入社1年以内・2年以内でも転職エージェントは利用できます。ただし、短期離職では退職理由と「次は何を変えるのか」の説明が転職成功を左右します。
こんにちは!転職アドバイザーの夏目結衣です。毎日遅くまでの残業や、しんどい人間関係…本当にお疲れ様です。私もかつて「このままでいいのかな」と悩みながら、限界まで無理をして働いていた時期があるので、そのモヤモヤ痛いほどわかります。このブログでは、キレイごと抜きのリアルな葛藤や、エージェント業界のぶっちゃけ話も交えながら、あなたが自分らしい働き方を見つけるためのヒントを親身にお届けしますね!
「まだ入社10カ月なのに転職エージェントへ相談してもいい?」「2年以内に辞めると転職で不利?」「エージェント経由で入社した会社を2年以内に辞めたら、同じエージェントは使えない?」と不安になる方は少なくありません。
この記事では、入社1年以内・2年以内の転職で実際にどこが不利になりやすいのか、調査データや転職エージェントの仕組み、2年間の転職勧奨ルールまで整理しながら解説します。
入社1年以内・2年以内でも転職エージェントは使える?
入社1年以内でも2年以内でも、在籍期間だけを理由に転職エージェントが一律で利用できなくなるわけではありません。
「最低3年は働かないと転職エージェントに相手にされないのでは」と心配する必要はありません。
多くの転職エージェントでは、転職を決断する前の相談も可能です。ただし、登録条件や求人紹介の可否は、利用するサービス、これまでの経験、希望条件、その時点の求人状況によって異なります。
ここで最初に区別しておきたいのが、「転職相談ができること」と「希望する求人を紹介してもらえること」は別という点です。
たとえばリクルートエージェントの転職支援サービス利用規約では、利用者の申込内容と求人企業の条件を照合し、求人情報の提供や転職相談、応募手続きなどを行うことがサービス内容として示されています。
一方で、利用者の経験や希望、求人状況などによってサービスを提供できない場合や、求人企業の選考基準を踏まえて特定求人への推薦を行わない場合があることも示されています。
つまり、「入社10カ月だから登録できない」「2年働いていないから求人を紹介してもらえない」という単純な仕組みではありません。
現在までの経験、希望する職種、勤務地、年収、応募先企業が求めるスキルなどを総合して、紹介できる求人が決まると考えた方が実態に近いでしょう。
「3年は働くべき」は絶対的な基準ではない
短期離職そのものも、極端に珍しい経歴とは言えなくなっています。
株式会社マイナビが2024年9月26日に公表した「転職活動における行動特性調査 2024年版」は、直近1年間に転職活動をした20~50代の正社員1,600人を対象とした調査です。
そのうち実際に転職した800人を見ると、前職の勤続年数が1年未満だった人は2割を超え、2021年の調査開始以降で初めて20%を上回りました。
もちろん、この結果は「1年未満で辞めても不利にならない」という意味ではありません。
ただ、入社1年未満で転職する人が一定数いる以上、「最低3年働かなければ転職市場に参加できない」とまで考える必要もありません。
私は、短期離職の相談を考えている方ほど、年数だけを見て自分の可能性を閉じないでほしいと思っています。
大切なのは在籍期間そのものより、なぜ短期間で転職を考えたのか、その経験を次の会社選びにどう反映するのかです。
短期離職はどこまで不利?企業が見る期間とデータ
短期離職を警戒する企業はあります。特に入社後1年前後までの離職は、採用担当者から理由を詳しく確認されやすいと考えておきましょう。
株式会社マイナビが2024年9月30日に公表した「中途採用実態調査2024年版」では、中途採用担当者が「早期離職」と考える勤続年数は平均9.5カ月以内でした。
さらに、早期離職した求職者へ「マイナスの印象」「どちらかといえばマイナスの印象」を持つと回答した採用担当者は、合計70.1%でした。
数字だけを見ると、「やっぱり1年以内の転職は無理なのでは」と不安になりますよね。
でも、ここで調査結果の続きを見ないまま結論を出すのは早いです。
早期離職者へマイナス印象を持つ採用担当者に「客観的に納得できる背景があった場合」を尋ねると、51.2%が「マイナスの印象はなくなるが、プラスにはならない」、10.3%が「プラスの印象になる」と回答しました。
つまり、両者を合わせた61.5%は、納得できる背景があれば少なくとも当初のマイナス印象が解消される方向へ変化したことになります。10.3%の「プラスになる」という回答も含めた数字です。
これは短期離職者にとって、とても重要なポイントです。
「短期離職をした」という事実そのものを消すことはできませんが、背景と今後の考え方を説明することで、採用担当者の評価が変わる可能性はあるからです。
翌年も傾向は大きく変わっていません。
マイナビ「中途採用実態調査2025年版」をもとに2025年10月10日に公開された解説では、2025年1~6月に中途採用を行った企業側が早期離職と考える平均期間は9.6カ月以内でした。
2024年の9.5カ月、2025年の9.6カ月という結果を見る限り、「3年未満はすべて同じ短期離職」と考えるより、企業が特に慎重になりやすいのは1年未満から1年前後と見る方が実態には近そうです。
短期離職の理由は「本人の忍耐力」だけではない
一方、短期離職の原因は本人の忍耐力だけでは説明できません。
ウェブココル株式会社が2023年10月16日~23日、転職後1年以内に退職した300人を対象に実施し、同年11月1日に公表した調査では、早期退職理由の1位は「人間関係が良くなかった」158票でした。
2位は「労働時間や労働環境が悪かった」131票、3位は「給与が低かった」83票で、「求人内容と実際違った」も70票ありました。この調査結果はHRプロ編集部も2023年12月27日に紹介しています。

このデータを紹介する意味は、「つらければすぐ辞めればいい」と言いたいからではありません。
次の会社でも同じ問題を繰り返さないためには、短期離職の原因を具体的に分解する必要があるからです。
たとえば「人間関係が悪かった」だけでは、次にどんな会社を選べばいいのか分かりません。
特定の上司との関係だったのか、相談相手がいない組織だったのか、社員同士の距離が近すぎる文化だったのか、指示系統が曖昧だったのかによって、次の転職で確認すべきポイントは変わります。
「残業が多かった」も同じです。
月何時間だったのか、繁忙期だけだったのか、慢性的な人員不足だったのか、業務の進め方に原因があったのかまで整理できると、次の企業選びが具体的になります。
「仕事内容が違った」という場合も、「求人票と違った」で終わらせず、入社前に聞いていた仕事内容、実際に任された業務、その差を会社へ相談したかまで整理すると、採用面接でも説明しやすくなります。
私は、短期離職で問われるのは「我慢できたか」だけではなく、ミスマッチから何を学び、次の選択をどう変えるかだと考えています。
入社1年以内・2年以内で転職エージェントをどう使う?
短期離職で転職エージェントを使うなら、求人を大量に紹介してもらうことより、「退職理由」と「次の会社選び」を一緒に整理することが重要です。
入社1年以内と1~2年程度では、採用側が確認しやすいポイントにも少し違いがあります。
在籍期間 採用側が確認しやすいこと エージェントと整理したいこと
1年未満 なぜこれほど早く転職するのか 入社前後のギャップ、退職理由、改善を試したこと
1~2年程度 なぜ今転職するのか 担当業務、身についたスキル、転職理由
2年前後 経験を次でどう生かすのか 実績、キャリアの一貫性、今後伸ばしたい能力
同じ「2年以内の転職」でも、入社5カ月と1年10カ月では企業が気にするポイントは同じではありません。
だからこそ、年数だけで「短期離職だから無理」と決めつけるのではなく、今の自分がどんな説明を求められやすいのかを理解することが大切です。
入社1年以内は「再発防止」を説明できるようにする
入社1年以内の場合、採用担当者が気にしやすいのは、「次の会社でも同じ理由ですぐ退職しないか」です。
そこで私は、転職理由を次の3点で整理することをおすすめしています。
- 何が起きたのか
- それに対してどう対応したのか
- 次の転職では何を変えるのか
これを私は短期離職の「再発防止セット」と考えています。
たとえば、実際に「希望していた仕事内容と配属後の業務が違った」という人なら、単に「仕事内容が合いませんでした」で終わらせません。
「入社前はどんな業務を担当すると認識していたか」
「入社後は実際にどんな業務だったか」
「配置変更や業務変更について確認したか」
「次回は選考中に何を確認するか」
ここまで整理します。
たとえば次回の転職では、「求人票に書かれている業務のうち、実際の業務時間の何割を占めるのか」「入社後半年間に担当する具体的な仕事は何か」まで質問する、といった再発防止策につなげられます。
大切なのは、実際にはしていない努力を作らないことです。
相談していないのに「上司へ何度も改善を求めた」、確認していないのに「人事にも相談した」と話を膨らませれば、質問を重ねられたときに説明が崩れます。
短期離職だからこそ、話を立派に盛るよりも、事実関係を一貫させた方が信頼されやすいと私は考えます。
入社1~2年なら「辞める理由+得た経験」を整理する
在籍期間が1年を超えてくると、転職理由だけでなく、その期間に何を経験したかも重要になります。
営業なら担当顧客、商材、提案件数、目標達成率や新規・既存の比率。
事務なら担当業務、使用システム、Excelなどのスキル、業務改善や社内調整の経験。
エンジニアなら担当工程、言語、ツール、プロジェクト規模などです。
華々しい成果でなくても構いません。
「1年8カ月しか働いていない」と見るのではなく、1年8カ月で何を経験し、次の職場でどう生かせるかへ視点を変えてみましょう。
短期間でも、担当業務を具体的に説明できれば「経験ゼロ」とは違います。
反対に、2年近く勤務していても、仕事内容を曖昧にしか説明できなければ、応募企業側は「この期間に何を身につけたのだろう」と判断しにくくなります。
特に未経験職種への転職では、「短い在籍期間」「未経験」「大幅な年収アップ」など複数の条件が重なるほど、紹介可能な求人が絞られることがあります。
だからこそエージェントには、「今の経歴ならどこが狙いやすいか」「どの条件を緩めれば求人が増えるか」「現職のどの経験が応募先で評価されそうか」まで聞いてみるのがおすすめです。
エージェントには「不満」ではなく「原因」を伝える
転職アドバイザー側で確認したいのは、単純な在籍期間だけではありません。
たとえば面談では、次のような情報を整理します。
- 現在の会社へ入社した理由
- 入社前に聞いていた仕事内容や条件
- 実際に担当している仕事内容
- 転職を考え始めたきっかけ
- 現職で改善できる余地があるか
- 次に希望する職種や業界
- 年収、勤務地、休日、残業などの優先順位
- 今回の転職で避けたいミスマッチ
- 過去にも短期離職がある場合はその経緯
相談でよくある典型例として、「残業が多いから残業ゼロの会社へ行きたい」と話す方がいます。
でも詳しく整理すると、本当に嫌なのは残業そのものではなく、「急な残業が毎日のように発生して予定を立てられないこと」だった、というケースもあります。
この場合、「残業ゼロ」だけを条件にするより、平均残業時間に加えて、突発残業の頻度や繁忙期、業務量の調整方法まで確認した方が次のミスマッチを防ぎやすくなります。
人間関係も同じです。
「人間関係の良い会社」を求人検索の条件にすることは難しいですが、「上司との1on1がある」「チームで相談する仕組みがある」「中途入社者向けのフォロー面談がある」など、確認できる条件へ置き換えることはできます。
ここは、短期離職後の転職で特に意識してほしいポイントです。
感情的な不満を、次の企業で確認できる条件へ変換する。
この作業ができると、転職エージェントへの相談も一気に具体的になります。
逆に推薦が難しくなりやすい典型例は、短期離職そのものより、理由が説明できず、希望条件もすべて必須になっているケースです。
未経験職種、大幅な年収アップ、勤務地限定、完全リモート、休日数増加などをすべて同時に求めれば、短期離職でなくても求人は絞られます。
これは「短期離職者だから紹介されない」のではなく、求人企業の募集条件との接点が少なくなるからです。
条件には「絶対に譲れない条件」「できれば欲しい条件」「求人次第では妥協できる条件」という優先順位をつけておくと、紹介可能な求人の幅を判断しやすくなります。
求人票にない情報まで確認する
短期離職を一度経験した人ほど、私は求人票だけで会社を判断しないでほしいと思っています。
転職エージェントには、たとえば次のような質問ができます。
- 「配属予定部署の残業状況は分かりますか」
- 「中途入社者は1カ月後、3カ月後、半年後に何を期待されますか」
- 「研修やOJTはどの程度ありますか」
- 「上司との1on1や人事面談はありますか」
- 「求人票の仕事内容の中で、実際に最も時間を使う業務は何ですか」
- 「今回の募集は欠員補充ですか、増員ですか」
- 「中途入社者がつまずきやすい点はありますか」
- 「配属予定部署ではどのような人が活躍していますか」
すべての質問にエージェントが答えられるとは限りません。
それでも、分からないことを企業へ確認してもらえたり、過去の採用実績や企業とのやり取りから補足情報を得られたりすることがあります。
企業側でも早期離職を防ぐため、入社前の情報提供を増やす動きがあります。
マイナビ「中途採用状況調査2025年版(2024年実績)」では、企業が実施する早期離職防止策として「入社前に仕事を体験する機会を設ける」が35.3%、「入社前にカジュアル面談を設ける」が33.0%でした。
この数字は、短期離職者に直接「転職エージェントを使うべき」と示すものではありません。
ただ、企業側も入社後のミスマッチを減らそうとしている以上、求職者側も選考中にどこまで実態を確認できる会社なのかを見る価値があるということです。
私は、短期離職を経験した人ほど「求人票に書いてある条件」ではなく、入社後の日常が想像できる情報を集めることが重要だと考えています。

転職エージェント経由で入社して2年以内でも再利用できる?
本人の意思による転職エージェントの再利用まで、一律に2年間禁止されているわけではありません。
ここは「入社2年以内」「転職エージェント 2年」「エージェント経由で入社してすぐ転職」などで検索している方が、特に混同しやすいポイントです。
職業紹介事業者には、一定の条件のもと、自ら紹介して無期雇用で就職した人に対し、就職日から2年間は転職を勧奨してはならないというルールがあります。
重要なのは、禁止されているのが本人の転職活動そのものではなく、職業紹介事業者側から行う「転職の勧奨」だという点です。
厚生労働省関連の職業紹介事業者向け自主点検ツールの解説でも、本人自身から職業紹介を希望した場合には、職業紹介を行うことが可能とされています。
リクルートエージェントの利用規約でも、同サービスを利用して就職した人について、就職後2年以内は同社側から転職勧奨を行わない一方、本人が再度申し込んだ場合は本人自身の意向による利用として扱う旨が示されています。
そのため、「転職エージェント経由で就職したら、2年間は転職エージェントを一切使えない」という理解は正確ではありません。
「2年間転職できない」ルールではない
この2年間という数字だけが一人歩きすると、「一度エージェント経由で入社したら2年間退職してはいけない」と誤解しやすくなります。
しかし、これは労働者本人に対して「2年間転職禁止」とするルールではありません。
本人が自分の意思で転職活動を始め、再び職業紹介を希望するケースまで一律に禁止しているわけではない点は、きちんと分けて理解しておきましょう。
たとえば、エージェント経由で入社して半年後に、仕事内容や労働環境の大きなミスマッチが分かったとします。
このとき、「2年間はエージェントを使えない」と思い込み、一人で抱え込む必要はありません。
以前利用したサービスへ自分から相談したり、別の転職エージェントへ相談したりする選択肢も考えられます。
ただし、このルールには職業紹介事業者による紹介で無期雇用として就職した場合などの適用条件があります。
また、各サービス独自の登録条件や支援条件もあり得るため、以前利用した転職エージェントへ再登録する場合は、その時点の最新規約を確認してください。
入社1年以内・2年以内で転職する前に確認したいこと
転職エージェントへ登録する前に、「今すぐ転職すべきか」と「転職するとしたら何を変えるか」を分けて考えておくと、短期離職の失敗を繰り返しにくくなります。
今の会社がつらいと、「辞めるか、我慢するか」の二択になりがちです。
でも実際には、その間にもいくつか選択肢があります。
現職で改善できる問題かを確認する
仕事内容、異動、人間関係、勤務時間などの問題が、社内異動や上司・人事への相談で改善できる余地があるなら、それを確認してから転職を決める方法もあります。
もちろん、すべての問題を会社の中で解決できるわけではありません。
また、心身への負担が大きい状況で無理に「改善努力を続けなければならない」と考える必要もありません。
大切なのは、転職面接のために我慢することではなく、自分自身が納得できる判断材料を増やすことです。
次の会社で避けたい条件を言語化する
短期離職後の会社選びでは、「欲しい条件」だけでなく「繰り返したくない状況」も整理しておきましょう。
たとえば、
- 慢性的に長時間残業が続く環境は避けたい
- 入社後の仕事内容が選考時の説明と大きく変わる会社は避けたい
- 質問や相談がしにくい職場は避けたい
- 教育担当者が不明確な状態は避けたい
- 全国転勤が前提の働き方は避けたい
といった具合です。
ただし、「人間関係が悪い会社は嫌」「ブラック企業は嫌」といった抽象的な表現だけでは企業比較ができません。
選考中に質問して確認できる項目まで具体化することがポイントです。
在職中に一度相談して市場を知る方法もある
転職エージェントへ相談したからといって、必ず転職しなければならないわけではありません。
むしろ短期離職を迷っている段階なら、退職する前に「今の経歴ならどのような求人があるのか」「現在より条件が改善する可能性はあるのか」を確認してから判断する方法もあります。
会社を辞めてから初めて求人を探し、「思っていたより選択肢が少ない」と気づくより、在職中に転職市場を確認できる方が判断材料は増えます。
これは私自身、激務の中で転職を考えた経験があるからこそ強く感じます。
つらいときほど「今すぐここから出たい」という気持ちが判断の中心になりやすいからです。
転職するかどうかを決めるためにエージェントを使う、という考え方があってもいいと思います。
入社1年以内・2年以内の転職で本当に重要なことは?
ここからは、転職支援に関わる立場としての私見です。
私が短期離職で最も避けたいと考えているのは、在籍期間が短いことそのものではありません。
「早く今の会社から逃れたい」という気持ちだけで次の会社を決め、同じようなミスマッチを繰り返すことです。
私自身、激務と人間関係で転職を考えたとき、「もうここではない会社ならどこでもいい」と感じてしまった時期がありました。
つらい職場にいるほど、今の会社と正反対の条件が魅力的に見えます。
残業が多いから、残業の少ない会社。
人間関係がつらいから、雰囲気の良い会社。
給料が低いから、年収の高い会社。
方向としては自然です。
でも、転職で本当に必要なのは「正反対の会社」を探すことではなく、自分が長く働ける条件を具体的に定義することだと私は考えています。
「残業が少ない」とは月何時間なのか。
「雰囲気が良い」とは、質問しやすい環境なのか、社員同士の距離が適度なのか、上司と定期的に話す機会があることなのか。
「年収を上げたい」とき、仕事内容や責任範囲が増えることをどこまで許容できるのか。
「成長できる会社」とは、新しい仕事を任せてもらえることなのか、研修制度があることなのか。
ここまで言葉にできると、転職エージェントから求人を紹介されたときも、「なんとなく良さそう」ではなく、自分の基準で比較できます。
短期離職を面接で過剰に謝る必要はない
もう一つ、短期離職を面接で過剰に謝る必要もないと私は考えています。
マイナビの調査で早期離職へマイナス印象を持つ採用担当者が70.1%だったことは、無視できない事実です。
一方で、客観的に納得できる背景があれば、51.2%は「マイナスの印象はなくなるがプラスにはならない」、10.3%は「プラスになる」と回答していました。
企業側が知りたいのは、完璧な反省文ではありません。
なぜ転職するのか、その原因を理解しているか、次は同じ問題をどう防ぐのか。
ここを落ち着いて説明できる方が大切です。
たとえば、「会社が悪かったので辞めます」と相手だけを責める説明では、採用担当者は次の職場でも同じことが起きないか判断できません。
反対に、自分だけを過剰に責めて「すべて自分が悪かった」と話す必要もありません。
事実を整理し、「自分にも確認不足があったので、次は選考時に○○を確認する」と言える方が、再発防止まで考えていることを伝えやすくなります。
企業が短期離職を警戒する理由も知っておく
企業側が短期離職を気にする理由も理解しておきましょう。
採用には、人事担当者の時間、求人掲載や人材紹介、面接、受け入れ準備、教育などさまざまなコストがかかります。
ミツカリは、中途採用者でも企業独自の仕事の進め方などに慣れ、独り立ちするまで最低6カ月~1年程度かかるとしたうえで、各種平均値などから独自に試算したモデルでは、中途採用者が入社1年で離職した場合の損失を1人当たり774万円としています。
これは全企業共通の公的な平均損失額ではなく、ミツカリ独自の試算です。
それでも、「採用した人に長く働いてほしい」と企業が考える背景を理解する参考にはなります。
採用担当者が「またすぐ辞めないか」と確認するのは、求職者を責めるためだけではありません。
採用後に双方が同じミスマッチを繰り返さないための確認でもあります。
だから短期離職の転職では、企業と求職者のどちらか一方を悪者にするより、お互いの不安を減らす情報を増やすことが大切です。
私はそのために、転職エージェントを「求人をもらう場所」だけではなく、「次のミスマッチを防ぐための第三者」として使ってほしいと思っています。
「1年」「2年」という数字だけで人生を決めない
入社10カ月だから転職してはいけない。
2年働けば必ず有利になる。
3年続ければすべて問題ない。
どれも年数だけで断定できる話ではありません。
もちろん、あと数カ月働くことで担当業務が増えたり、プロジェクト完了まで経験できたり、職務経歴書に書ける実績が増えたりする場合はあります。
その場合、「あと半年働く意味」はあるでしょう。
一方で、半年後も仕事内容が変わらず、心身への負担だけが増える状況なら、「2年になるまで」という数字だけを目的に残ることが最善とは限りません。
ここで見るべきなのは、単なる在籍年数ではなく、その期間を働くことで何が増えるのかです。
経験が増えるのか。
成果を残せるのか。
環境が改善する可能性があるのか。
転職時の選択肢が広がるのか。
それとも、ただ我慢する期間が延びるだけなのか。
この視点を持つと、「1年か2年か」という数字だけでは判断しにくい理由が見えてきます。
現在の職場で改善できる可能性、転職市場で選べる求人、生活面への影響、次に実現したい働き方を並べたうえで判断することが大切です。
まとめ|入社1年以内・2年以内でも転職エージェントは利用できる
入社1年以内・2年以内でも転職エージェントは利用できますが、登録したからといって希望する求人の紹介まで保証されるわけではありません。
短期離職では特に、「何が起きたのか」「どう対応したのか」「次は何を変えるのか」を整理しておきましょう。
企業が早期離職と考える平均期間について、マイナビの調査では2024年が9.5カ月以内、2025年が9.6カ月以内でした。1年未満から1年前後の転職では、退職理由を確認されやすいことを前提に準備しておくのがおすすめです。
一方で、客観的に納得できる背景を説明できれば、早期離職に対する採用担当者の印象が変わる可能性も調査結果から読み取れます。
次の会社では仕事内容、配属先、残業、教育体制、評価制度、相談経路など、前回のミスマッチにつながった部分をできるだけ選考中に確認しておきましょう。
また、転職エージェント経由で入社した場合の「2年間」というルールは、本人が2年間転職できないという意味ではありません。
一定の条件で職業紹介事業者側からの転職勧奨を制限するルールであり、本人自身の意思による転職相談や再利用まで一律に禁止するものではありません。
短期離職後の転職で目指したいのは、最短で内定を得ることだけではありません。
同じ理由でもう一度辞める可能性を下げ、次は納得して働き続けられる会社を選ぶこと。
それが、入社1年以内・2年以内で転職エージェントを活用するときの一番大きな意味だと私は考えています。
よくある質問
入社1年以内でも転職エージェントに登録できますか?
多くの転職エージェントでは相談可能ですが、登録条件や求人紹介の可否はサービスによります。
入社1年以内という理由だけで一律に利用禁止になるわけではありませんが、経験や希望条件、求人状況によって紹介できる求人が限られる場合があります。
特に「未経験職へ転職したい」「年収も大きく上げたい」「勤務地も限定したい」など条件が重なる場合は、紹介可能な求人が少なくなる可能性があります。
入社2年以内の転職は不利になりますか?
在籍期間を確認する企業はありますが、2年以内という数字だけで採否が決まるわけではありません。
特に1年未満では退職理由を確認されやすいため、「何が起きたか」「どう対応したか」「次に何を変えるか」を一貫して説明できるようにしておきましょう。
1~2年程度働いている場合は、退職理由だけでなく、その期間に担当した仕事や身につけたスキル、次の職場で生かせる経験も整理しておくことが大切です。
転職エージェント経由で入社して2年以内でも再利用できますか?
本人の意思による再利用まで一律に禁止されているわけではありません。
一定の条件に該当する職業紹介事業者には、紹介して無期雇用で就職した人へ就職後2年間の転職勧奨を行わないルールがありますが、本人自身が再び職業紹介を希望する場合は別に扱われます。
「エージェント経由で入社したから2年間は転職できない」と考える必要はありません。
ただし、利用するサービスごとに独自の条件が定められている場合があるため、再利用する際はその時点の最新規約や支援条件を確認してください。


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