夫・彼氏・彼女の転職がうまくいかない時どうする?支え方と家計の考え方

転職活動が長引いて落ち込むパートナーの隣で、責めずに話を聞く夫婦やカップル 転職

夫・彼氏・彼女の転職が決まらない時は、励ますよりも「気持ち・選考・家計」を分けて整理することが大切です。

こんにちは!転職アドバイザーの夏目結衣です。毎日遅くまでの残業や、しんどい人間関係…本当にお疲れ様です。私もかつて「このままでいいのかな」と悩みながら、限界まで無理をして働いていた時期があるので、そのモヤモヤ痛いほどわかります。このブログでは、キレイごと抜きのリアルな葛藤や、エージェント業界のぶっちゃけ話も交えながら、あなたが自分らしい働き方を見つけるためのヒントを親身にお届けしますね!

夫・彼氏・彼女の転職が決まらないのは珍しい?2024年の転職者は331万人

夫・彼氏・彼女の転職がうまくいかない時どうする?パートナーとしてできる支え方 の内容に合う挿絵(追加1枚目)
※画像はAIによるイメージ

最初に知っておきたいのは、転職する人が増えていることと、希望する会社へ簡単に転職できることは同じではないという点です。

厚生労働省は2025年9月30日、「令和7年版 労働経済の分析(労働経済白書)」を公表しました。今回で76回目となる白書で、第Ⅰ部では2024年の雇用情勢や賃金、経済などの動きがまとめられています。

白書で示された2024年の転職者数は331万人です。

転職者数は2021年の290万人から増加に転じ、2024年まで3年連続で増えました。一方、コロナ禍前の2019年は353万人だったため、2024年時点でも2019年の水準には届いていません。

この数字だけを見ると、「こんなに転職している人がいるなら、うちの夫もそろそろ決まるはず」「彼女だけ何カ月も決まらないのはおかしいのかな」と不安になるかもしれません。

でも、そこで本人の努力不足と結びつけるのは早いです。

私が特に重要だと感じるのは、「転職したい人」と「実際に転職した人」の間に大きな差があることです。

労働経済白書では、正規雇用労働者の転職希望者数が2013年の307万人から2024年の561万人へ増え、11年間で254万人増加したことが示されています。

つまり、転職を考えること自体は一般的になっていても、希望した人全員がその年に転職できているわけではありません。

求人が存在していても、次のような条件が合わなければ選考は通りません。

  • 希望する仕事内容
  • これまでの経験やスキル
  • 勤務地
  • 年収
  • 働き方
  • 応募時期
  • 企業側が求める人物像

転職市場全体が活発だからといって、「応募すれば簡単に内定が出る市場」と考えるのは少し違うんですね。

だから、夫・彼氏・彼女の転職活動が数週間や数カ月で終わらなくても、それだけで「本人に問題がある」と判断する必要はありません。

ただし、ここには反対側の注意点もあります。

半年、一年と活動しているのに、同じ会社群へ同じ書類で応募し、同じ段階で落ち続けているなら、励ますだけでは状況が変わらない可能性があります。

転職が決まらない時に見るべきなのは、単純な活動期間ではありません。大切なのは、「どこで止まっているのか」です。

求人を選ぶ段階なのか、書類選考なのか、面接なのか、内定後の意思決定なのか。この位置を確認すると、パートナーとして何をすればいいのかも見えやすくなります。

たとえば、求人検索ばかりして応募できていないなら、希望条件が厳しすぎたり、「失敗したくない」という不安が強くなったりしている可能性があります。

一方、応募数は十分なのに書類でほぼ落ちているなら、励まし続けるより、応募先と経験の相性や職務経歴書の見せ方を見直すほうが建設的です。

転職が長引いている=本人の能力が低い、ではありません。どこで詰まっているかによって、必要な対策が違うだけです。

私は、この視点をパートナー側が持っておくだけでも、相手を責める会話から「何を整理すればいい?」という会話へ変わりやすくなると考えています。


転職が決まらないパートナーには何をする?まず「気持ち・選考・家計」を分ける

私がおすすめしたいのは、転職活動を「気持ち」「選考」「家計」の3つに分けて考える方法です。

この3つは関係していますが、同時に話そうとするとケンカになりやすいんです。

整理するテーマ 確認すること パートナーができること
気持ち 落ち込んでいるのか、相談したいのか まず話を聞く
選考 求人選び・書類・面接のどこで止まるか 本人が望めば一緒に整理する
家計 無収入や収入減をどこまで許容できるか 2人の生活問題として話す

たとえば、パートナーが帰宅して「また書類で落ちた……」と言ったとします。

本人がその瞬間ほしいのは、「転職戦略の改善案」ではなく、単純に悔しい気持ちを聞いてもらうことかもしれません。

そこで、「応募企業のレベルが高すぎるんじゃない?」「職務経歴書を全部書き直したら?」「もっとたくさん応募しないと」と返してしまうと、正しいアドバイスだったとしても、本人には責められているように聞こえる場合があります。

私自身、転職活動に苦戦した経験があります。

落ちた直後って、自分でも「応募先を変えたほうがいいかな」「書類が悪いのかな」と何度も考えているんですよね。

そこへ身近な人から同じことを指摘されると、善意だと分かっていてもしんどく感じることがありました。

そんな時に使いやすいのが、「今日は聞いてほしい?それとも一緒に作戦を考えたい?」という確認です。

この一言なら、本人が求めているのが「共感」なのか「解決策」なのかを先に確かめられます。

転職がうまくいかない相手にかけやすい言葉

何を言えばいいか迷った時は、「励ます」よりもまず、相手の状態を確認する言葉を選んでみてください。

たとえば、「それは悔しかったね」「ここまで何社も応募して疲れたよね」と受け止めたうえで、「今日は聞くだけのほうがいい?一緒に考える?」と尋ねる形です。

反対に、「そのうち絶対決まるよ」「もっと頑張れば大丈夫」「選り好みしすぎじゃない?」のような言葉は、悪気がなくても苦しく感じられることがあります。

特に「絶対決まる」という言葉は、未来を保証できるものではありません。支える側としても、結果を約束するより「今困っているところを一緒に整理できるよ」と伝えるほうが現実的です。

逆に、家計の話まで「今は落ち込んでいるから」と永久に先送りする必要もありません。

本人の感情を受け止める時間と、お金について話し合う時間は分ければいいんです。

たとえば、「今日は選考の話はしなくていいよ。週末に家計だけ30分確認しようか」でも構いません。

すべてを一度に解決しようとしないこと。

私はこれが、長期化した転職活動でパートナー同士の関係を守る大切なポイントだと考えています。

※画像はAIによるイメージ

dodaの転職成功者は平均31.9社応募|何社落ちたら見直すべき?

「10社応募したのに全滅した」「5社連続で書類選考に落ちた」。

そんな話が続けば、支える側も「このままで大丈夫なのかな」と心配になりますよね。

ただし、応募した会社数だけで転職活動の成否を判断するのはおすすめできません。

dodaが2026年5月25日に公開したデータでは、2025年4月から2026年3月までの1年間にdodaエージェントサービスを利用して内定を得た人が、転職活動開始から内定までに応募した求人は平均31.9社でした。

また、94.9%が2社以上へ応募し、66.4%が11社以上へ応募しています。

さらにdodaは、同期間の書類通過率と一次面接通過率をもとに計算すると、あくまで数字上の目安として、1社以上の内定を得るために5社の面接、その面接へ進むために27社程度への応募が必要になると説明しています。

ここで絶対に誤解してほしくないのは、「31.9社応募しないと転職できない」という意味ではないということです。

これはdodaエージェントサービスを利用し、実際に内定を得た人のデータです。

日本の転職希望者全員を無作為に抽出した調査ではありませんし、職種、年齢、経験、地域、希望条件によって必要な応募数は大きく変わります。

1社目で内定する人もいれば、数十社応募する人もいます。

ですから、この31.9社という数字は、「まだ10社落ちただけだから、とにかくあと21.9社応募しよう」とノルマにする数字ではありません。

私はむしろ、「数社不採用になっただけで、自分には転職する価値がないと結論づけなくていい」と考えるための参考値として使うほうが健全だと思います。

では、何を見ればいいのでしょうか。

ポイントは、応募数より選考の「歩留まり」です。

たとえば20社応募しても、状況によって改善する場所はまったく違います。

  • ほぼ書類で落ちる
  • 書類は通るが一次面接で止まる
  • 最終面接まで行くのに内定が出ない
  • 内定は出るが毎回辞退する

書類でほとんど通らないなら、応募先と経験の相性や職務経歴書を見直す余地があります。

面接で止まるなら、転職理由、志望動機、経験の伝え方、質問への回答を振り返るほうが有効でしょう。

最終面接まで進めているのであれば、少なくとも書類や一次面接の段階では一定の評価を得られていると考えられます。ここで「全部ダメなんだ」と考えるより、最終面接で企業と自分の希望がどこですれ違っているのかを見るほうが建設的です。

内定は出るのに決められないなら、問題は選考能力ではなく、そもそもの「転職軸」にあるかもしれません。

そして、求人を眺め続けているのにほとんど応募できない場合は、「年収も上げたい」「残業も減らしたい」「勤務地も変えたくない」「仕事内容も理想通りがいい」「大手企業がいい」と、すべての条件を必須にしている可能性があります。

そんな時は条件を、次の3段階にすると整理しやすくなります。

  • 絶対に譲れない
  • できれば欲しい
  • なくても許容できる

たとえば「残業時間を減らしたい」が転職の最大理由なのに、「年収アップ」「大手」「駅近」「リモート可」まで全部必須にしてしまうと、応募できる求人そのものが少なくなる場合があります。

逆に、何でも妥協すればいいわけでもありません。

転職後に「前の会社のほうが良かった」とならないよう、転職理由につながる条件だけは優先順位を高くすることが大切です。

パートナー側が答えを決める必要はありません。

「最近はどの段階で落ちることが多い?」

「転職したいと思った一番最初の理由って何だった?」

「年収、仕事内容、休日、勤務地なら、どれを一番守りたい?」

と聞くだけでも十分です。

「何社落ちたか」ではなく「どこで止まっているか」。

転職支援に関わる立場として、私はここを切り分けるだけでも、活動の立て直し方はかなり見えやすくなると考えています。

落ち続けている時にパートナーがやってはいけないこと

心配だからこそ、「今日は何社応募した?」「次の面接は?」「また落ちたの?」と毎日のように確認したくなることもあると思います。

ただ、選考結果を毎日チェックされる状態は、本人にとって「家でも採点されている」感覚につながる可能性があります。

応募数を増やすことも大切ですが、数だけを追うと、応募先の仕事内容を十分に確認せず応募したり、志望動機の質が下がったりすることもあります。

私は、毎日の進捗確認よりも「週末に必要なら一緒に整理する」のように、転職について話すタイミングを決めるほうが、お互いの負担を減らしやすいと考えています。


夫の転職が決まらない時、家計や退職時期はどう話せばいい?

結婚して生活費を共有している場合、お金の問題を避け続けることはできません。

転職を応援したい気持ちがあっても、「住宅ローンは払える?」「子どもの教育費は大丈夫?」「貯金が減っていくのが怖い」「次が決まる前に退職したらどうしよう」と不安になるのは自然なことです。

ここで大切なのは、家計の不安を伝えることと、相手の転職を否定することを分けることです。

「転職なんてやめてよ。生活どうするの?」と言えば、本人にはキャリアそのものを否定されたように聞こえるでしょう。

一方、「転職したい気持ちは応援してるよ。そのうえで、生活費がどれくらい持つかは一緒に確認したい」なら、家計を2人の共通課題として話せます。

具体的には、少なくとも次の点を数字で確認しておくと安心です。

  • 毎月最低限必要な生活費
  • 現在の貯蓄
  • 収入が減った場合に何カ月生活できるか
  • 転職後に最低限必要な年収
  • 在職したまま活動するか、先に退職するか

大切なのは「月○万円必要」「貯金で○カ月対応できる」のように、できる範囲で数字へ置き換えることです。

「将来が怖い」という感情だけで話すと、お互いの不安が膨らみます。

でも、「毎月必要なのはこれくらいだから、今の貯金ならこの期間までなら大丈夫そう」と見える化すれば、転職活動そのものとは分けて考えられます。

在職中に転職活動を続ける選択肢もある

転職が決まらないと、本人が「もう仕事を辞めて転職活動に集中したい」と考えることもあります。

もちろん、現在の職場を続けることが難しい事情がある場合もあります。ただ、先に退職すれば勤務時間を気にせず活動しやすくなる一方、収入が途切れる可能性もあります。

在職中であれば収入を維持しながら求人を比較できますが、面接時間の調整や書類作成の時間を確保しにくいことがあります。

どちらが正解という話ではありません。

大切なのは、「つらそうだから今すぐ辞めたほうがいい」「無収入になるから絶対辞めないで」とパートナー側だけで結論を出すのではなく、本人の状態と家計の両方を見て判断することです。

夫婦や同居しているカップルの場合、退職の判断そのものは本人のキャリアに関することですが、家計への影響は2人に関わります。

だからこそ、「辞めるかどうか」と「辞めた場合、何カ月生活できるか」を別々に話すことが重要です。

dodaでは、転職活動開始から内定までの期間について一般的に2~3カ月が一つの目安とされていますが、もちろん全員がその期間で決まるわけではありません。

そこで私は、「内定期限」より「見直し日」を作ることをおすすめします。

たとえば、「11月30日までに絶対内定を取って」ではなく、「11月末になったら、応募状況・条件・家計を一度整理しよう」と決めます。

見直し日なら、内定が出なかったことを失敗として責めるのではなく、「書類通過率は変わった?」「応募する職種は広げる?」「生活費はあとどのくらい大丈夫?」と次の行動を考えられます。

ここでポイントになるのは、期限を「相手を追い込む日」にしないことです。

見直し日までに内定がなければ転職活動を強制終了する、という意味ではありません。

応募先を広げるのか、いったん立ち止まるのか、専門家に相談するのか、今の職場に残る選択肢も含めて再確認する日です。

私は、ここに夫婦や同居パートナーだからこそできる支え方があると思っています。

キャリアの最終判断は本人がする。でも家計は2人で確認する。

「本人の転職」と「2人の生活」を分けて扱うことが、応援と現実のバランスを取るコツです。

※画像はAIによるイメージ

転職がうまくいかない彼氏・彼女を支えて、自分まで疲れた時は?

もう一つ、とても大切なことがあります。

それは、支える側にも限界があるということです。

毎晩、不採用だった話を聞く。休日も求人の話ばかりになる。面接前は相手がピリピリしている。結果が来ない日は一緒に落ち着かない。さらに将来のお金まで心配する。

これが何カ月も続いたら、支える人だって疲れて当然です。

「転職中の本人が一番大変だから、私が我慢しないと」と思い続ける必要はありません。

あなたは恋人や配偶者であって、24時間対応のキャリアアドバイザーではないからです。

たとえば、「今日は私も余裕がないから、転職の話は夕食後30分だけにしない?」「職務経歴書の細かいところは、詳しい人にも見てもらおう」「今日は転職の話をしない日にしよう」と伝えて構いません。

これは突き放すことではなく、関係を長く保つための境界線です。

パートナーが唯一の相談相手になる状態には注意する

特に注意したいのは、恋人や配偶者が唯一の相談相手になる状態です。

相手が毎日、「どこに応募したらいい?」「この志望動機どう?」「面接で何て言えばいい?」「この会社に行くべき?」と判断まで求めるようになると、いつの間にか2人の関係が「恋人・夫婦」ではなく、「求職者と担当者」に近づいてしまいます。

相談相手は分散させたほうがいいと私は考えています。

家族や恋人には気持ちを話す。

元同僚には業界事情を聞く。

転職経験者には活動の進め方を聞く。

求人や応募書類については、転職エージェントやハローワークなど専門的な相談先を活用する。

こうして役割を分けると、パートナー1人がすべてを背負わなくて済みます。

そして、転職と関係ない時間も残してください。

一緒に夕食を食べる。散歩をする。好きな映画を見る。近所へ買い物に行く。どうでもいい話をする。

毎日の会話が、「今日は何社応募した?」「結果は?」「次の面接いつ?」だけになってしまうと、本人も支える側も息が詰まります。

転職活動は人生の一部であって、人生そのものではありません。

「転職を支える時間」と「普通の2人に戻る時間」を意識的に分けることも支援の一つだと私は思います。

支える側が「もう無理」と感じた時はどうする?

パートナーを大切に思っているほど、「疲れた」と言うことに罪悪感を持つ人もいます。

でも、我慢を続けて突然限界になるより、早い段階で「私も少し余裕がなくなっている」と共有するほうが、関係を守りやすいと私は考えています。

その際、「あなたの転職活動のせいで疲れた」と相手を責める形ではなく、「私も最近少し余裕がないから、転職の話をする時間を決めたい」と自分の状態として伝えると話しやすくなります。

たとえば、平日は必要なことだけ話し、週末に30分だけ転職活動について整理する方法でも構いません。

また、応募書類の添削や求人選びを毎回パートナーが担当する必要もありません。

感情面の支えと、転職活動そのものの実務支援は分けていいんです。

この切り分けができると、「支えたいけれど、もう疲れた」という二つの気持ちを両立させやすくなります。


考察|転職が決まらない時の良い支え方は「励ます」より選択肢を残すこと

ここからは、厚生労働省とdodaのデータ、そして私自身の転職経験や支援側の視点を踏まえた私見です。

2024年の転職者は331万人。

その一方で、正規雇用労働者の転職希望者は2013年の307万人から2024年には561万人まで増えています。

さらに、dodaエージェントサービスを利用して内定した人でも平均31.9社へ応募しています。

この数字を並べて私が感じるのは、「転職することが珍しくなくなった」と「転職が簡単になった」はまったく別の話だということです。

身近で転職した人が増えるほど、比較も増えます。

「友達は1カ月で決まった」「同僚は年収100万円上がったらしい」「知り合いは3社しか受けなかった」。

そんな話を聞けば、転職が長引いている本人も、そのパートナーも焦りますよね。

でも、転職では職種も経験年数も企業規模も勤務地も希望条件も違います。

他人の「決まるまでの速さ」は、目の前の人の転職活動を採点する基準にはなりません。

一方で、「焦らなくていいよ」「いつか決まるよ」だけを半年、一年と言い続ければいいとも私は思いません。

だからこそ私は、転職が決まらない時には3つのレーンに分けます。

気持ちのレーンでは、落ち込んでいる時に答えを急がせない。

選考のレーンでは、「書類・面接・求人選び」のどこで止まっているのかを確かめる。

生活のレーンでは、貯蓄や毎月の支出を感情と切り離して確認する。

この3つを分けると、「転職を応援する」か「転職に反対する」かという極端な二択から離れられます。

「早く決まること」より「納得して決められること」が重要

転職活動が長引くと、本人だけでなくパートナー側にも、「もうどこでもいいから早く決めてほしい」という気持ちが生まれることがあります。

特に家計への影響が大きい場合、その気持ちはとても現実的です。

ただ、焦って転職先を決め、その会社でも同じ不満を抱えれば、短期間で再び転職を考えることになるかもしれません。

だからこそ、「いつ決まるか」だけではなく、そもそも何を変えたくて転職活動を始めたのかを途中で確認することが大切です。

長時間労働が理由だったのか。

人間関係だったのか。

仕事内容だったのか。

待遇だったのか。

将来性への不安だったのか。

最初の転職理由を忘れてしまうと、「内定をもらうこと」が目的になりがちです。

私は、転職が長期化した時ほど「何のための転職だった?」と原点に戻ることに意味があると考えています。

そして、もう一つ私が大切だと思う視点があります。

それが、「転職するか、しないか」だけに選択肢を狭めないことです。

今の会社に残りながら探す。

社内異動を相談する。

同じ職種で会社だけ変える。

業界だけ変える。

希望年収を調整する。

勤務地の範囲を広げる。

応募する企業規模を変える。

一度活動を休み、職務経歴書や転職軸を整理して再開する。

選択肢はいくつもあります。

転職活動を始めると、本人自身も、「ここまで来たんだから転職しないと失敗だ」と思い込みやすくなります。

でも、本来の目的は転職すること自体ではありません。

今より納得できる働き方を選ぶことです。

それなら、「絶対転職しなきゃ」でも、「今の会社で我慢しなきゃ」でもありません。

「今ある選択肢を全部並べたら、どれが一番現実的だろう?」と考えればいいんです。

私はこれが、転職が長期化した時にパートナーだからこそできる、とても価値のある役割だと感じています。

パートナーが「答えを出す人」にならないことも大切

転職活動がうまくいかなくなると、本人が自信を失い、「どうすればいいと思う?」とすべての判断をパートナーに委ねたくなることがあります。

そこで毎回、「この会社を受けたほうがいい」「その内定は断ったほうがいい」と答えを出していると、うまくいかなかった時に双方が苦しくなります。

「あなたが勧めた会社だったのに」となれば、転職の問題だけでなく、2人の関係にも影響しかねません。

だから私は、パートナーができる最も価値のある支援の一つは、答えを渡すことではなく、本人が答えを出すための問いを渡すことだと思っています。

「その会社で一番魅力を感じているのはどこ?」

「今の職場を辞めたい理由は、その会社なら解決しそう?」

「もし年収が同じでも、その仕事を選びたい?」

こうした問いなら、決定権を本人に残しながら一緒に整理できます。

そしてもう一つ。

相手の選択肢を守るのと同じくらい、支えるあなた自身の選択肢も守ってください。

家計が心配なら、話していい。

毎晩愚痴を聞くのが苦しくなったら、伝えていい。

今日は転職の話をしたくないと言っていい。

専門的な相談は別の人にも頼んでほしいと言っていい。

「味方でいること」と「すべてを引き受けること」は違います。

私自身、激務や人間関係に悩みながら転職活動をした時期に、「頑張って」と言われても苦しく感じる日がありました。

そんな時に本当に欲しかったのは、正解を教えてくれる人というより、「今いちばん困っているのはどこ?必要なら一緒に整理しようか」と隣にいてくれる人でした。

だから私は、良い支え方とは相手の代わりに転職を成功させることではなく、本人が自分で考え、選び直せる状態を守ることだと考えています。


まとめ|夫・彼氏・彼女の転職が決まらない時は「気持ち・選考・家計」を別々に考える

夫・彼氏・彼女の転職が決まらない時、最初から「もっと応募したほうがいい」と急かす必要はありません。

まず、「今日は話を聞いてほしい?それとも一緒に考えたい?」と確認してみてください。

そのうえで、気持ち、選考、家計を別々に整理します。

厚生労働省の労働経済白書では2024年の転職者は331万人でしたが、正規雇用労働者の転職希望者も大きく増えています。転職する人が増えているからといって、誰もが短期間で希望の会社へ移れるわけではありません。

また、dodaが2026年5月25日に公表したデータでは、同社エージェントサービスを利用して内定を得た人の平均応募数は31.9社でした。数社の不採用だけで「転職できない人」と決めつける必要はないでしょう。

ただし、長期化しているなら放置もしないこと。

「何社落ちたか」ではなく、求人選び、書類、面接、内定後の判断のどこで止まっているかを確認してみましょう。

結婚して家計を共有しているなら、お金について話すことも必要です。

ただし、「○月までに絶対内定」という期限ではなく、「○月末に一度状況を見直す」という見直し日を作るほうが、冷静に話し合いやすくなります。

そして、支える側が疲れ切る必要もありません。

転職の話をする時間を決めたり、応募書類や求人選びについては専門的な相談先も使ったりして、パートナーだけがすべてを引き受けない形をつくることも大切です。

支えるとは、相手の人生を代わりに決めることではなく、本人が落ち着いて選択できる環境を一緒につくること。

転職活動がうまくいかない時ほど、責めることでも根性論でもなく、今困っている場所を一つずつ整理することから始めてみてくださいね。


よくある質問

夫の転職が10社、20社受けても決まらないのはおかしいですか?

応募数だけでは「おかしい」とは判断できません。

dodaが2026年5月25日に公開したデータでは、2025年4月~2026年3月に同社エージェントサービスを利用して内定した人の平均応募数は31.9社で、94.9%が2社以上、66.4%が11社以上へ応募していました。

ただし、平均31.9社を目標にする必要はありません。

書類で落ち続けるのか、面接で止まるのか、内定後に辞退しているのかによって対策は違うため、応募数より選考段階を見ることが大切です。

転職がうまくいかない彼氏・彼女には何と声をかければいいですか?

まずは、「今日は聞いてほしい?それとも一緒に考えたい?」と聞くのがおすすめです。

落ち込んでいる時は聞き役になり、本人が具体策を求めている時だけ求人や応募書類について一緒に考えると、善意のアドバイスが押しつけになりにくくなります。

「頑張って」「早く決まるといいね」と励ますこと自体が悪いわけではありませんが、本人が疲れ切っている時には負担になる場合もあります。

まずは共感するのか、具体策を考えるのかを確認すると、すれ違いを減らしやすくなります。

夫の転職活動が長引いたら期限を決めてもいいですか?

家計への影響があるなら、話し合う日を決めることには意味があります。

ただし、「○月までに必ず内定を取る」という結果の期限より、「○月末に応募状況・希望条件・家計を見直す」という見直し日として設定するほうが現実的です。

内定という結果だけではなく、選考状況や生活費も含めて次の行動を考えられるからです。

その時に「書類で止まっているのか」「面接まで進めているのか」「応募できる求人自体が少ないのか」を確認すると、次に見直すポイントも明確になります。

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