのまま投げるより、判断材料を聞く形に変えた方が役立つ回答を得やすくなります。

たとえば「この会社なら絶対に幸せに働けますか?」と聞いても、担当者には断定できません。

それよりも、

「私が希望している働き方と、この会社で合わない可能性がある点はありますか?」

「残業や働き方について、確認できている事実はどこまでですか?」

「過去に入社した人が退職した理由まで把握していますか?」

と聞く方が、自分で判断できる材料が増えます。

同じように、「この会社に受かりますか?」も答えにくい質問です。

選考結果は企業が決めるため、転職エージェントでも保証はできません。

その代わり、

「私の経歴で評価されやすい点はどこですか?」

「逆に、書類選考で懸念されそうな点はありますか?」

「過去の選考では、どんな部分を見られる傾向がありますか?」

と聞けば、応募前の対策につながります。

つまり、「未来を断定してもらう質問」より、「判断に必要な事実やリスクを確認する質問」の方が転職エージェントを活用しやすいということです。

これは担当者を試すための質問ではありません。

自分の人生に関わる転職だからこそ、他人の「大丈夫」という言葉だけに任せず、自分で納得して判断するための質問だと考えてください。


夏目結衣の考察|面談では「答え」より3段階の解像度を見よう

ここからは、転職支援に関わる立場と、私自身も激務や職場の人間関係で転職に悩んだ経験を踏まえた考察です。

転職エージェントの面談では、「良いことを言ってくれたか」より、回答がどこまで具体化されたかを見る方が役立つと考えています。

私は、面談で得た情報を大きく3段階に分けて考えると整理しやすいと思っています。

一段目は「評価」です。

「この経験は評価されます」

「この求人が合いそうです」

ここだけでは、まだ判断材料として弱めです。

二段目は「理由」です。

「法人営業で顧客課題を整理した経験が、今回のポジションの提案業務と近いからです」

ここまで来ると、自分の経験と求人との接点が見えてきます。

三段目は「次の行動」です。

「ただし新規開拓経験が弱いため、職務経歴書では既存顧客への深耕実績を数字で説明し、面接では新規開拓への考え方を準備しましょう」

ここまで具体化されれば、面談後に動けます。

私は、転職エージェントとの面談の価値は「答えをもらうこと」より「判断できる状態になること」にあると考えています。

転職市場についても同じです。

2026年7月のdoda転職求人倍率は全体で2.71倍ですが、エンジニア(IT・通信)は11.26倍、事務・アシスタントは0.58倍でした。

「転職市場が良いか悪いか」という一言では、自分の状況までは分かりません。

だから、

「私の職種なら?」

「私の経験年数なら?」

「希望年収を含めたら?」

「未経験職種へ変えるなら?」

と条件を一つずつ足していくことが大切です。

そして、プロに相談することと、プロの言う通りにすることは別です。

希望と違う求人を提案されたときも、「自分の希望と違うから即NG」「プロがおすすめしたから即応募」の二択にしなくて大丈夫です。

「なぜ合うと思ったのか」を聞き、その理由に納得できるかを自分で判断してください。

ここで私が特に大事だと感じているのが、転職エージェントの面談を「答え合わせ」ではなく「仮説をつくる時間」と考えることです。

初回面談の時点では、「自分は企画職に向いている」「年収500万円を狙うべき」「この業界しかない」といった正解が決まっていないことも珍しくありません。

そこで、「営業経験を生かせる企画職なら可能性がある」「今すぐ500万円ではなく、450万円前後のポジションで専門性を高める道もある」といった仮説を作ります。

その後に求人を見たり、別の担当者へ相談したり、実際に選考を受けたりして、その仮説を修正していけばいいのです。

この考え方なら、一人の担当者から厳しい意見を言われても、「自分には価値がない」と受け止めなくて済みます。

あくまで「その担当者が持っている求人や市場情報では、そう見える」という一つの材料だからです。

仕事がつらい状態で転職活動を始めると、「次の会社を選ぶこと」より「今の会社から早く離れること」が目的になりやすくなります。

私自身も、しんどい時期には「もうここ以外ならどこでもいい」と考えそうになったことがありました。

だからこそ、面談では求人を見る前に、

「次の職場では、今と何を変えたいのか」

を言葉にしてほしいと思っています。

年収なのか、仕事内容なのか、労働時間なのか、人との関わり方なのか。

一つでも判断基準が言葉になれば、求人を見る目は変わります。

そして、希望条件には優先順位もつけてみてください。

「年収500万円以上」「残業月20時間以内」「在宅勤務可能」「未経験職種」「大手企業」「転勤なし」と希望が増えるほど、すべてを満たす求人は少なくなります。

そこで「絶対に譲れない条件」「できれば欲しい条件」「なくても構わない条件」に分けます。

担当者に「この条件だと求人はどのくらい絞られますか?」と聞けば、自分の希望と市場との距離も確認できます。

私は、この優先順位づけまでできると、面談の質がかなり上がると考えています。

転職エージェントとの面談で本当に増やしたいのは、求人件数ではありません。

「この会社を選ぶ理由」「この会社を選ばない理由」を自分で説明できる材料です。

そこまで持ち帰れた面談なら、私は十分に価値があると考えています。


まとめ|転職エージェント面談では「なぜ?」まで聞こう

転職エージェントの初回面談では、市場価値、狙える求人、年収相場、転職市場、求人の推薦理由、採用背景、選考対策、次の行動の8項目を確認すると、転職判断に必要な情報を整理しやすくなります。

ただし、8問すべて聞かなければいけないわけではありません。

自分に必要な3〜5問を選び、答えが曖昧なら一度だけ「なぜそう考えるのでしょうか?」と深掘りしてみてください。

また、良い担当者を見極めるときは、回答の具体性だけでなく、根拠を説明できるか、不確かなことを断定しないかにも注目しましょう。

2026年7月の転職市場データでも、求人倍率は指標や職種によって大きく異なります。全体の「転職しやすい・しにくい」ではなく、自分の職種・経験・希望条件まで絞って相談することが重要です。

そして面談後には、強み・懸念点・推薦理由・未確認事項・次の行動を5分だけメモしてみてください。

転職エージェントに一方的に評価されるのではなく、あなた自身も求人と担当者を見極める側です。

初めての転職で何から始めればいいか分からないなら、完璧に準備しなくても大丈夫です。

まずは「私の経験で評価されるところはどこですか?」という一問から始めてみてください。

その答えに「なぜですか?」を一度加えるだけでも、自分では気づかなかった強みや、次に考えるべき課題が見つかるかもしれません。


よくある質問

転職エージェントの初回面談で最低限聞くべきことは?

3つに絞るなら、「私のどの経験が評価されますか?」「どんな企業・職種が現実的ですか?」「次回までに何をすればいいですか?」がおすすめです。

求人を紹介された場合は、「なぜ私にこの求人を紹介したのですか?」も確認すると、提案の根拠が分かります。

時間に余裕があれば、「私の経歴で企業から懸念されそうな点はありますか?」も加えてみてください。良い点だけでなく弱点も確認すると、応募前に対策しやすくなります。

転職エージェントに市場価値や年収相場を聞いてもいいですか?

問題ありません。

「市場価値は高いですか?」だけでなく、「評価される経験」「不足している経験」「評価されやすい企業」の3つに分けると、より具体的な回答を得やすくなります。

年収についても、「希望年収を実現できる企業はどんな会社か」「届かないなら何の経験が必要か」まで聞くと、今後のキャリア設計にも使えます。

なお、一人の担当者の回答だけで市場価値や適正年収を決めつける必要はありません。保有求人や得意領域によって評価が異なる場合があるため、根拠まで確認すると判断しやすくなります。

転職理由が残業や人間関係でも正直に話していいですか?

転職エージェントとの面談は企業の採用面接とは異なるため、転職理由や希望条件の背景を本音で共有することは可能です。

リクルートエージェントも、本音を伝えることでキャリアアドバイザーが真意を理解しやすくなると説明しています。

ただし、「人間関係が嫌」「残業がつらい」だけで終わらせず、「次はどんな職場なら働きやすいか」まで整理すると、求人選びの条件に変えやすくなります。

たとえば「人間関係がつらい」なら「相談しやすい上司がいる環境」、「残業がつらい」なら「毎日の恒常的な残業を避けたい」など、次の職場で実現したい状態まで言葉にしてみましょう。


参考にした主な情報

この記事では、JAC Recruitment「転職エージェントとの面談は何を話す?面談までの流れや聞かれること・注意点を解説」(公開2024年9月25日、最終更新2026年6月30日)、リクルートエージェント「転職エージェントとの面談の流れや必要な準備、最適な求人を紹介してもらうコツを紹介」(2025年1月25日掲載、2026年8月12日更新)、厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年7月分)」、doda「転職求人倍率レポート(2026年7月)」などを確認しています。

求人倍率や転職市場、各サービスの面談方法・支援内容は変わる可能性があります。実際に転職活動を進める際は、その時点の最新情報も確認してください。

執筆:夏目結衣(若手専門転職アドバイザー)

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