働きながらの転職活動に疲れたら、応募数を増やすより、休む・絞る・まとめることで判断回数を減らすことが先です。
仕事と転職活動を両立できないほどしんどいときは、無理にペースを上げるのではなく、いったん活動の設計そのものを見直してみましょう。
こんにちは!転職アドバイザーの夏目結衣です。毎日遅くまでの残業や、しんどい人間関係…本当にお疲れ様です。私もかつて「このままでいいのかな」と悩みながら、限界まで無理をして働いていた時期があるので、そのモヤモヤ痛いほどわかります。このブログでは、キレイごと抜きのリアルな葛藤や、エージェント業界のぶっちゃけ話も交えながら、あなたが自分らしい働き方を見つけるためのヒントを親身にお届けしますね!
今回お伝えしたいのは、働きながら転職活動をしていて「もう疲れた」「仕事だけで精いっぱい」「面接まで手が回らない」「少し休みたい」と感じたときの具体的な負担の減らし方です。
私が特に大切だと考えているのは、単に転職活動へ使う時間を短くすることではありません。
求人を探す、応募する、日程を決める、条件を比べる、面接を受けるといった小さな判断を減らし、疲れている日でも続けやすい形へ変えることです。
「転職活動を休んだら遅れるのでは」「みんな何十社も受けているのに、自分だけ止まっていいの?」と焦る人もいると思います。
でも、疲れ切った状態で活動量だけを増やすと、求人の比較や面接準備が雑になり、本来避けたかった職場を再び選んでしまうこともあります。
この記事では、働きながらの転職活動がなぜ疲れるのか、具体的にどう負担を減らすのか、在職中のまま続けるか退職後に探すかの考え方まで、順番に整理します。
働きながらの転職活動はなぜ疲れる?仕事以外の「判断」が増えるから
働きながらの転職活動がしんどくなりやすい最大の理由は、本業が終わったあとに、もう一つの仕事のような作業が始まるからです。
転職活動と聞くと「求人を見る」「面接を受ける」といった目立つ作業を想像しがちですが、実際にはそれだけではありません。
自己分析、履歴書・職務経歴書の作成、企業研究、求人検索、応募、メール返信、面接日程の調整、面接対策、選考結果の振り返り、条件比較まで発生します。
しかも、これらの多くは「やれば終わる作業」ではなく、毎回何かを決めなければならない作業です。
「この求人に応募するか」「希望年収をどうするか」「面接日はどこを空けるか」「この会社を第一志望にするか」と、一つひとつは小さくても判断が積み重なります。
Re就活編集部が2025年9月26日に公開し、同年10月24日に最終更新した記事では、20代が転職活動に疲れる主な原因として、「不採用が続く」「理由が分からない」「周囲と比較する」「転職の軸が定まらない」「現職との両立で時間がない」といった要因が挙げられています。
働きながらの転職では、この中でも現職との両立による時間と気力の不足が特に重くなります。
朝から仕事をして、残業や通勤を終え、そのあと求人を比較する。休日には履歴書の修正や面接対策をする。
これでは、本来なら睡眠、趣味、家事、家族との時間などに使うはずだった余白まで、転職活動に置き換わりやすくなります。
私自身も転職活動をしていた頃、仕事で消耗した夜に「今日は求人を見る」と決めていても、パソコンを開く気力すら残らない日がありました。
「30分だけやればいい」と頭では分かっていても、その30分を始めるための力が残っていないんですよね。
特に残業や職場の人間関係が転職理由になっている人は、使える時間より先に考える力そのものが尽きてしまうことがあります。
在職中の転職活動は珍しくない
「仕事をしながら転職活動できない自分は要領が悪いのかな」と落ち込む必要はありません。
マイナビ転職が転職活動経験者774人を対象に2025年5月20日〜26日に行った調査では、74.8%が「在職中に転職活動をしたことがある」と回答しています。
一方、エン・ジャパンが2018年9月26日〜10月28日に「エン転職」利用者10,663人へ行った調査では、86%が「在職中に転職活動を行なう」と回答しました。
ただし、この2つは調査時期も対象も質問内容も違います。
マイナビ転職の74.8%は「経験」、エン・ジャパンの86%は「意向」なので、数字を直接比べて増減を判断することはできません。
ここから言えるのは、働きながら転職先を探すこと自体は珍しくない一方、それが簡単だという意味ではないということです。
周囲も在職中に動いていると知ると、「自分も同じように毎日頑張らなければ」と感じるかもしれません。
ですが、同じ「在職中」でも、残業時間、通勤時間、仕事内容、家事や育児の有無、休日の取りやすさは人によって違います。
他の人の活動量を、そのまま自分の基準にする必要はありません。
面接調整も見えにくい負担になる
企業から面接候補日が届けば、現職の会議予定、有給休暇や半休、移動時間、オンライン面接を受ける場所まで考える必要があります。
エン・ジャパンの2018年調査では、平日の休みを1カ月前に申請する必要があり、面接日を合わせられず企業から連絡が来なくなったという34歳女性の回答も掲載されています。
面接が1回なら何とか調整できても、複数社の一次面接、二次面接、最終面接が重なると負担は急激に大きくなります。
さらに、日程を調整したあとにも、「この日は早く帰れるか」「会社の人に転職活動だと気づかれないか」「オンライン面接を受けられる静かな場所はあるか」といった悩みが生まれます。
つまり転職活動では、「履歴書を書く」「面接を受ける」といった大きな作業だけでなく、いつやるか、何を優先するかを決め続けることも負担になります。
ここは出典データそのものというより、転職支援をする立場からの私の解釈です。
疲れている人ほど、時間管理だけでなく判断管理まで意識したほうが続けやすいと考えています。
「時間がない」より「気力が残っていない」場合もある
転職活動が進まないと、「もっと早起きしよう」「通勤中にも求人を見よう」「休日を全部使おう」と時間を増やそうとしがちです。
ただ、カレンダー上では1時間空いていても、その1時間に求人を比較する集中力が残っているとは限りません。
たとえば仕事でトラブル対応が続いた日と、定時で落ち着いて帰れた日では、同じ夜21時でも使える気力はまったく違います。
そのため、転職活動の計画では「何時間空いているか」だけではなく、その時間にどれくらい頭を使えるかまで考えたほうが現実的です。
私はこれを、時間ではなく「判断できる余力」で予定を組む考え方だと思っています。
書類の誤字チェックのような軽い作業は平日夜、企業比較や面接準備のような重い作業は休日午前など、作業の重さを分けるだけでも負担は変わります。
働きながらの転職活動に疲れたとき、負担を減らす5つの方法
働きながらの転職活動が辛いときは、さらに効率よく頑張るより、活動量そのものを一段落とすことから始めてください。
「疲れた=転職を諦める」ではありません。
むしろ一度ペースを調整したほうが、長期的には求人選びや面接準備の質を保ちやすくなります。
おすすめしたいのは次の5つです。
- 1週間など期限を決めて、いったん転職活動を休む
- 求人を見る日・応募書類を作る日を固定する
- 同時進行する企業を2〜3社程度まで絞る
- 面接日や面接時間帯をできるだけまとめる
- 自分だけで決めず、家族・友人・転職支援者へ相談する
ポイントは、全部を一気に実行しなくてもいいことです。
「今週は求人検索だけ止める」「応募企業を5社から2社に減らす」といった一つの変更でも構いません。
1. 1週間など期限を決めて転職活動を休む
Re就活では、疲れたときの対処法として、1週間など休止期間を決め、転職サイトや企業からの連絡から一時的に距離を置く方法が紹介されています。
求人を見ないと「その間に良い求人がなくなるかも」と不安になるかもしれません。
ただ、疲れ切った状態で毎日求人を開いても、「応募する?しない?」「この会社のほうがいい?」という新しい迷いが増えるだけになる場合があります。
私なら、「今週の日曜日までは新しい求人を探さない。来週の日曜日の午前中に30分だけ再開する」というように、休む期限と再開日をセットにします。
再開日を決めれば、「転職活動を投げ出した」のではなく、「計画的に休んでいる」と整理しやすくなるからです。
すでに応募済みの企業から連絡が来る可能性があるなら、「新規応募だけ休む」「メール確認は1日1回だけ行う」と分けても構いません。
完全にゼロか100かで考えず、いま最も負担になっている部分だけ止める方法もあります。
疲れているときに大切なのは、「休んだ日数」より休んでいる間に新しい判断を増やさないことです。
2. 「毎日少しずつ」ではなく活動日を固定する
疲れている人にとって、「毎日30分だけ転職活動をする」というルールは意外と重いものです。
毎晩「今日は何をする?」「求人を見る?」「職務経歴書を直す?」と考えること自体が負担になるからです。
たとえば、火曜日は求人を見る、木曜日は応募書類を直す、土曜日の午前中は面接対策、日曜日は何もしない、と先に決めてしまいます。
私はこれを「判断の前払い」だと考えています。
元気なときにルールを決めておけば、疲れている平日の夜に毎回ゼロから予定を考えなくて済みます。
たとえば次のような1週間でも十分です。
- 月曜日:転職活動をしない
- 火曜日:求人を見るだけ
- 水曜日:転職活動をしない
- 木曜日:応募書類の修正や返信だけ
- 金曜日:転職活動をしない
- 土曜日:企業研究・面接対策
- 日曜日:30分だけ翌週の予定整理、その後は休む
もちろん、曜日は仕事の繁忙日に合わせて変えて構いません。
重要なのは、空いている時間を全部転職活動へ使わないことです。
むしろ疲れが強い時期ほど、「転職活動をしない日」を先に確保するほうが続けやすいでしょう。
また、活動日の中でも「求人検索は30分まで」と時間を区切る方法があります。
転職サイトは次々と新しい求人が表示されるため、終了条件を決めないと1時間、2時間と見続けてしまいがちです。
時間ではなく「求人を10件見たら終了」「候補を3件保存したら終了」と、作業量で区切ってもいいでしょう。
3. 同時進行する企業を2〜3社程度に絞る
不採用が続くと、「応募数が足りないのでは」と焦ってしまいますよね。
dodaが2025年4月〜2026年3月にエージェントサービスを利用して内定を得た人を集計したデータでは、平均応募数は31.9社でした。
また、94.9%が2社以上、66.4%が11社以上へ応募しています。
同じデータをもとに、1社以上の内定を得るための目安として「27社応募→5社面接→1社内定」という試算も示されています。
ただし、これはdodaエージェントサービスを利用して内定を得た人の集計です。
「転職するなら必ず31.9社応募しなければならない」という数字ではありません。
むしろ疲れているときに私が重視したいのは、累計応募数より同時に管理する企業数です。
たとえば10社へ一気に応募すると、企業研究、メール返信、書類修正、面接調整が同じ週に重なる可能性があります。
書類が一斉に通れば、「うれしいけれど面接日程が組めない」という状態になることもあります。
そこで疲労が強い相談者には、私はまず「今週きちんと調べて対応する企業は2〜3社程度」を一つの目安として考えるよう勧めます。
もちろん2〜3社が全員の正解ではありません。
余裕があれば増やして構いませんし、繁忙期なら1社でも十分です。
大切なのは、「応募できる数」ではなく準備の質を落とさず扱える数で決めることです。
希望条件も同様です。
私ならまず、「残業時間」「勤務地」「仕事内容」など、転職理由に直結する条件を2〜3項目だけ最優先条件として固定します。
給与、休日、福利厚生、社風、知名度、働き方など全部を同じ重さで比較すると、求人を見るたび判断項目が増えるからです。
たとえば「年収は上がるけれど通勤時間は長くなる」「仕事内容は理想だけれど年間休日が少ない」という求人が出てくるたび、頭の中で条件を一から比較することになります。
そこで条件を次の3段階に分けると整理しやすくなります。
- 絶対に譲れない条件
- できれば満たしたい条件
- あればうれしい条件
「今の職場で一番つらいこと」を基準に、まず絶対に譲れない条件を決めるのがおすすめです。
残業が転職理由なら残業や勤務時間、人間関係や組織体制への不満が強いなら配属人数や上司との関係性、仕事内容への不満なら実際の担当業務を優先して確認します。

4. 面接日・時間帯をできるだけまとめる
面接が月曜、水曜、金曜と散らばれば、そのたびに現職との予定調整が必要です。
企業側が対応できる範囲には違いがありますが、「火曜なら18時以降」「金曜なら午後」「土曜なら終日」のように、最初から複数候補をまとめて伝えると調整しやすくなります。
候補日を一つだけ伝えるより、2〜3候補を出したほうが企業側も選びやすく、メールの往復回数を減らせることがあります。
半休や有給休暇を使える場合は、同じ日に複数の面接を集める方法もあります。
たとえば午後半休を取り、13時と16時にオンライン面接を入れられれば、別々の日に2回予定を調整するより負担が小さくなる場合があります。
オンライン面接が可能なら、移動時間を減らせるケースもあります。
ただし、同日に詰め込みすぎると、前の面接を振り返る時間がなくなったり、予定が押した場合に次の面接へ影響したりすることもあります。
「まとめる=限界まで詰める」ではありません。
ここは「全員にとって必ず楽になる」と断定できるものではありません。
ただ、筆者としては、面接そのものより前後の予定調整で消耗している人ほど、面接日をまとめる効果を感じやすいと考えています。
また、働きながら転職活動をしていることを企業側が理解しているケースもあります。
平日日中が難しい場合は、最初から無理だと決めつけず、早朝、夕方以降、オンライン、別日程などの対応が可能か相談してみる価値はあります。
企業によって対応可否は違うため、希望を伝えたうえで調整できる範囲を確認しましょう。
5. 自分だけで全部決めない
Re就活では、家族や友人など信頼できる人へ相談することや、必要に応じて転職エージェントへ相談することも対処法として紹介されています。
相談する目的は、求人を紹介してもらうことだけではありません。
「この求人を受けるべきか」「今の経験が強みになるのか」「退職理由をどう整理すればいいのか」という迷いを、一人で延々と考えなくて済むことにも意味があります。
家族や友人には、自分では当たり前だと思っていた強みを指摘してもらえることもあります。
一方、仕事内容や選考対策など専門的な相談は、転職支援サービスなど第三者を頼る方法があります。
転職エージェントでは、サービスによって求人紹介だけでなく、応募書類の添削、面接対策、企業との日程調整などを行っています。
もちろん最終的に転職するか、どの会社へ入るかを決めるのは自分です。
それでも、自分でしかできない判断と、他人に手伝ってもらえる作業を分けることで負担は減らせます。
たとえば、「どんな働き方をしたいか」は自分で決める必要がありますが、面接候補日の企業への連絡や、職務経歴書の第三者チェックまで全部一人で抱える必要はありません。
相談したからといって、相手の意見に従わなければならないわけでもありません。
「自分の頭の中だけで考え続ける状態から一度外へ出す」こと自体に意味があります。
転職活動に疲れた日の「最低限」を決めておく
疲れていると、予定どおりできなかったことに罪悪感を持ってしまう人もいます。
そんなときは、調子が悪い日にやる「最低限」をあらかじめ決めておくのも一つの方法です。
たとえば、今日は企業からの重要なメールだけ確認する、面接予定だけカレンダーへ入れる、それ以外はやらない、と決めます。
転職活動を0点か100点で評価しないための工夫です。
本来は3つやる予定だった日に1つしかできなくても、その1つが必要な連絡なら十分進んでいます。
私は、疲れている時期ほど「今日は何をするか」だけでなく「今日は何をしなくていいか」も決めることが大切だと考えています。
働きながら続ける?辞めてから転職活動する?判断基準は?
基本的には、給与収入を維持しながら転職先を探せる在職中の活動にはメリットがあります。
一方で、負担を下げても両立できないほど消耗しているなら、「在職中で続けること」にこだわりすぎる必要はありません。
ただ、「疲れたから今日辞める」と、「準備したうえで退職後の転職活動へ切り替える」はまったく別です。
判断しやすいように整理すると、私は次のように考えます。
判断項目 働きながら転職活動 辞めてから転職活動
給与収入 維持しやすい 原則途切れる
活動時間 限られる 確保しやすい
面接調整 現職との調整が必要 柔軟にしやすい
職歴の空白 生じにくい 生じる可能性がある
主な負担 仕事との両立 生活費や長期化への不安
現職へ残る選択 残せる 退職後は戻りにくい
在職中で続けやすい目安は、活動日を減らせば睡眠や休息を確保できる、応募数を絞れば仕事への大きな支障が出ない、数カ月かかっても収入を維持したい、といった場合です。
反対に、活動量を落としても両立が難しい、面接調整がほとんどできない、現職を続けながらでは転職先を冷静に比較する余力が残らない場合は、退職後の活動も検討材料になります。
ただし、疲れた勢いだけで退職するのはおすすめしません。
辞めてから探す場合は、生活費、家賃、通信費、保険、ローンなどの固定費を整理し、転職活動が長引いた場合でも生活できるかを確認することが重要です。
「3カ月で決まる前提」で資金を計算するのではなく、予定より長引く可能性も含めて考えておいたほうが安心です。
転職活動は何カ月くらいかかる?
転職期間については、リクルートエージェントでは、同サービスに登録して転職先が決まった人のうち73.23%が登録から90日以内に決定したとしています。
エン・ジャパンの2018年調査でも、転職経験者の実際の活動期間は3カ月以内が約7割で、20代では「1カ月以内」が29%、「1〜3カ月」が53%でした。
ただし、いずれも利用者層や調査条件があります。
「自分も必ず3カ月以内で決まる」と考える数字ではなく、数週間で決まらなくても特別遅いわけではないと焦りを減らすための参考値として捉えるのがよいでしょう。
職種、経験、希望勤務地、年収条件、応募できる時間、選考スピードによって期間は変わります。
とくに働きながらの場合は面接可能日が限られるため、書類通過から次の面接まで1〜2週間空くこともあります。
転職活動が長引いているからといって、ただちにやり方が間違っているとは限りません。
「辞める・辞めない」の二択にする前に試したい順番
私がおすすめする順番は、いきなり「辞める・辞めない」の二択にすることではありません。
まず1週間程度休み、次に活動日と応募数を減らし、面接をまとめ、それでも両立が難しいかを確認する。
そのうえで退職後の生活費まで整理してから考えるほうが、疲れた状態で大きな決断をするリスクを下げられます。
具体的には、次の順番です。
- 新規応募を数日〜1週間止める
- 転職活動をする曜日を限定する
- 同時進行の企業を減らす
- 優先条件を2〜3個に絞る
- 面接可能日をまとめる
- 第三者へ相談する
- それでも両立が難しければ、退職後の生活費と活動計画を整理する
一段階ずつ試すことで、「本当に退職しなければ転職活動できないのか」「単に応募しすぎていただけなのか」を切り分けやすくなります。
在職中の転職活動には、「内定が出なければ今の会社に残れる」という選択肢があります。
その安全網を手放す前に、活動の運用方法を変えて改善できないか確認する価値はあります。

考察|転職活動に疲れたら「行動量」より「判断量」を減らす
ここからは、若手の転職相談に向き合う私自身の考察です。
働きながらの転職活動で注意したいのは、疲れることそのものよりも、疲れによって転職先を選ぶ判断まで雑になることだと考えています。
仕事で疲れる。
求人を十分に比較できなくなる。
不安から応募数を増やす。
企業研究や面接準備が薄くなる。
選考結果が思うように出ず、さらに焦る。
この流れに入ると、「もっと行動しなければ」と応募を増やすほど、かえって管理するものが増えてしまいます。
そこで私は、転職活動にも「判断予算」があると考えるようにしています。
一日に使える集中力や決断力は無限ではありません。
本業ですでに多くの判断をしているなら、転職活動では意識的に判断項目を減らしたほうがいいのです。
求人を見る曜日を決めれば、「今夜やるか」を考えなくて済む。
優先条件を3つ決めれば、すべての条件を一から比較しなくて済む。
同時進行を2〜3社に絞れば、メールや面接準備の対象も整理しやすくなる。
面接可能な曜日を固定すれば、企業ごとに現職の予定を組み直す回数も減ります。
これは転職活動をサボることではありません。
私は、転職活動を根性勝負から運用の問題へ変える工夫だと考えています。
疲労の原因を「時間・作業・感情」の3つに分けてみる
ここでもう一つ、転職支援をしている立場から加えたい視点があります。
「転職活動に疲れた」と一言でいっても、実際の原因は人によって違います。
私は、まず次の3つに分けて考えると対策を選びやすいと思っています。
- 時間の疲れ:仕事と面接予定が重なり、休む時間がない
- 作業の疲れ:求人検索や応募書類の修正など、やることが多すぎる
- 感情の疲れ:不採用や比較によって自信を失い、活動そのものが怖くなる
時間の疲れなら、活動日や面接日をまとめる。
作業の疲れなら、応募先や確認する求人を減らす。
感情の疲れなら、数日休んだり、第三者へ相談したり、結果ではなく改善できる部分だけを見る。
同じ「疲れた」という状態でも、原因に合わない対策をしていると改善しません。
たとえば、不採用が続いて落ち込んでいる人に「もっと効率化して毎日10社求人を見よう」と勧めても、負担は大きくなるだけです。
逆に、面接予定が多すぎるだけなら、転職活動そのものを長期間止める必要はなく、予定の組み方を変えるだけで楽になるかもしれません。
この疲れの正体を分けて考えることは、単に「休むか頑張るか」の二択から抜け出すために役立つと私は考えています。
不採用が続いたら応募数より「止まる場所」を見る
dodaのデータが示すように、内定を得た人でも複数企業へ応募しているケースは珍しくありません。
そのため、1社や2社の不採用だけで「自分は転職できない」と判断する必要はありません。
疲れている人ほどおすすめしたいのは、応募数を増やす前に、選考がどこで止まったかだけを簡単に記録する方法です。
「書類通過」「一次面接で終了」「退職理由を深掘りされた」「仕事内容の質問には答えられた」といった一言で十分です。
数社分を見返し、「書類は通るが面接で止まる」「特定職種だけ書類が通らない」と分かれば、改善する場所を限定できます。
たとえば書類で止まるなら、職務経歴書の内容や応募職種との接続を見直す。
一次面接で止まるなら、転職理由、志望動機、経験の伝え方を重点的に見直す。
最終面接まで進むなら、応募先の方向性そのものは大きく外れていない可能性もあります。
反対に、原因が分からないまま応募先だけ増やすと、同じ準備を繰り返してさらに疲れることがあります。
採用結果には、経験、募集ポジションとの適合、入社可能時期、待遇条件、他の応募者との比較などさまざまな要因があります。
だからこそ、一つの不採用結果と、自分自身の価値を同じものとして扱わないことも大切です。
企業が募集している一つのポジションに、その時点の条件が合わなかったことと、「社会人として価値がない」という話はまったく別です。
転職活動のゴールは「最短で内定を取ること」ではない
疲れてくると、「もうどこでもいいから早く決めたい」と思う瞬間があります。
私自身も転職活動で消耗していたとき、「この会社で終わりにしてしまおうかな」と考えた経験があります。
でも、転職活動の目的は内定通知を集めることではありません。
残業が理由で辞めたいなら、次の会社でも同じ長時間労働にならないか。
人間関係が辛かったなら、配属先の人数やマネジメントの仕組みを確認できているか。
仕事内容を変えたいなら、求人票の職種名だけでなく実際の担当業務まで理解できているか。
こうした確認までして初めて、今の悩みを繰り返しにくい転職に近づきます。
疲れているときほど、「早く終わらせたい」が判断基準の一番上に来やすくなります。
ですが、「早く転職できる会社」と「今より納得して働ける会社」は同じとは限りません。
その意味では、数日休むことも、応募企業を減らすことも、私は転職活動の質を守るための戦略だと考えています。
在職中なら、「今の会社へ残る」という選択肢もまだ消えていません。
他社を見ることで、「仕事内容は今の会社のほうが合っていた」「異動で解決できるかもしれない」と気づくこともあれば、「やはり今の環境を変えたい」と意思が固まることもあります。
転職活動を始めたからといって、必ず転職しなければならないわけではありません。
今の職場と外の選択肢を比べ、自分がどう働きたいかを確認する時間と捉えてもいいんです。
「休む=遅れる」ではなく、判断精度を戻す時間と考える
個人的には、転職活動で一番避けたいのは、数日休むことではありません。
疲れすぎて判断が雑になり、「今よりマシならどこでもいい」と十分に確認しないまま次の会社を決めてしまうことです。
求人検索を1週間休んでも、その後に冷静な状態で企業を選べるなら、その休息には意味があります。
逆に、毎日求人を開いていても、内容をほとんど覚えておらず、条件を比較できていないなら、活動している時間の長さだけでは前進度を測れません。
転職活動では「何時間やったか」より、必要な場面で冷静に選べたかのほうが重要です。
仕事でも疲れている日に大きな判断を避けることがありますよね。
転職先を決めることも、今後の働き方に関わる大きな判断です。
「少し休んでから決める」は、後退ではなく判断精度を戻すための工程として考えていいと私は思います。
まとめ|働きながらの転職活動に疲れたら「判断する回数」を減らそう
働きながらの転職活動に疲れた、しんどい、辛いと感じたら、まず応募数を増やす前に負担を下げてください。
マイナビ転職の2025年調査では、転職活動経験者774人の74.8%が在職中の転職活動を経験していました。
多くの人が働きながら転職活動をしていても、仕事に加えて求人検索、応募書類、企業研究、日程調整、面接まで抱えれば疲れるのは自然です。
まず短期間休み、活動する曜日を固定し、同時進行する企業と優先条件を絞る。
面接日をまとめ、一人では抱えきれない作業は第三者にも頼る。
それでも両立が難しいなら、在職中で続けることだけを正解にせず、退職後の生活費や活動計画も含めて選択肢を整理しましょう。
特に覚えておいてほしいのは、頑張る時間を増やすより、疲れている自分が毎回考えなくても動ける仕組みを作ることです。
「時間が足りない」のか、「やることが多すぎる」のか、「不採用などで気持ちが消耗している」のかまで分けて考えると、自分に必要な対策も見えやすくなります。
転職活動は、早く終えた人が勝つ競争ではありません。
今の不満を次の職場で繰り返さないためにも、焦って走り続けるより、自分が冷静に選べるペースへ組み直してみてくださいね。
よくある質問
働きながらの転職活動に疲れたら、1週間休んでも大丈夫ですか?
期限を決めて休む方法はあります。
Re就活でも、1週間など休止期間を決め、転職サイトや企業からの連絡から一時的に距離を置く方法が紹介されています。
「来週の日曜日から再開する」など、再開日まで決めておくと活動を再開しやすくなります。
すでに選考中の企業がある場合は、必要な連絡だけ確認し、新規応募や求人検索を一時的に止める方法もあります。
転職活動では何社くらい応募するのが普通ですか?
dodaでは、2025年4月〜2026年3月に同社エージェントサービスを利用して内定を得た人の平均応募数は31.9社でした。
ただし、これは特定サービスで内定を得た人の平均であり、必要応募数ではありません。
疲れているなら、累計応募数を追うより、今きちんと対応できる企業数へ絞ることを優先してください。
応募数を増やす場合も、一度に何十社も同時進行するのではなく、数社ずつ進めるほうが企業研究や面接準備を管理しやすいでしょう。
転職活動がしんどいなら、仕事を辞めてから探すべきですか?
まずは短期間休む、活動日を減らす、応募企業を絞る、面接日をまとめるなど、在職中のまま負担を下げられないか確認する方法があります。
それでも両立が難しい場合は、生活費や固定費、活動が長引いた場合の資金を整理したうえで、退職後に探す方法も選択肢になります。
疲れた当日に結論を出すのではなく、活動方法を調整しても難しいかを確認してから判断するのがおすすめです。
夏目結衣(若手専門転職アドバイザー)


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