40代の転職活動は、退職を急がず働きながら始め、経験を「応募先でも再現できる強み」に変えて伝えるのが成功への基本です。
収入と現職という比較対象を残したまま動けば、焦って転職先を決めるリスクも抑えやすくなります。
こんにちは!転職アドバイザーの夏目結衣です。毎日遅くまでの残業や、しんどい人間関係…本当にお疲れ様です。私もかつて「このままでいいのかな」と悩みながら、限界まで無理をして働いていた時期があるので、そのモヤモヤ痛いほどわかります。このブログでは、キレイごと抜きのリアルな葛藤や、エージェント業界のぶっちゃけ話も交えながら、あなたが自分らしい働き方を見つけるためのヒントを親身にお届けしますね!
「40代でも働きながら転職できる?」「仕事が忙しくて面接する時間がない」「年齢のせいで書類選考に通らないのでは」と、不安になっている方もいるでしょう。
40代の転職では、若さで勝負する必要はありません。大切なのは、これまで積み重ねた経験をそのまま並べるのではなく、応募先でも再現できる経験として整理し、無理のないスケジュールで選考を進めることです。
そしてもう一つ大切なのが、「転職できるか」だけでなく、今の会社から移る価値が本当にあるのかを最後まで確認することです。
この記事では、40代が働きながら転職活動をするメリットから、期間の目安、1週間の具体的な動き方、経験の棚卸し、面接日程、職場に知られにくくする注意点、内定後に退職を伝えるタイミングまで順番に解説します。
40代の転職活動は働きながら進めたほうがいい?

すぐに退職しなければならない事情がなければ、40代の転職活動はまず在職中に始める方法を検討するのが現実的です。
収入を確保しながら求人を比較でき、転職活動を始めた結果「今の会社に残る」という選択肢も残せるからです。
エン・ジャパンが2018年11月8日に公表した『エン転職』ユーザーアンケート「転職活動」実態調査では、10,663人の回答者のうち86%が「在職中に転職活動を行なう」と回答しました。同調査では、転職活動にかかった期間についても7割が「3カ月以内」と答えています。
これは40代だけを対象にした調査ではありません。そのため「40代の86%が在職中」という意味ではありませんが、仕事を辞めずに次の会社を探すこと自体は特別な進め方ではないと分かります。
さらに、doda『40歳女性の転職事情〜データで見るリアル〜』では、2023年4月から2024年3月にdodaエージェントサービスを利用して転職した女性約6,000件のデータから40歳女性を抽出したところ、78.1%が現職中に転職活動を始めていました。
ここも注意したいのですが、「40歳女性」のデータであって、40〜49歳の男女全体を表す数字ではありません。
男性や41歳以上にも同じ割合が当てはまるとは限らないので、あくまで一つの参考データとして見てください。
数字を読むときに大切なのは、「40代も在職中に転職できる人がいる」という事実と、「自分も同じ期間・同じ確率で決まる」という話を混同しないことです。
40代は仕事内容や役職、家計、家族との生活、勤務地など考慮する条件が増えやすいため、若手と同じテンポで進まなくても不思議ではありません。
働きながら転職するメリットは「辞めない自由」を残せること
在職中に転職活動をするメリットは、大きく分けると次の4つです。
- 毎月の給与を得ながら活動できる
- 職歴の空白期間ができにくい
- 今の会社と応募企業を具体的に比較できる
- 条件が合わなければ現職へ残る選択もできる
40代の方に私が特に意識してほしいのは、最後の2つです。
転職活動を始めると、「内定を取ること」が目標になりやすいのですが、本来の目的はそこではありません。
年収が上がっても、通勤時間が大きく延びるかもしれない。役職が上がっても、今より長時間労働になるかもしれない。
反対に、年収は大きく変わらなくても、仕事内容や裁量、休日、将来のキャリアが自分に合う会社が見つかる可能性もあります。
今の職場を残したままなら、「受かった会社に行く」のではなく「今の会社より移る価値がある会社か」を考えられるんです。
私はここが、40代が働きながら転職する大きな強みだと考えています。
特に、今の職場への不満が強いときほど注意してください。
上司との関係がつらい、残業が多い、評価されない。そうした状態が続くと、「今の会社ではない」というだけで求人が魅力的に見えてしまうことがあります。
だからこそ、転職先を見るときは「不満から逃げられるか」だけではなく、次の会社で同じ不満が再発しないかまで確認する視点が必要です。
働きながら転職するデメリットも理解しておく
一方で、在職中の転職活動には大変な点もあります。
仕事が終わってから求人を探し、履歴書を直し、企業研究をするのは、想像以上に疲れます。
さらに40代では、管理職やリーダー、顧客対応などを任されていて、平日に突然予定を空けにくい人も少なくありません。
在職中転職で起こりやすい負担は、主に次のようなものです。
- 求人を見る時間が取れない
- 応募書類の作成が後回しになりやすい
- 面接日程の調整が難しい
- 現職と転職活動の両方で疲れる
- 選考が長引くとモチベーションが落ちやすい
だからこそ、「空いた時間に全部やろう」としないことが重要です。
転職活動を一つの大きな作業として考えるのではなく、求人検索、書類修正、応募、企業研究、面接準備と小さく分けることで続けやすくなります。
退職してから探したほうがよいケースもある
もちろん、在職中の転職活動がすべての人に正解とは限りません。
仕事の拘束時間が非常に長く、書類を作る時間すら確保できない。平日の面接調整がほぼ不可能。今の職場を続けること自体が難しい事情がある。
そうした場合には、退職後に集中して活動する選択もあります。
ただし、退職を先にするのであれば、「辞めたい」という感情だけではなく、退職後に何カ月生活できるのか、希望条件をどこまで維持できるのかも一緒に整理しておきたいところです。
収入が途切れると、「行きたい会社」より「早く決まる会社」を選びたくなることがあります。
転職支援をする立場としても、40代ほど「早く決めること」より「条件を確認して決めること」を大事にしてほしいと感じます。
在職か退職か迷ったときは、「今すぐ辞めるか、我慢して残るか」の二択にする必要もありません。
まず求人を見て、市場にどんな選択肢があるか確認する。職務経歴書を作る。数社へ応募してみる。
そこまで進めてから、働きながら続けられるか判断しても遅くありません。
40代の転職では何をアピールする?経験の棚卸しが重要な理由
40代の転職では、経験年数そのものよりも、その経験によって何を改善し、転職先でも何ができるのかを伝えることが重要です。
dodaが2025年3月3日に公開した「転職成功者の平均年齢調査【2024年】」では、2024年のdoda転職成功者に占める40歳以上の構成比は16.6%でした。2023年は14.9%、2022年は13.9%です。
ただし、ここは数字を読み違えないでください。
16.6%は「40代の転職成功率」ではありません。
dodaで転職した人全体の中で、40歳以上が占めた割合です。40代の応募者100人のうち16.6人が成功した、という意味ではありません。
そのため、このデータだけを見て「40代の転職が簡単になった」と断定することはできません。
一方で、転職成功者の中に40歳以上が一定数存在していることも事実です。年齢だけを理由に、応募前から可能性を閉じる必要もありません。
40代の転職で問われやすいのは、「何をしてきたか」だけではなく、その経験を採用企業が必要としている仕事へどう接続できるかです。
応募先によって求める能力は違います。
そのため「自分は営業が得意です」「管理職経験があります」と固定的に自己PRするより、求人ごとに求められている課題を読み、自分の経験のどこを見せるか選ぶことが重要になります。
40歳女性のデータでは「経験をつなぐ転職」が目立つ
前述したdodaの2023年4月〜2024年3月の集計では、40歳女性が転職先に選んだ職種の上位は次の通りでした。
順位 転職先の職種 割合
1位 企画・管理 30.9%
2位 事務・アシスタント 22.9%
3位 技術職(SE・インフラエンジニア・Webエンジニア) 9.0%
企画・管理へ転職した40歳女性の47.2%は、転職前も企画・管理でした。また25.8%は事務・アシスタントから移っており、「経理アシスタントから経理」など近い経験を生かす例も紹介されています。
事務・アシスタントへ転職した人では71.2%が転職前も同職種、IT系技術職では46.2%がエンジニア(IT・通信)からの転職でした。
もちろん、これも「40歳女性」に限定されたデータです。
それでも、40代の転職を考える上で参考になるのは、過去の経験を全部捨ててゼロから始めるより、これまでの専門性や近接経験を次の仕事へ接続する考え方です。
これは「同じ仕事しか選べない」という意味ではありません。
例えば営業から企画、事務から経理、現場担当からマネジメントといったように、仕事内容の一部が変わっても、これまで培った経験を橋として使える転職はあります。
40代でキャリアチェンジを考えるなら、「業界も職種も経験もすべてゼロにする」のではなく、どこか一つにこれまでの経験との接点を残すと、自分の強みを説明しやすくなります。

職務経歴書は「担当業務」ではなく「変化」を書く
40代の職務経歴書で、私が特にもったいないと感じるのは、経験が豊富なのに仕事内容の羅列で終わってしまうことです。
「法人営業を担当」
「経理業務を担当」
「管理職として10人をマネジメント」
これだけでは、役割は分かっても「その人を採用したら何をしてくれそうか」までは見えません。
そこで、経験を次の順番で整理してみてください。
課題 → 自分の行動 → 工夫 → 結果 → 応募先での再現方法
例えば、「営業チームを管理した」なら、
「案件管理が担当者任せになっていたため、週次で進捗を共有する仕組みを導入。停滞案件を早めに把握できるようにし、チーム内の対応漏れを減らした」
というように、何を変えたのかまで書きます。
さらに応募先が「営業チームの管理体制を整えられる人」を求めているのであれば、「同じように案件進捗の可視化や業務標準化へ生かせる」とつなげられます。
成果を裏付ける数字があるなら使いましょう。ただし、数字が残っていない仕事まで無理に作る必要はありません。
数字がなければ、「作業時間が短縮した」「問い合わせの重複が減った」「新人が一人で対応できる範囲が増えた」など、確認できる変化を具体化します。
ここで重要なのは、華やかな成果を作ることではありません。
採用側が知りたいのは、目の前の課題に対して、その人がどう考えて動くのかです。
「自分の強み」が分からないなら任され続けた仕事を見る
「強みを書きましょう」と言われても、自分ではなかなか分からないですよね。
そんなとき、私は「周囲から何を繰り返し任されてきたか」を見る方法をおすすめしています。
難しい顧客対応があると呼ばれていた。新人が入ると教育を任されていた。部署の数字をまとめる役を任されていた。トラブルが起きると他部署との調整を頼まれていた。
本人にとっては「普通にやっていただけ」でも、何度も任されている仕事には理由があります。
40代になると、「大きなプロジェクトを成功させた」「売上を何千万円伸ばした」といった華やかな実績がないと転職できないように感じる方もいます。
でも採用側が知りたいのは、肩書の豪華さだけではありません。
入社後にどんな問題を任せられる人なのか。
この視点で職歴を整理すると、自分では気づいていなかった経験もアピール材料へ変わっていきます。
例えば「いつも新人教育を頼まれる」なら、単に面倒見がいいのではなく、業務を言語化して伝える力があるのかもしれません。
「トラブル対応を任される」なら、顧客との調整力、原因を整理する力、関係者を巻き込む力を評価されている可能性があります。
転職活動では、こうした「自分にとって普通になっている仕事」を掘り起こすことが大切です。
40代は応募先ごとに「使う経験」を選び直す
職歴が長くなるほど、すべてを書きたくなります。
けれども、20年分の経験をすべて同じ熱量で伝えると、本当に見てほしい強みが埋もれてしまうことがあります。
例えば管理職求人なら、部下の人数だけではなく、採用、教育、評価、目標管理、業務改善のどこを経験してきたのかを重点的に伝える。
専門職求人なら、マネジメント経験を前面に出しすぎず、専門知識や実務で解決してきた問題を中心にする。
私はこれを、40代転職に必要な「経験の編集」だと考えています。
経歴を削るという意味ではなく、相手が知りたい順番に並べ替えることです。
40代が働きながら転職活動する期間は?スケジュール例も紹介
40代が働きながら転職活動をするなら、「空いた時間に求人を見る」だけではなく、最初に大まかな期限を決めることが重要です。
dodaが2023年10月2日に更新した転職活動の解説では、活動開始から内定までの平均的な期間を2〜3カ月程度とし、目安として事前準備に約1週間半、書類作成から応募・書類通過まで約2週間、面接から内定まで4〜5週間という流れを紹介しています。
前述のエン・ジャパンの2018年調査でも、回答者の7割が転職活動を3カ月以内で終えたと回答しています。
ただし、どちらも40代の在職者だけを対象にした所要期間ではありません。
40代では担当業務や管理責任が重く、面接できる日が限られることもあります。希望職種、応募数、選考回数、退職交渉によって3カ月を超えることも十分あり得ます。
「3カ月以内に決まらなければ失敗」とは考えないでくださいね。
転職活動が長引いたときは、「年齢だから無理」とまとめるのではなく、どの段階で止まっているかを見るほうが改善につながります。
書類選考でほとんど通らないなら、求人との経験の一致度や職務経歴書を見直す。
一次面接までは進むのに落ちるなら、転職理由や実績の伝え方を確認する。
最終面接まで進むのに決まらないなら、志望理由や条件、入社後の役割認識にズレがないか整理する。
「転職活動がうまくいかない」を一つの問題にせず、選考段階ごとに原因を分けることが大切です。
在職中の転職活動は8週間を一つの区切りにしてみる
次は統計上の平均ではなく、私が働きながら活動する人におすすめしたい進行管理用のモデル例です。
時期 やること
1週目 転職理由、譲れない条件、妥協できる条件を整理
2週目 職歴・実績の棚卸し、履歴書・職務経歴書の土台作成
3週目 求人比較、応募先の優先順位づけ、応募開始
4〜5週目 書類選考を進めながら面接準備・企業研究
5〜7週目 一次・二次・最終面接を並行して進める
7〜8週目以降 条件確認、内定比較、入社意思決定、退職準備
8週間で必ず内定を取るという意味ではありません。
ポイントは、「求人を見る期間」と「応募する期間」を分けすぎないことです。
40代で在職中だと、求人を保存して安心し、職務経歴書を直し続けて1カ月、2カ月と応募しないまま時間が過ぎることがあります。
完璧な職務経歴書を作ってから始める必要はありません。
土台ができたら応募し、選考結果を見ながら修正するほうが、自分の経験がどの求人で評価されやすいのかも分かってきます。
転職市場は、実際に応募して初めて分かることもあります。
求人票では「経験を生かせそう」と思っても書類が通らないこともあれば、「少し条件から外れているかな」と感じた求人で面接へ進むこともあります。
だからこそ、準備だけで市場を想像し続けるより、小さく応募して反応を見ることも大切です。
1週間では「平日30分+休日2時間」程度から始める
忙しい40代の方に、「毎日2時間転職活動しましょう」と言っても続きません。
例えば、こんな配分でも構いません。
- 月曜日:求人を3〜5件確認する
- 火曜日:職務経歴書を30分だけ修正する
- 水曜日:応募企業を1社調べる
- 木曜日:面接で話す実績を一つ整理する
- 金曜日:何もしない予備日にする
- 土日のどちらか:2時間ほどまとめて応募・企業研究をする
大切なのは、毎日長時間やることではなく、「次に何をするか」が決まっている状態を作ることです。
仕事で疲れて帰ってきた夜に、ゼロから「今日は何をしよう」と考えるのはかなりしんどいんですよね。
私自身、激務の中で転職活動をしていたときは、考えるだけで疲れて手を止めてしまうことがありました。
だからこそ、今週は書類、来週は応募、と作業を小さく切る方法をおすすめします。
さらに、何もしない日を最初から入れておくことも大切です。
仕事、家庭、転職活動をすべて毎日100%で続けようとすると疲れてしまいます。
転職活動は短距離走ではありません。数週間から数カ月続く可能性を考え、最初から「続けられる量」にしてください。
応募は「経験・条件・将来性」の3軸で絞る
40代の在職中転職では、使える時間が限られています。
応募先は次の3軸で確認すると整理しやすくなります。
- 経験:今までの経験をどこまで生かせるか
- 条件:給与・勤務地・勤務時間など譲れない条件を満たすか
- 将来性:3年後、5年後も続けたい仕事か
「受かりそう」という理由だけで応募先を増やすと、面接準備に時間を取られ、本当に行きたい会社への対策が薄くなることがあります。
反対に、理想を高くしすぎて1社ずつしか受けないと、選考結果が出るたびに活動が止まってしまいます。
数だけで決めるのではなく、自分の時間を使う価値がある求人かを考えて応募しましょう。
私なら、この3軸にもう一つ「転職理由が解消されるか」を加えます。
今の会社を辞めたい原因が長時間労働なら、仕事内容や年収だけでなく勤務時間を見る。
人間関係そのものではなく、過度なトップダウンや評価制度に不満があるなら、組織体制や役割分担も確認する。
転職理由と求人を見る基準がつながっていないと、会社を変えても同じ悩みを抱える可能性があります。
応募数より「選考が同じ時期に進む状態」を意識する
複数企業を比較したい場合は、一社ずつ結果を待ってから次へ応募するより、ある程度並行して進めるほうが比較しやすくなります。
第一志望がまだ書類選考なのに、別企業から先に内定が出ると、十分比較できないまま回答期限を迎えることがあるからです。
もちろん企業ごとに選考スピードは違うので、完全にそろえることはできません。
それでも、応募時期をある程度まとめ、面接が始まった企業の志望度や選考段階を一覧にしておくと判断しやすくなります。
40代の転職では「何社応募したか」より、条件を比較できる状態を作れているかのほうが重要だと私は考えています。
働きながらの転職活動は会社にバレる?面接日程はどうする?
在職中の転職活動では、勤務先の端末やネットワーク、メールアドレスを使わず、個人の環境で活動するのが基本です。
転職活動をしていることと、会社の設備を転職活動へ使ってよいことは別なので、就業規則や情報管理ルールも確認しておきましょう。
そして「絶対に会社へ知られない方法」があるわけではありません。
大切なのは、勤務先の設備や業務時間を不用意に使わず、自分から知られる可能性を高める行動を減らすことです。
転職活動を職場で知られるきっかけを減らす
注意したい行動は次の通りです。
- 社用パソコンや社用スマートフォンで求人を見る
- 会社のメールアドレスを応募先との連絡に使う
- 履歴書や職務経歴書を社内端末へ保存する
- 同僚へ転職活動の話を広くする
- SNSへ選考状況や退職予定を書き込む
- 面接の日だけ極端に普段と違う服装になる
この中で、個人的に特に注意してほしいのは職場の人への相談です。
仲の良い同僚に聞いてほしくなる気持ちは分かります。
ただ、「誰にも言わないで」と頼んだ内容でも、別の人へ伝わる可能性はゼロではありません。
相談するのであれば、職場と直接つながりのない家族や友人、転職支援サービスなどを利用するほうが安心です。
また、会社の顧客情報、売上情報、社内資料などを応募書類へ持ち込まないことも重要です。
実績を説明するときは、自分の成果を具体化しつつ、勤務先の機密情報や顧客を特定できる情報を開示しないようにしてください。
40代になるほど扱っている情報の重要度が高くなっている場合があります。
転職活動の段階から情報管理を丁寧に行えることは、社会人としての信頼にもつながります。

面接は「平日に行けません」ではなく可能な時間を先に伝える
在職中の転職で難しいのが面接日程です。
特に40代になると、会議、顧客対応、部下のフォローなど、自分だけでは予定を動かしにくい仕事も増えてきます。
そこで選考が始まったら、
「平日は18時30分以降であれば調整しやすいです」
「火曜と木曜は比較的予定を調整できます」
「オンライン面接が可能であれば昼休み前後も相談できます」
というように、できない理由より、対応可能な候補を伝えるほうが話を進めやすくなります。
企業によって面接時間やオンライン対応の可否は異なりますので、希望通りになるとは限りません。
それでも、最初から「会社員だから無理」と諦めるより、調整できる範囲を伝えてみてください。
候補日を出すときは、一つだけではなく複数出すと調整しやすくなります。
例えば、「火曜18時30分以降、木曜19時以降、翌週月曜18時以降」のように提示すれば、採用担当者側も予定を合わせやすくなります。
一次面接はオンラインで調整できても、最終面接や役員面接では平日日中を求められることもあります。
そのため、有給休暇や半休をどの段階で使うか、あらかじめ考えておくと慌てにくくなります。
面接を1日に詰め込みすぎない
有給休暇を取った日に3社、4社と面接を入れたくなることもあるでしょう。
ただ、40代の面接では「これまで何をしてきたか」に加えて、「その経験を応募企業でどう使うか」まで説明する必要があります。
同じ回答をどの会社にも使い回すより、募集内容を読み、求められている役割へ自分の経験をつなげたほうが伝わります。
私は、忙しい方ほど面接数の上限を先に決めることをおすすめしています。
例えば「平日の面接は週2回程度まで」と決めておけば、企業研究と現職の両方が崩れにくくなります。
応募数を競う必要はありません。
働きながら続けられるペースを作ることも、立派な転職戦略です。
面接後には、求人票だけでは分からなかった情報を簡単に記録しておきましょう。
仕事内容、面接官の説明、残業や働き方、入社後に期待される役割、自分が感じた違和感などを残しておくと、内定が複数出たとき比較しやすくなります。
転職活動で有給を使うなら重要な選考へ優先的に回す
在職中だと、有給休暇を無制限に使えるわけではありません。
そのため、最初からすべての面接を全休で対応するより、オンライン、勤務時間外、半休などを組み合わせながら、重要な選考に休暇を残す方法もあります。
例えば、
- 求人検索・書類作成は勤務時間外
- 一次面接はオンラインや業務後を相談
- 二次面接は必要に応じて半休
- 最終面接は有給休暇を使って余裕を持つ
というように段階を分ける考え方です。
もちろん、勤務先や応募企業の事情によって実際に可能な方法は変わります。
大切なのは、面接が入るたびに場当たり的に悩むのではなく、どの段階なら何を使えるか事前に決めておくことです。
40代の転職面接と内定後はどうする?退職はいつ伝える?
40代の面接では、過去の肩書だけでなく、応募先で何ができるか、新しい環境へどう適応するかまで伝えることがポイントです。
内定後もすぐ退職届を出すのではなく、提示された労働条件を確認し、入社する意思が固まってから退職の手続きを進めましょう。
面接では「実績」より「再現方法」まで話す
「10年間マネージャーでした」
「営業を15年経験しています」
もちろん立派な経験です。
ただ、採用企業からすると、それだけでは自社でどう活躍するのか分かりません。
例えば、
「10年間、メンバー育成と案件管理を担当し、担当者ごとに管理方法が異なっていた業務を標準化してきました。御社の募集職種でも、チームの進捗管理や業務整理に生かせると考えています」
というように、過去→工夫→応募先の順番でつなぎます。
40代の転職支援で書類や面接内容を整理するとき、私がよく意識するのもここです。
「何年やったか」は経験の量ですが、「どんな課題をどう解決したか」は経験の質です。
同じ10年でも、後者まで言葉にできると採用側が入社後をイメージしやすくなります。
さらに、成功談だけでなく、変化への対応力も意識してみてください。
40代の採用では、豊富な経験が評価される一方、「前職のやり方へ固執しないか」「年下の上司や異なる文化へ適応できるか」を気にされる場合もあります。
だからこそ、「前の会社ではこうだったので、御社もこうすべきです」ではなく、「これまでの経験を生かしつつ、まず御社のやり方を理解したい」という柔軟さも大切です。
未経験職でも過去の経験をゼロ扱いしない
異業界や未経験職へ転職したい方もいるでしょう。
その場合、「経験がありませんが頑張ります」だけでは少し弱くなります。
例えば、
「業界知識については入社後も学ぶ必要があると認識しています。一方で、法人顧客との調整、チームの進捗管理、業務改善についてはこれまでの経験を生かせると考えています」
という伝え方なら、未経験部分と経験部分を切り分けられます。
40代の転職で重要なのは、未経験を隠すことではありません。
「知らない部分」と「すでに持ち込める能力」を自分で把握していることです。
柔軟に学べる姿勢も、過去の経験を押しつけず新しい会社へ適応する上では大切だと私は考えます。
未経験転職では、「なぜ今その仕事なのか」も説明できるようにしておきましょう。
今の仕事が嫌だから、だけではなく、これまでの経験のどこから次の仕事へ関心がつながったのかを説明できると、キャリアチェンジの納得感が高まります。
内定後は年収だけでなく労働条件を確認する
内定をもらうと、「ようやく転職活動が終わる」と安心します。
でも、ここで確認を急がないでください。
特に見ておきたいのは、
- 仕事内容と担当範囲
- 役職・責任
- 基本給や手当、賞与などの条件
- 勤務地と転勤の可能性
- 勤務時間・休日
- 入社予定日
- 試用期間中の条件
- 評価制度
- 入社後に期待される役割
です。
面接で聞いていた内容と、実際に提示された条件にズレがないか確認しましょう。
dodaの転職解説でも、内定承諾前に労働条件通知書などを確認し、不明点を解消することの重要性が説明されています。
40代では、給与だけでなく「どこまでの責任を期待されているのか」を私は特に確認してほしいと思います。
管理職採用だと思って入ったら、想定していた権限や役割と違った。
専門職として入るつもりだったのに、実際にはマネジメント中心だった。
そんなズレを少しでも減らすためにも、内定はゴールではなく最終確認の段階だと考えましょう。
さらに、今の会社と比べるときは「年収だけ」を横に並べないことも大切です。
例えば年収が少し高くても、通勤時間が大きく延びる、休日が減る、役割が重くなるのであれば、生活全体では負担が増える可能性があります。
反対に年収がほぼ同じでも、働く時間、裁量、仕事内容、将来得られる経験が改善するなら、転職する価値を感じる人もいるでしょう。
自分にとっての優先順位で判断してください。
内定の回答は長く待ってもらえるとは限らない
dodaが2024年12月25日に公開した「初めての転職準備」の解説では、内定承諾の回答期間は長くても1週間以内とし、2〜3日以内の回答を求められる場合もあると説明しています。
もちろん、すべての企業が同じ期限ではありません。
実際の回答期限は企業から提示された日付を確認してください。
複数社を比較したい場合は、内定後になってから考えるのではなく、応募段階から選考時期をそろえる意識を持っておくと動きやすくなります。
第一志望がまだ書類選考なのに、第二志望から「3日以内に回答してください」と内定が出ると、比較する時間を取りにくくなります。
志望度の高い企業については、最終面接の時期をある程度近づけられないか調整してみましょう。
また、回答期限について相談したい場合は、放置せず早めに採用担当者へ伝えることが大切です。
必ず延長してもらえるとは限りませんが、理由と希望日を伝えれば相談できるケースもあります。
現在の会社へ退職を伝えるのはいつ?
基本的には、内定先の条件を確認し、自分の入社意思が固まってから現在の会社へ退職を申し出る流れを考えると安心です。
「内定が出た」という連絡だけで慌てて退職を伝え、あとから労働条件を確認したら希望と違っていた、という状況は避けたいですよね。
退職を申し出る時期や手続きは、勤務先の就業規則や雇用形態、引き継ぎに必要な期間によって変わります。
まず自社のルールを確認し、内定先の入社希望日と調整してください。
40代の場合は、顧客、部下、後輩、プロジェクトなど引き継ぐ対象が多い人もいます。
転職先だけを見るのではなく、内定→条件確認→承諾→退職申し出→引き継ぎ→入社までを一つのスケジュールとして考えておくと慌てにくくなります。
引き継ぎでは、自分にしか分からない仕事を残さないことも大切です。
担当業務、関係者、進行中の案件、注意点、期限などを整理しておけば、退職までの時間を有効に使えます。
最後まで丁寧に仕事をすることは、今の会社のためだけではありません。
自分自身が気持ちよく次の職場へ移るためにも役立ちます。
考察|40代が働きながら転職活動する本当の意味とは?
ここまでのデータと実務上の進め方を踏まえると、私が40代の転職で重要だと考えるのは、年齢を気にし続けることではありません。
「自分の経験は次の会社で何に使えるのか」と「今の会社から移る価値が本当にあるのか」を判断することです。
40代になると、職歴は長くなります。
だからこそ「営業15年」「管理職8年」「経理12年」という年数だけでは、その人の強みが埋もれてしまいます。
採用する側が知りたいのは、何年会社にいたかだけではなく、問題が起きたときにどう動く人なのか、周囲をどう動かせるのか、新しい会社でもその経験を使えるのかという部分です。
私は40代の転職で、これまでの職歴を全部見せようとする必要はないと思っています。
むしろ、応募先が求めているものに合わせて必要な経験を選び直す。
これが「経験の編集」です。
40代の強みは、単純な経験年数ではありません。
顧客との折衝、トラブル対応、後輩育成、数字の管理、他部署との調整、業務改善など、長く働いたからこそ複数の問題へ対応してきた人も多いはずです。
それらを「いろいろやりました」で終わらせず、応募企業が抱えている課題と結びつける。
私は、ここに40代転職の勝ち筋があると考えています。
そして、働きながら転職活動をするからこそ、もう一つできることがあります。
今の会社と、外の会社を比較することです。
年収はどうか。
勤務時間はどうか。
仕事内容はどうか。
責任範囲はどうか。
通勤はどうか。
数年後に身につく経験はどうか。
そして何より、最初に転職したいと思った原因は、本当に次の会社で解消されるのか。
ここを確認してほしいんです。
「内定をもらえたから転職する」と「今より納得できる働き方だから転職する」は、同じ転職でも意味がかなり違います。
転職活動の途中で、「求人を比較したら今の会社の良さにも気づいた」ということもあります。
それなら、いったん残る選択をしてもいいんです。
反対に、外の会社を調べたことで「やっぱり今の環境は変えたほうがいい」と確信できることもあります。
それも大きな収穫です。
私が考える40代の転職活動の成功は、単に内定通知を一枚手に入れることではありません。
自分の経験と市場の選択肢を知った上で、残るか移るかを自分で選べる状態になることです。
ここは、20代の転職とは少し違う視点が必要だと感じています。
40代では、給与や肩書だけでなく、家族との時間、今後のキャリア、健康的に続けられる働き方、将来どんな仕事を任されたいかまで判断材料になる人が増えます。
だからこそ、求人票を見て「年収が上がる」「有名企業だから」と一つの条件だけで判断せず、自分の生活全体で考えることが重要です。
また、転職活動が長引いたときに「40代だから仕方ない」で終わらせないことも大切です。
書類で止まっているなら、経験の見せ方を変える。
面接で止まっているなら、応募先での再現性を伝え直す。
そもそも求人が少ないなら、職種だけでなく業界や企業規模、近接職種まで範囲を見直す。
年齢そのものは変えられませんが、応募戦略は変えられます。
個人的には、40代の働きながらの転職活動は「会社を辞めるための活動」というより、自分のキャリアを社外の基準で点検する活動でもあると考えています。
今の会社では当たり前だったスキルが、別の会社では高く評価されるかもしれない。
逆に、自分では強みだと思っていた経験が、応募市場ではそれほど差別化にならないこともあります。
実際に求人を読み、応募し、面接を受けることで、自分の経験が外の会社からどう見えるか分かってきます。
これは、最終的に転職しなかったとしても無駄にはなりません。
自分の市場での立ち位置を知り、今の職場で身につけるべき経験を考える材料にもなるからです。
年齢は変えられません。
でも、経験の見せ方、応募する求人、準備の仕方、会社を比較する基準は変えられます。
不安になったときほど、「もう40代だから」と大きなくくりで自分を評価するのではなく、「この求人に対して、自分のどの経験が使えるか」という小さな問いへ戻ってみてくださいね。
まとめ|40代の転職活動は働きながら計画的に進めよう
40代の転職活動は、すぐに退職しなければならない事情がないなら、まず働きながら始める方法を検討するのが現実的です。
エン・ジャパンが2018年11月8日に公表した10,663人対象の『エン転職』調査では86%が在職中に転職活動をすると回答し、dodaの2023年4月〜2024年3月のデータから抽出した40歳女性でも78.1%が現職中に活動を開始していました。
ただし、後者は40歳女性のデータであり、40代男女全体の割合ではありません。
また、2024年のdoda転職成功者に占める40歳以上の割合は16.6%でしたが、これは40代の「成功率」ではなく、転職者全体に占める構成比です。
数字を必要以上に楽観視する必要も、悲観する必要もありません。
40代の転職で大切なのは、経験を応募先で再現できる形に整理し、無理のない期間とペースを決め、内定後まで現職との比較を続けることです。
まずは今週、転職理由と「次の会社では変えたいこと」を書き出してみてください。
その次に、自分が何を任されてきたのかを振り返り、求人を数件見てみる。
さらに、その求人に対して「自分ならどの経験を使えるか」を一つずつ考えてみましょう。
それだけでも、漠然とした「40代で転職できるだろうか」という不安が、「この求人に何を伝えればいいか」という具体的な課題へ変わっていきます。
転職するかどうかを今日決めなくても大丈夫です。
求人を見ることも、職務経歴書を書くことも、面接を受けることも、「今の会社を辞める」と決めることとは別です。
外の選択肢を知った上で、数年後の自分が納得できる働き方を選んでくださいね。
よくある質問
40代が働きながら転職活動する期間は何カ月くらいですか?
一律ではありませんが、dodaの2023年10月2日更新記事では、活動開始から内定まで平均2〜3カ月程度を一つの目安として紹介しています。
ただし40代の在職者だけを対象にした平均ではなく、仕事の忙しさ、応募数、選考回数、希望条件によって期間は変わります。3カ月を超えたからといって失敗と考える必要はありません。
長引いた場合は、「40代だから」と考えるより、書類選考、一次面接、最終面接など、どの段階で止まっているかを確認すると改善点を見つけやすくなります。
40代の転職では未経験職を避けたほうがいいですか?
必ず避ける必要はありません。
ただし、「未経験ですがやりたい」だけではなく、顧客対応、数値管理、マネジメント、育成、業務改善、プロジェクト管理など、これまで培った能力のうち何を新しい仕事へ持ち込めるのかを説明できるようにしておきましょう。
完全にゼロから考えるのではなく、これまでの業界や職種との「接点」を一つ残せないか考えることも有効です。
内定が出たらいつ現在の会社へ退職を伝えればいいですか?
まず提示された仕事内容、給与、勤務条件、役割、入社日などを確認し、入社する意思を固めてから退職を申し出る流れを考えると安心です。
退職申し出の時期や必要な手続きは勤務先の就業規則や雇用形態によって異なるため、自社ルールを確認し、転職先の入社予定日と調整してください。
40代では引き継ぐ業務や顧客、部下、プロジェクトが多い場合もあるため、内定後だけでなく退職・引き継ぎまで含めたスケジュールを想定しておきましょう。
執筆:夏目結衣(若手専門転職アドバイザー)


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