転職エージェントを使ってもうまくいかない主因は、担当者・希望条件・求人・選考対策・使い方のどこかに「ズレ」があるからです。
「希望と違う求人ばかり届く」「担当者と話すだけで疲れる」「応募しても選考に通らない」と感じても、すぐに転職エージェントを退会する必要はありません。原因を切り分け、希望条件の伝え直し、求人へのフィードバック、担当変更、サービスの使い分けを順番に試すことが立て直しの近道です。
こんにちは!転職アドバイザーの夏目結衣です。毎日遅くまでの残業や、しんどい人間関係…本当にお疲れ様です。私もかつて「このままでいいのかな」と悩みながら、限界まで無理をして働いていた時期があるので、そのモヤモヤ痛いほどわかります。このブログでは、キレイごと抜きのリアルな葛藤や、エージェント業界のぶっちゃけ話も交えながら、あなたが自分らしい働き方を見つけるためのヒントを親身にお届けしますね!
転職活動が思うように進まないと、「自分の経歴が弱いからかな」「転職できる会社なんてないのかも」と、自分自身を否定したくなることがありますよね。
でも、転職エージェントは検索条件を入力して求人を探すだけの転職サイトとは違い、キャリアアドバイザーという「人」を介して進めるサービスです。
そのため、あなたの経験や能力とは別に、担当者との相性、情報共有の精度、エージェントが扱う求人の範囲によって結果が変わることがあります。
リクルートエージェントの公式解説でも、キャリアアドバイザーにはコミュニケーションのスタイルや得意分野などの違いがあり、相性が合わないケースがあるとされています。
また、複数のエージェントを利用する場合は、管理負担を考えてまず2~3社程度に絞る方法も紹介されています。
「すべらない転職」の転職エージェント面談に関する解説でも、希望条件を整理していなかったり、本音や重要な情報を十分に伝えなかったりすると、求人のミスマッチにつながる可能性が示されています。
つまり、「転職エージェントがうまくいかない」と「あなたが転職できない」は同じ意味ではありません。
ここを混同しないことが、立て直しの最初の一歩です。
転職エージェントを使ってもうまくいかない7つの理由とは?

転職エージェントがうまくいかない主な原因は、担当者だけではありません。
希望条件、求人との相性、自分からの情報提供、書類・面接対策、サービスの使い方まで含めて確認する必要があります。
代表的なのは次の7つです。
理由 起きやすい状態 最初にすること
1. 担当者との相性が合わない 会話が噛み合わない 要望を伝え、改善しなければ担当変更
2. 転職理由が伝わっていない 同じ不満を繰り返しそうな求人が届く 本当の退職理由を共有
3. 希望条件の優先順位が曖昧 条件は近いのに魅力を感じない Must・Want・NGに分ける
4. 担当者の業界・職種理解が浅い 的外れな求人が続く 紹介理由を質問する
5. 求人へのフィードバックが少ない 同じタイプの求人が届き続ける 見送り理由を具体的に返す
6. 書類・面接準備が不足している 応募しても選考が進まない 添削・模擬面接を依頼する
7. エージェントへ任せすぎている 紹介待ちになっている 転職サイト等と役割分担する
特に初めての転職では、「登録すれば自分にぴったりな会社を探してくれる」と期待してしまいやすいものです。
私自身も最初の転職活動では、少しそんな期待をしていました。
でも実際には、担当者との対話や求人への反応を通じて、少しずつマッチングの精度を高めていくサービスと考えた方が実態に近いです。
たとえば「営業職を続けたい」と希望しているのに、営業企画の求人が紹介されたとします。
求人タイトルだけを見れば、「全然希望と違うじゃん」と感じるかもしれません。
しかし担当者は、あなたの営業経験そのものではなく、「顧客データの分析」「営業施策の改善」「複数部署との調整」といった経験を評価し、営業企画でも活かせると判断している可能性があります。
だから、希望と違う求人が届いたときは、すぐ担当者を「ダメ」と判断するよりも、「私のどの経験を評価して、この求人を紹介したのでしょうか?」と聞いてみてください。
その説明に納得できるなら、自分では気づかなかったキャリアの選択肢かもしれません。
一方で、理由を尋ねても「条件に近かったので送りました」としか説明されず、希望条件を何度伝えても同じような求人が続くなら、担当変更を考える材料になります。
私が担当者を判断するときに重要だと考えているのは、求人を当てられるかではなく、「なぜその求人を紹介したのか」を説明できるかです。
求人提案は百発百中にはなりません。
でも、「あなたのこの経験が企業のこの業務に活かせると考えました」と説明できる担当者なら、対話を重ねる価値があります。
ここで大切なのは、7つの原因を一度に全部直そうとしないことです。
「求人は合うのに書類で落ちる」なら選考対策、「求人そのものがズレている」なら希望条件や担当者、「何も進んでいない」ならサービスの使い方というように、どの段階で詰まっているかを先に特定すると改善策が見つけやすくなります。
担当者が合わない?転職エージェントを見極めるポイント
転職エージェントでは、サービスの知名度だけではなく、実際に担当するキャリアアドバイザーとの相性が大きく影響します。
話しやすさ、ヒアリング力、求人への理解、提案理由の具体性を見て判断しましょう。

私は初回面談から最初の求人紹介までで、主に4点を確認することをおすすめしています。
- 転職理由を「なぜそう思ったのか」まで聞いてくれるか
- 求人を紹介した理由を説明してくれるか
- 希望業界・職種について具体的な話ができるか
- 年収や勤務地だけでなく、避けたい職場環境まで聞いてくれるか
たとえば、「今より年収を上げたいです」と伝えたときに、単純に高年収求人を大量に送る担当者もいます。
一方で、「年収アップが最優先ですか。それとも残業や仕事内容とのバランスも重要ですか」と確認してくれる担当者もいます。
後者の方が、転職後のミスマッチまで考えた求人提案につながりやすいでしょう。
そして覚えておきたいのが、紹介求人の件数と担当者の質は同じではないことです。
毎日10件、20件と求人が届いても、「残業を減らしたい」「顧客対応の負担を下げたい」「全国転勤は避けたい」というあなたの転職理由が反映されていなければ、求人を見る作業そのものが負担になります。
反対に紹介数が少なくても、「残業を減らしたいという希望を最優先して選びました」「職種名は違いますが、現職の調整経験を活かせる求人です」と意図を説明してくれる担当者なら、相談を続ける価値があります。
リクルートエージェントでは、複数の転職エージェントを利用する場合、まず2~3社程度に絞る方法が紹介されています。
私も、転職活動を始めたばかりの人がいきなり5社、10社と登録することはおすすめしません。
仕事をしながら、それぞれの担当者と面談して、同じ経歴を説明し、メールや電話へ対応し、紹介求人を確認するのは想像以上に疲れます。
特に「今の仕事だけですでに限界」という状態なら、転職活動まで過密スケジュールにしてしまうと続きません。
まず2~3社を比較し、「誰なら本音を話しやすいか」「どこなら自分の希望を理解してくれるか」を確認してから絞っていく方が現実的です。
また、「優しい担当者=自分に合う担当者」とも限りません。
耳の痛いことでも、「この経験だと現時点ではこの求人は難しい」「この職務経歴書では実績が伝わりにくい」と理由を添えて説明してくれる人の方が、結果として転職活動に役立つこともあります。
反対に、何を相談しても「大丈夫ですよ」「たくさん応募しましょう」とだけ言われる場合は、具体的な改善材料が得られません。
私なら、相談後に自分の次の行動が具体的になったかも担当者を判断する基準にします。
希望と違う求人ばかり届くのはなぜ?条件を伝え直す方法
希望と違う求人ばかり紹介される場合、担当変更をする前に、希望条件の優先順位まで共有できているかを確認してみましょう。
これは「求職者の伝え方が悪い」という意味ではありません。
転職活動を始めたばかりなら、自分でも本当に欲しい条件が分かっていないことは珍しくないからです。
たとえば、「残業が少ない会社がいい」「年収は下げたくない」「人間関係のいい会社がいい」「リモートワークもしたい」「通勤時間も短くしたい」。
どれも自然な希望ですよね。
でも、すべてを同じ重要度で担当者へ渡すと、「どれを優先して求人を探せばいいのか」が分かりにくくなります。
そこで私は、希望条件をMust・Want・NGの3段階に分ける方法をおすすめしています。
- Must:残業は月20時間程度までを希望
- Want:年収はできれば現状維持
- NG:全国転勤がある会社
さらに、「働き方が大きく改善するなら年収は多少下がっても検討できる」のように、条件同士の優先順位まで伝えられると精度が上がります。
ここでもう一つ大切なのが、転職エージェントとの面談では、本音をきれいに言い換えすぎないことです。
「人間関係がつらいなんて言ったら、わがままと思われそう」「残業が嫌だと言ったら、やる気がないと思われそう」。
そう考えて、本当は働き方を変えたいのに「もっと成長できる環境へ行きたいです」とだけ伝える方がいます。
でも、それでは担当者は「成長できる環境」を重視して、忙しくても裁量が大きい企業や、成果を強く求められる企業を紹介するかもしれません。
これでは転職しても、同じ悩みを繰り返す可能性があります。
エージェントに伝える本音と、採用面接で企業へ伝える転職理由は分けて考えて大丈夫です。
キャリアアドバイザーには「何がつらかったのか」をできる範囲で具体的に伝え、その内容を企業面接ではどう前向きに説明するか相談すればいいんです。
たとえば、「上司が嫌いだった」だけで終わらせるのではなく、「上司へ相談しにくいトップダウン型の環境が負担だったので、次はチーム内で相談しながら仕事を進められる環境を希望している」と整理します。
すると、単なる不満が次の会社を選ぶための条件へ変わります。
私は、この変換こそ転職エージェントへ相談する大きな意味の一つだと考えています。
さらに効果的なのが、条件を「言葉」だけでなく判断できる形まで具体化することです。
たとえば「残業が少ない会社」という希望だけでは、人によって月10時間を想像する場合も、月30時間程度なら少ないと考える場合もあります。
「できれば月20時間程度まで」「繁忙期に増える場合は、その頻度も確認したい」と伝えた方が、担当者は求人を絞り込みやすくなります。
「人間関係がいい会社」も同じです。
人間関係の良し悪しを事前に断定することは難しいため、「質問や相談をしやすい環境」「入社後に教育担当が決まっている」「チームで協力して進める仕事」のように、自分が安心して働ける環境の特徴へ分解すると求人選びに活かしやすくなります。
求人を断るときのフィードバックで紹介精度は変わる?
希望と違う求人を紹介されたときは、「興味ありません」で終わらせず、なぜ応募しないのかを具体的に伝えることが重要です。
求人へのフィードバックは、担当者があなたの判断基準を理解する材料になるからです。
たとえば、「この求人は希望と違います」だけでは、担当者は何が問題だったのか分かりません。
一方で、「仕事内容には興味がありますが、全国転勤があるため見送ります」「年収は魅力的ですが、今回の転職では残業時間の改善を優先したいです」「職種は希望に近いですが、個人営業ではなく法人営業を希望しています」と伝えれば、次の求人を選ぶ条件が明確になります。
私はこれを、求人にダメ出しする作業ではなく、担当者へ自分の転職軸を学習してもらう作業だと考えています。
転職活動の最初から、自分の理想を100%言葉にできる人はほとんどいません。
求人を見るうちに、「年収アップより休日の方が大事だった」「仕事内容より会社の規模を気にしていた」「リモートワークそのものより、通勤時間を減らしたかった」と気づくこともあります。
つまり、不採用だけでなく、「応募しなかった求人」からも転職軸は磨けるんです。
ここは転職活動で見落とされやすいポイントだと感じています。
さらに一歩進めるなら、見送った求人だけではなく、「応募したいと思った理由」も担当者へ返すと効果的です。
「この求人は法人顧客への既存営業が中心だから興味を持った」「年収よりも年間休日と残業時間のバランスに魅力を感じた」と伝えれば、担当者は「避けたい条件」だけでなく「惹かれる条件」も理解できます。
NG条件だけを伝え続けるより、「これは良かった」もセットで返した方が、次の提案に活かしやすくなります。
転職エージェントとのやり取りを、求人を受け取るだけの一方通行にしないこと。
これが紹介精度を高めるうえで、意外と大きな差になります。
書類選考や面接がうまくいかないときはどう使い方を変える?
紹介求人には興味を持てているのに、書類選考や面接で結果が出ない。
その場合は、担当者や求人だけではなく、転職エージェントを求人紹介にしか使っていないことが原因かもしれません。
転職エージェントでは、キャリア相談だけでなく、履歴書・職務経歴書の整理や面接準備について相談できる場合があります。
「すべらない転職」の2026年8月時点の解説では、転職エージェントとの面談時間の目安は60~90分程度とされています。
限られた面談時間で、これまでの経歴、転職理由、スキル、希望条件、今後の方向性などを確認します。
そのため、面談前に職歴が整理されているかどうかで、相談できる内容の深さが変わります。
履歴書や職務経歴書を何も準備していなければ、「何年に入社しましたか」「どんな仕事をしていましたか」という経歴確認だけで時間を使ってしまいます。
一方、経歴をあらかじめ整理しておけば、「この実績は市場でどう評価されますか」「営業以外なら、どんな職種へ応用できますか」「この職務経歴書では何が伝わりにくいですか」といった一歩深い相談へ進みやすくなります。
もし書類選考が何社も続けて通らないなら、応募数を増やす前に、担当者へ次の点を確認してみてください。
- 応募している求人と自分の経験は合っているか
- 職務経歴書で強みが伝わっているか
- 実績の書き方が抽象的になっていないか
- 応募先企業が特に見ている経験は何か
面接で不採用が続く場合も同じです。
「もっと練習します」だけではなく、「転職理由」「志望動機」「自分の経験と募集職種の接続」のどこに課題があるかを分けて考えましょう。
たとえば書類選考で落ち続けているのに、面接練習だけを増やしても状況は変わりません。
逆に書類は通るのに一次面接で止まるなら、求人選びよりも、話し方や企業が求める経験との接続を見直した方が改善につながる可能性があります。
最終面接まで進むのに内定へ届かないなら、「会社への志望度」「転職理由との一貫性」「条件面の認識」など、一次面接とは違う部分を振り返る必要があります。
私は、転職活動は「どの段階で落ちているか」によって対策を変えるべきだと考えています。
私自身、転職活動を始めたころは「登録したから、あとはいい会社を紹介してもらえばいい」と期待していました。
でも、転職する側と支援する側の両方を経験して感じるのは、エージェントは転職を代わりにやってくれる人ではないということです。
応募する会社を決めるのも、面接で話すのも、最終的に入社を決めるのも自分です。
だからこそ、「全部任せる代行サービス」ではなく、自分だけでは得にくい情報や客観的な視点を補ってくれるパートナーとして使う方がうまくいきやすいと私は考えています。
転職エージェントを変えるべき?使わない方がいいケースは?
希望条件を伝え直し、求人へのフィードバックを返しても状況が変わらないなら、担当変更や別の転職エージェントへの切り替えを検討して構いません。

たとえば、次のような状態なら担当変更を考えていいでしょう。
- 希望条件を何度伝えても同じミスマッチが続く
- 質問しても回答が曖昧
- 紹介理由をほとんど説明してもらえない
- 応募を断りづらいと感じる
- やり取りそのものが大きなストレスになっている
一人の担当者と合わなかったからといって、その会社のすべてのキャリアアドバイザーが合わないとは限りません。
同じ転職エージェントでも担当者によって経験や得意分野、コミュニケーションのスタイルは異なります。
担当変更を依頼するときも、必要以上に遠慮する必要はありません。
「希望職種について、より詳しい方にも相談してみたい」「コミュニケーションの取り方が自分には合わないと感じている」など、感情的に相手を否定するのではなく、転職活動を改善したい理由として伝えると整理しやすいでしょう。
また、転職エージェントそのものを使わない方が進めやすい人もいます。
たとえば、応募したい企業がすでに決まっていて、企業研究や書類作成、日程調整まで自分で進められるなら、転職サイトや企業の採用ページから求人を探す方法も選択肢です。
反対に、「自分に向いている仕事が分からない」「自分の経験が転職市場でどう評価されるか知りたい」「働きながら選考日程を調整するのが大変」という人は、エージェントのサポートを活用しやすいでしょう。
私がおすすめしたいのは、「エージェントを使うか、使わないか」の二択にしないことです。
求人を探すのは転職サイト。
キャリアの棚卸しや書類添削は転職エージェント。
行きたい会社が見つかったら、自分が納得できる方法で応募を検討する。
このように転職手段を役割分担しても構いません。
私はこれを「転職手段の分業」と考えています。
一つのサービスですべてを完結させようとすると、そのサービスが保有する求人や、一人の担当者との相性に転職活動全体が左右されてしまいます。
複数の情報源を持っていれば、「エージェントでは見つからなかった求人を転職サイトで発見した」「求人は自分で探して、職務経歴書だけアドバイスを受ける」という使い方ができます。
ただし、複数の転職エージェントを利用する場合は、同じ企業へ重複応募しないよう管理することが大切です。
リクルートエージェントでも、異なる転職エージェントから同じ企業へ応募するとトラブルにつながる可能性があるため、応募状況を確認するよう案内されています。
応募企業名、応募日、利用したサービス、選考状況を簡単なメモや表で管理しておくと安心です。
「A社のエージェントから応募したのか、自分で応募したのか分からない」という状態になると、転職活動そのものの管理負担が増えてしまいます。
サービスを増やす場合ほど、求人を増やすことより応募経路を整理する仕組みを先につくっておくことが大切です。
転職エージェントがうまくいかないときの立て直し方は?
転職エージェントがうまくいかないと感じたら、焦って応募数を増やす前に、転職軸→情報共有→求人→担当者→応募方法の順番で確認するのがおすすめです。
私なら、まず次の4つを書き出します。
- 今の会社を辞めたい一番の理由
- 次の会社で絶対に譲れない条件
- できれば叶えたい条件
- 二度と繰り返したくない職場環境
次に、その内容を担当者へもう一度共有します。
求人が合わなければ、「希望と違います」ではなく、「仕事内容は問題ありません。ただ、今回の転職では残業時間を減らすことを最優先しているため見送ります」と判断理由まで伝えます。
それでも同じ求人が続くなら、「私のどの経験を評価して、この求人を紹介してくださったのでしょうか?」と紹介意図を確認します。
納得できる説明があれば、自分では考えていなかった可能性として求人を見直してみてもいいでしょう。
説明が曖昧で、希望条件も反映されない状態が続くなら担当変更を検討します。
さらに別の意見も聞きたいなら、2~3社程度の転職エージェントを比較する方法があります。
この順番が大切なのは、担当者を変えるだけでは解決しないケースもあるからです。
自分の転職理由や希望条件が整理されていない状態のまま別のエージェントへ移っても、同じような求人が紹介され、「やっぱりどこも合わない」と感じる可能性があります。
逆に、転職軸は明確なのに担当者が理解してくれないのであれば、担当変更やサービス変更の効果が期待できます。
つまり、変えるべきなのが「条件」なのか「伝え方」なのか「担当者」なのかを見極めることが重要なんです。
ここで、一つ覚えておいてほしいことがあります。
一人の担当者から高く評価されなかったからといって、自分の経歴に価値がないわけではありません。
たとえば同じ営業経験でも、「売上実績」に注目する担当者もいれば、「既存顧客との関係構築」「社内外との調整」「業務改善」を強みとして見る担当者もいます。
事務職でも同じです。
ある担当者は「データ入力や資料作成の経験」と見るかもしれません。
別の担当者は「正確性」「複数部署との調整」「業務フロー改善」「Excelによる集計能力」と捉えるかもしれません。
経歴そのものが変わらなくても、どの能力を言語化するかで応募できる求人の見え方は変わります。
だから私は、転職エージェントを評価するとき、「いい求人を何件送ってくれたか」だけではなく、「その担当者と話した結果、自分の転職軸や強みが以前より明確になったか」も見てほしいと思っています。
「自分は年収アップより、働く時間を重視していたんだ」
「人間関係そのものが嫌だったというより、誰にも相談できない環境が苦しかったんだ」
「営業を辞めたいと思っていたけれど、嫌だったのは新規開拓で、既存顧客との関係づくりは好きだった」
こんな気づきが得られたなら、転職活動は確実に一歩進んでいます。
私は、求人件数より自分の判断基準がクリアになったかを見ることが、転職エージェント活用で意外と重要な視点だと考えています。
そして、立て直した後は「何社応募したか」だけを進捗にしないことも大切です。
転職軸が一つ明確になった、職務経歴書の強みを書き直せた、応募したい求人の共通点が分かった。
こうした変化も、転職活動が前へ進んでいる証拠です。
私が考える「転職エージェントがうまくいかない」の本当の問題
ここからは私見です。
転職エージェントを使ってもうまくいかないとき、私が最も避けてほしいと思うのは、担当者とのミスマッチをきっかけに、転職活動そのものを諦めてしまうことです。
今の職場で残業や人間関係に疲れて、「もう限界かもしれない」と感じながら、ようやく転職活動を始めた。
それなのに希望と違う求人ばかり届く。
仕事中にも連絡が来る。
疲れながら職務経歴書を書いても選考に通らない。
そんな状況が続けば、「転職なんてしない方がいいのかな」「結局、今の会社で我慢するしかないのかな」と思ってしまうのも無理はありません。
でも、一人のキャリアアドバイザーとの相性と、あなた自身の転職可能性はまったく別の問題です。
担当者が希望に合う求人を見つけられなかったからといって、あなたに合う企業が存在しないとは限りません。
書類選考に落ちたからといって、これまで積み重ねたキャリアのすべてを否定されたわけでもありません。
選考がうまくいかないなら、応募数を倍にする前に、「狙っている求人は自分の経験と合っているか」「職務経歴書で強みが伝わっているか」「担当者は自分の転職理由を理解しているか」を確認した方がいい場合があります。
そして、転職活動の目的は「内定を一つ取ること」だけではありません。
転職後に同じ理由で苦しくならない会社を選ぶことも大切です。
dodaが20~40代のビジネスパーソン550人を対象に2018年4月に実施した調査では、77.4%が内定・入社後に不安を感じた経験があると回答しています。
不安を感じた人の86.8%は、特に転職後1カ月以内の不安が大きかったという結果でした。
さらに、dodaが2019年3月に転職経験者518人を対象に行った別の調査では、転職直後の1~3カ月程度に80.7%がストレスを感じたと回答しています。
新しい職場へ移れば、仕事内容、人間関係、仕事の進め方など多くのことが変わります。
だからこそ、転職前に確認できるミスマッチはできるだけ減らしておきたいんです。
たとえば、今の会社で残業がつらかったなら、「求人票に書かれている残業時間だけでなく、繁忙期はどうなるのか」を確認する。
人間関係で苦労したなら、「入社後は誰から仕事を教えてもらうのか」「困ったときに相談する相手は決まっているのか」を確認する。
評価への不満があったなら、「どんな基準で評価されるのか」「評価面談はどのように行われるのか」を確認する。
つまり、今の会社を辞めたい理由は、次の会社を見極めるための質問に変換できます。
私はここに、転職エージェントを利用する大きな価値があると考えています。
求人票を何十件送ってもらうこと以上に、「なぜ今の会社を辞めたいのか」を言語化し、「次の会社では何を確認すれば同じ失敗を避けられるのか」まで整理する。
ここまでできれば、たとえ最終的にその担当者が紹介した会社へ転職しなかったとしても、面談した意味はあります。
そして、もう一つ。
転職エージェントは、あなたの人生を決める人ではありません。
求人を紹介されたからといって応募する必要はありません。
担当者がおすすめした会社だからといって、入社しなければならないわけでもありません。
転職活動の主導権は、最後まであなたにあります。
エージェントに言われた通り転職するのではなく、自分が納得できる転職をするためにエージェントを利用する。
うまくいかないときほど、この順番を忘れないでくださいね。
私が特に大切だと思うのは、「エージェントとの相性」を単なる好き嫌いで終わらせず、自分が転職を決めるために必要な情報を得られているかで判断することです。
求人をたくさん紹介してくれる担当者でも、自分の転職理由が整理できないままなら、応募するほど迷いが増えることがあります。
反対に、紹介求人が多くなくても、「あなたが避けたいのは営業そのものではなく新規開拓ですね」「年収よりも時間の余裕を優先したいのですね」と整理してくれる担当者なら、その対話自体が次の会社を選ぶ基準になります。
転職エージェントがうまくいかないと感じたときは、サービスを続けるか退会するかだけではなく、「このやり取りから、自分は何を判断できるようになったか」にも目を向けてみてください。
それが、同じ職場選びの失敗を繰り返さないための大切な視点になると、私は考えています。
まとめ|転職エージェントがうまくいかないなら「ズレ」を一つずつ直そう
転職エージェントを使ってもうまくいかないときは、「担当者が悪い」「自分の経歴が悪い」と一つの原因に決めつける必要はありません。
まず、担当者との相性、転職理由、希望条件、紹介求人、情報共有、選考準備、サービスの使い方のどこにズレがあるのかを確認しましょう。
希望条件はMust・Want・NGに分け、求人が合わないときは「なぜ見送るのか」まで伝えることが大切です。
それでも改善しない場合は担当変更を検討し、必要であれば2~3社程度の転職エージェントを比較する方法もあります。
一方、志望企業が明確だったり、担当者とのやり取りが負担だったりするなら、転職サイトなど別の方法と組み合わせても構いません。
大切なのは、「転職エージェントを使うか、使わないか」ではありません。
自分の転職活動の中で、何をエージェントに手伝ってもらうのかを決めることです。
求人探しを頼んでもいい。
職務経歴書の整理や面接準備を中心に相談してもいい。
自分の転職市場での見え方を確認する目的で利用してもいいんです。
転職活動が進まないと、「もっと応募しないと」と焦りますよね。
でも、応募数を増やす前に一度だけ、「私は今の会社の何を変えたいんだろう?」と考えてみてください。
その答えが見えてくると、どんな求人を選び、どんな担当者と組み、面接で何を確認すればいいのかも少しずつ明確になります。
転職エージェントがうまくいかないことは、「転職できない」という結論ではありません。
今の進め方にあるズレを見つけるサインとして、次の行動につなげていきましょう。
よくある質問
転職エージェントから希望と違う求人ばかり紹介されるのはなぜ?
希望条件の優先順位が十分に共有されていない、担当者との意思疎通が不足している、担当者があなたの経験から別の可能性を考えている、といった理由が考えられます。
まず「なぜ私にこの求人を紹介したのでしょうか」と紹介理由を確認してください。
合わない場合は、「勤務地ではなく残業時間が理由です」など、見送り理由まで具体的に伝えると次の求人提案を調整しやすくなります。
転職エージェントの担当者は変更してもいい?
希望条件や要望を伝え直しても提案が改善しない、質問への回答が曖昧、コミュニケーションが大きな負担になっている場合は、担当変更を検討して構いません。
ただし、いきなり変更する前に「求人を紹介するときは理由も教えてほしい」「メール中心で連絡してほしい」など、改善してほしい点を一度具体的に伝えてみる方法もあります。
担当変更は「今の担当者を否定する行為」ではなく、自分の転職活動を進めやすくするための調整と考えて大丈夫です。
転職エージェントは何社くらい使えばいい?
リクルートエージェントでは、複数利用する場合の目安としてまず2~3社程度に絞る方法が紹介されています。
登録数を増やしすぎると、面談、メール、応募求人、選考日程の管理が複雑になります。
まず2~3社で担当者や求人提案を比較し、自分が使いやすいサービスへ絞っていく方法が現実的です。
複数利用する場合は、同じ企業への重複応募を避けるため、応募企業名・応募日・利用サービス・選考状況を記録しておきましょう。
執筆:夏目結衣(若手専門転職アドバイザー)


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