転職エージェントは1社のみでも利用できますが、最初に2〜3社を比較してから1〜2社へ絞ると判断しやすいです。
結論は「1社でもOK。ただし比較前の1社決め打ちは避ける」です。求人・担当者・キャリアの見立てが十分なら、その後は1社へ集中して問題ありません。
こんにちは!転職アドバイザーの夏目結衣です。毎日遅くまでの残業や、しんどい人間関係…本当にお疲れ様です。私もかつて「このままでいいのかな」と悩みながら、限界まで無理をして働いていた時期があるので、そのモヤモヤ痛いほどわかります。このブログでは、キレイごと抜きのリアルな葛藤や、エージェント業界のぶっちゃけ話も交えながら、あなたが自分らしい働き方を見つけるためのヒントを親身にお届けしますね!
「転職エージェントは1社のみで大丈夫?」「複数利用したほうが有利?」「何社登録すればいいの?」と迷っている方は多いと思います。
先に押さえたいのは、登録社数そのものに正解があるわけではないということです。
大切なのは、転職先を決めるために必要な求人情報、企業情報、自分の市場評価を十分に比較できているか。そのうえで、管理負担が大きくなる前に信頼できる担当者へ絞ることです。
この記事では、1社のみで転職エージェントを利用するメリットと弱点、複数利用との違い、何社使えばよいのか、そして「もう1社で十分」と判断できるタイミングまで具体的に整理します。
転職エージェントは1社のみでも大丈夫?結論と利用社数のデータ
はい、転職エージェントは1社のみでも転職活動を進められます。
希望に近い求人が十分あり、担当者の専門性や提案にも納得できているなら、無理に複数社を掛け持ちする必要はありません。
むしろ現在の仕事が忙しく、転職活動へ割ける時間が限られている人にとっては、窓口を1社にまとめたほうが求人確認や面接調整に集中しやすくなることもあります。
一方で、最初から1社しか見ない場合、「その担当者の評価=転職市場全体の評価」と思い込みやすい点には注意が必要です。
JAC Recruitmentは「まず2〜3社、信頼できる1社を軸」と解説
JAC Recruitmentの「転職エージェントは1社のみで十分?メリット・リスクや一つに絞る判断基準を解説」は、2026年6月19日公開、6月26日最終更新の記事です。
そこでJACは、まず2〜3社へ相談し、最も信頼できる1社を軸にする方法を示しています。
ただし、この情報を読むときには前提を忘れないでください。
JACの記事は主にハイクラス転職、管理職・スペシャリスト層を想定した解説です。
そのため、「20〜30代の転職者全員が必ず2〜3社使うべき」というデータではありません。
一方、マイナビ転職エージェント編集部の「転職エージェントの複数利用は何社がおすすめ?掛け持ちのメリットは?」は2026年7月1日更新で、最初に2〜3社を比較し、最終的に信頼できる1〜2社へ絞る方法を紹介しています。
私は、初めて転職する20〜30代の方には、この考え方をそのまま「絶対の正解」として当てはめるのではなく、短期間だけ少数を比較し、必要がなければ早めに減らす方法として使うのが現実的だと考えています。
「最初から1社に決める」か「最後まで3社以上を掛け持ちする」かの二択ではありません。
前半は比較、後半は集中と考えると、かなり整理しやすくなります。
「平均2.3社」は転職エージェントだけの数字ではない
利用社数を調べると、「転職者は平均2.3社利用している」という数字を見かけることがあります。
元になっている一つが、リクナビNEXT「転職サイト・エージェントはいくつ使った?1社の場合と複数の場合のメリット・デメリットを紹介」に掲載された調査です。
2019年7月16日〜17日に株式会社ジャストシステムが転職経験者199人を対象に実施した調査では、登録した転職サイトと転職エージェントを合算した平均利用数が2.3社でした。
2社利用が約3割で最も多く、1社と3社もそれぞれ26%前後となっています。
ここはかなり重要です。
2.3社は「転職エージェント単独の平均社数」ではありません。
しかも調査は2019年実施なので、「2026年の転職者は平均2.3社のエージェントを使う」と読み替えるのは適切ではありません。
同調査では、1社利用者から「管理が楽だった」「希望職種の求人が十分だった」という趣旨の声がある一方、「紹介企業が限られた」「レスポンスが悪かった」「他サービスの求人が気になった」という趣旨の声も紹介されています。
つまり、社数より見るべきなのは、その1社だけで意思決定に必要な材料がそろっているかなのです。
1社しか使っていなくても必要な情報が十分なら問題ありません。
逆に3社登録していても、似た求人しか届かず、担当者の説明にも納得できていないなら、単に連絡先が増えているだけになってしまいます。
1社のみと複数利用は何が違う?メリット・弱点を比較
転職エージェントを1社に絞る最大のメリットは、転職活動をシンプルにできることです。
反対に最大の弱点は、求人件数が減ること以上に、担当者の意見や年収評価を比較する相手がいなくなることだと私は考えています。
比較項目 1社のみ 複数利用
求人管理 シンプルで管理しやすい 選択肢は増えるが整理が必要
担当者との共有 情報を集約しやすい 同じ説明を繰り返すことがある
求人の幅 その会社の求人網に限られる 各社の求人を確認しやすい
市場価値の判断 1人の見立てに偏りやすい 複数の見立てを比較できる
日程管理 比較的楽 面談・選考管理が複雑になりやすい
向いている人 情報と担当者に十分納得している人 まだ方向性や相場を確認したい人
どちらが優れているというより、転職活動の段階によって向いている使い方が変わると考えると分かりやすいです。
まだ希望職種や年収相場が分からない前半では、複数の意見が役立ちます。
一方、応募したい企業が固まり選考が進み始めた後半では、窓口を減らしたほうが集中しやすくなります。
1社のみなら担当者との情報共有を深めやすい
1社に絞ると、転職理由、希望条件、紹介求人への感想、面接結果などが同じ担当者へ蓄積されます。
何度も経歴を説明する必要が減り、「どんな会社なら合いそうか」という認識も共有しやすくなります。
たとえば最初に「年収を上げたい」と希望していても、求人を比較するうちに「年収より残業時間を減らしたい」「営業経験を生かしつつ別業界へ移りたい」と考えが変わることがあります。
同じ担当者と継続して話していれば、こうした希望の変化まで踏まえて求人を探してもらいやすくなります。
また、面談、求人への回答、書類提出、面接調整の窓口も一本化できます。
今の仕事だけで毎日疲れている人にとって、複数の担当者から届く連絡を整理する負担は意外と大きいものです。
リクナビNEXTの調査でも、複数サービス利用者から、予定管理や同じ転職理由を繰り返し説明する負担についての声が確認できます。
転職活動では、登録数を増やすことより、企業研究や面接準備へ使える時間を残すことも重要です。
求人を100件眺めても面接準備ができなければ、本末転倒になってしまいます。

1社のみの弱点は「比較できないこと」
1社だけを使う場合、その転職エージェントが持っていない求人には基本的に触れられません。
さらに注意したいのが、「あなたならこの職種が妥当です」「年収はこのくらいです」という担当者の見立てを比較しにくいことです。
たとえば同じ経験でも、ある担当者は「今と同じ業界で経験を深める転職」を提案し、別の担当者は「その経験を近い別職種へ応用できる」と考えることがあります。
どちらかが間違っているとは限りません。
転職エージェントの提案には、その会社が持つ求人と担当者の専門領域が反映されます。
担当者本人は誠実にアドバイスしていても、保有している求人の範囲によって提案できるキャリアは変わります。
これは転職エージェントを疑うべきという話ではなく、サービスの構造上どうしても起こり得ることです。
JACも1社利用のリスクとして、担当者の力量や相性、非公開求人・独占求人の選択肢、市場価値や適正年収を比較しにくい点を挙げています。
特に非公開ポジションが多いハイクラス領域では、この影響が大きくなりやすいと説明しています。
だからこそ覚えておいてほしいのは、一人の担当者から受けた評価と、あなた自身の市場価値は同じではないということです。
「この経験では厳しい」と言われたとしても、それだけで可能性がないと結論づける必要はありません。
反対に「すぐ年収アップできます」と言われた場合も、それだけで転職先を決めるのではなく、なぜそう評価されたのかを確認する姿勢が大切です。
1社のみが向いている人、複数利用が向いている人
1社のみでも進めやすいのは、すでに希望する業界や職種がある程度決まっていて、その分野の求人を十分に持つエージェントと出会えている人です。
担当者の説明に具体性があり、自分でも求人を比較して納得できているなら、社数を増やす意味は小さくなります。
一方、複数利用が向いているのは、次のような人です。
- 初めての転職で、自分の経験がどの程度評価されるか分からない
- 今の業界に残るか、異業界へ移るか迷っている
- 現在の年収が市場相場と比べて高いのか低いのか確認したい
- 最初の担当者から希望と違う求人ばかり紹介されている
- 「あなたにはこの仕事しかない」と言われ、別の可能性も確認したい
特に「今の会社を辞めたい」という気持ちが先に立っていると、自分が次に何をしたいのか分からないことも珍しくありません。
そんな段階では、最初から1社へ決め打ちするより、少数の担当者と話して自分の希望を言葉にしていくほうが、後悔を減らしやすいと私は考えています。
転職エージェントは何社使う?「比較してから絞る」が現実的
初めて転職する人なら、私は最初に2〜3社程度を比較し、必要な情報が集まったら1〜2社へ絞る方法を一つの目安として考えています。
これは「3社登録すれば転職に成功する」という意味ではありません。
JACの2〜3社という考え方はハイクラス転職を主な文脈としています。
一方、マイナビ転職エージェントも2026年7月の記事で「最初2〜3社、最終的に1〜2社」という進め方を紹介しています。
20〜30代の初転職で大切なのは、数字そのものを守ることではなく、比較する目的を決めることです。
たとえば、総合型で幅広い求人を見つつ、希望する業界や職種が決まっているなら特化型でも意見を聞く。
こうすると、同じような求人を大量に集めるだけの掛け持ちになりにくくなります。
「有名だから3社登録する」のではなく、「求人の幅を確認する」「業界に詳しい担当者の意見を聞く」「年収相場を比べる」のように役割を分けるのがポイントです。
筆者の目安は「最初の約2週間で5項目を確認」
私なら、登録社数を増やし続けるのではなく、最初の約2週間を比較期間として区切ることをおすすめします。
この「2週間」は公的な基準や統計ではなく、初めて転職する方向けに私が設定している便宜的な目安です。
理由は、初回面談、最初の求人提案、質問への返答、担当者との数回のやり取りまでを一巡させれば、少なくとも「この担当者と話しやすいか」「希望に近い求人が出てくるか」を判断しやすくなるからです。
反対に、比較期間を決めず3社、4社と同時利用を続けると、比較そのものが目的になり、仕事と転職活動の両方で疲れやすくなります。
見るのは次の5項目です。
- 求人:希望条件に近い求人を継続的に提案できるか
- 専門性:業界・職種について具体的な説明があるか
- 提案:希望を聞くだけでなく別の可能性も示してくれるか
- 情報:企業の良い面だけでなく注意点も説明するか
- 相性:質問しやすく、応募を必要以上に急かされないか
5項目すべてが満点である必要はありません。
複数社を比べた結果、「この担当者から得られる情報なら、自分で判断する材料にできる」と思えたところを軸にすれば十分です。
また、「求人数が一番多かった会社=残すべき会社」とは限りません。
大量の求人を一斉に送ってくる担当者より、件数は少なくても「なぜこの求人があなたに合うのか」を説明してくれる担当者のほうが、転職活動を進めやすいケースもあります。
2社と3社、どちらから始めればいい?
仕事がかなり忙しい人なら、無理に3社へ登録せず2社から始めても問題ありません。
初回面談だけでも1社につき一定の時間がかかり、その後は求人確認や連絡も発生します。
今の職場で残業が続いている人が、転職エージェントへの対応でさらに睡眠時間を削ってしまっては続きません。
逆に、転職したい業界がまだ決まっておらず、「今と同じ仕事」「異業界」「未経験職種」など複数の方向を検討したいなら、3社程度まで比較する意味はあります。
大切なのは「何社使うのが正しいか」ではなく、自分が管理できる範囲で、異なる情報を得られているかです。
支援の現場で起こりやすい2つのパターン
転職相談で起こりやすい傾向を、個人を特定できないよう複数のケースを一般化すると、大きく二つのパターンがあります。
一つは、最初の担当者から示されたキャリア案を唯一の選択肢だと思い込んでしまうケースです。
同じ業界・同じ職種の求人しか紹介されず「自分にはこれしかない」と感じていた人でも、違う得意領域を持つ担当者へ相談すると、経験を生かせる隣接職種が候補に入ることがあります。
ここで大事なのは、2社目の担当者が正解ということではありません。
二つの見立てが出たことで、「自分は何を優先したいのか」を本人が考えられるようになることに意味があります。
もう一つは、比較しようとして登録を増やしすぎ、転職活動そのものが負担になるケースです。
面談、求人確認、メール返信、面接調整が重なると、仕事が忙しい人ほど企業研究や面接準備に使える時間が減ってしまいます。
さらに、似た求人を複数社から紹介されると、「どの会社から何を紹介されたのか」が分からなくなりやすいです。
だから私は「複数利用すればするほど良い」とは考えていません。
比較するために一時的に増やし、比較が終わったら減らす。
この順番が大切です。

掛け持ち中は応募経路を必ず管理する
複数の転職エージェントを利用するなら、同じ企業への重複応募には注意してください。
A社経由ですでに応募している企業をB社から紹介された場合、改めて応募するのではなく、すでに応募済みであることを伝えます。
マイナビ転職エージェントも、複数利用している事実や他社での選考状況を担当者へ共有することを勧めています。
少なくとも、次の情報は自分でも記録しておきましょう。
- 企業名
- 応募した転職エージェント
- 応募日
- 現在の選考段階
- 面接予定日
- 応募した職種
「他社を使っていると言うのは失礼かな」と心配する必要はありません。
隠した結果、同じ企業への応募や面接日程が重なるほうが調整は難しくなります。
転職エージェント側から見ても、他社を併用している事実そのものより、選考状況を共有してもらえず調整できなくなるほうが困りやすいのです。
複数利用をするなら、「他社でも選考が進んでいる企業があります」と早めに共有しておくと、面接日程や内定回答時期も相談しやすくなります。
転職エージェントを1社に絞る判断基準は?
必要な求人と比較材料が集まり、「この担当者の情報なら自分で判断できる」と感じたら1社へ絞って構いません。
逆に、「最初に1社と決めたから」という理由だけで違和感を我慢する必要もありません。
エージェントを使う目的は、登録した会社との関係を守ることではなく、自分に合う転職先を選ぶことです。
1社のみで続けやすい5つの条件
私は、次の状態がおおむねそろっているなら、1社のみでも転職活動を続けやすいと考えています。
- 希望する業界・職種の求人が十分にある
- 紹介理由を、自分の経験と結び付けて説明してもらえる
- 年収やキャリア評価について根拠を確認できる
- 企業のメリットだけでなく、求人背景や注意点も聞ける
- 応募するかどうかの最終判断を自分に委ねてもらえる
希望する業界・職種の求人が十分にあることは、まず基本です。
求人が極端に少なければ、1社だけでは選択肢を十分に比較できない可能性があります。
また、なぜその求人を紹介したのか、担当者が自分の経験と結び付けて説明できることも大切です。
「おすすめです」「人気があります」だけでは、自分に合うのか判断できません。
年収やキャリアについても、「今の経験なら年収○○万円程度です」と結論だけを伝えられるのではなく、なぜそう評価するのかを質問できる関係が理想です。
企業のメリットだけでなく、求人背景や入社後に注意したい点についても確認できること。
そして何より、応募するかどうかの最終判断を自分に委ねてくれることです。
転職エージェントは、人生の答えを代わりに決める存在ではありません。
求人、企業情報、市場評価という判断材料を提供し、あなた自身が選べる状態をつくる存在だと考えたほうが、担当者との距離感を保ちやすくなります。
1社に絞るなら「求人件数」より情報の質を見る
1社に絞るとき、「どのエージェントが一番多く求人を持っているか」だけで決めたくなるかもしれません。
もちろん求人数は大切です。
ただ、私はそれ以上にその求人を自分で評価できる情報が得られるかを見てほしいと思っています。
求人票に年収や仕事内容が書かれていても、「なぜ募集しているのか」「入社後に何を期待されるのか」「自分の経験のどこが評価されているのか」が分からなければ、入社判断は難しいからです。
たとえば50件の求人が届いていても、ほとんど希望条件と合わず、紹介理由も分からないなら、情報量が多いとは言い切れません。
反対に10件でも、仕事内容や応募理由を一緒に整理できるなら、そのほうが転職活動に役立つ可能性があります。
求人の量と、判断材料の量は同じではない。
これは、1社に絞るときに見落としやすいポイントです。
2社目を追加したほうがよいサイン
反対に、希望と異なる求人ばかり届く状態が続いたり、紹介理由を聞いても曖昧だったりする場合は、一度ほかの担当者の意見を聞いてみてもいいでしょう。
年収や市場価値について根拠を説明してもらえない、応募を急かされて落ち着いて考えられない、担当者が示す以外の選択肢がほとんど見えない場合も同様です。
具体的には、次のような状態なら追加を検討できます。
- 希望職種を伝えても違う求人が繰り返し届く
- 「なぜこの求人なのか」を聞いても説明が曖昧
- 年収や市場価値を断定されるが根拠を教えてもらえない
- 応募を断ると強く理由を求められる
- 未経験職種や隣接職種について相談しても選択肢が出てこない
- 質問への回答が遅く、選考調整にも支障が出ている
- 企業の良い情報しか教えてもらえない
担当変更という方法もあります。
エージェントそのものが合わないとは限らず、担当者が変わるだけで情報の質やコミュニケーションが改善することもあります。
それでも状況が変わらないなら、2社目を追加して比較することで、「今の担当者だけの見立てなのか、市場全体でも同じ傾向なのか」を確認しやすくなります。
特に今の職場が限界に近い人ほど、最初に優しく話を聞いてくれた担当者を全面的に信頼したくなることがありますよね。
私自身も激務の中で転職活動をしていたとき、「もう誰かに正解を決めてもらいたい」と感じたことがありました。
でも、疲れているときほど、一人の意見だけで人生の大きな決断をしないことが大切です。
頼ることと、判断を丸ごと預けることは別です。
転職エージェントを1社だけにする前に確認したいこと
1社に絞る前には、「そのエージェントが良いか」だけでなく、「自分が比較を終えられているか」を確認しましょう。
担当者が親切でも、自分の希望条件そのものがまだ整理できていなければ、もう少し比較したほうが判断しやすい場合があります。
希望条件の優先順位を自分で説明できるか
転職活動を始めた直後は、「給料を上げたい」「残業を減らしたい」「人間関係が良い会社がいい」など、希望がいくつも出てくるものです。
ただ、すべての条件を完璧に満たす求人を探すと、なかなか応募先を決められなくなることがあります。
そこで1社に絞る前に、少なくとも「絶対に譲れない条件」と「条件次第で妥協できるもの」を分けてみてください。
たとえば、年収、仕事内容、勤務地、残業時間、休日、リモート勤務、会社規模などがあります。
担当者へ希望を伝えるときも、この優先順位があるだけで提案の精度は上がりやすくなります。
担当者の意見と自分の判断を分けられているか
担当者から「この企業はおすすめです」と言われたとき、「担当者が勧めたから応募する」のではなく、自分でも理由を説明できるでしょうか。
「仕事内容が希望に合っている」「今までの経験を生かせる」「年収と働き方のバランスに納得できる」と、自分なりの理由を言えるなら問題ありません。
一方、「担当者が大丈夫と言ったから」しか理由が出てこない場合は、一度立ち止まったほうがよいでしょう。
転職エージェントは重要な相談相手ですが、入社後にその会社で働くのはあなた自身です。
担当者から良い情報をもらうことと、最終判断まで任せることは違います。
この線引きができていれば、1社のみでも主体的に転職活動を続けやすくなります。
考察|1社利用の本当の弱点は「情報不足」より「比較不足」
転職エージェントを1社のみ利用するデメリットとして、「求人が少なくなる」と説明されることがあります。
もちろん求人の幅は重要ですが、筆者としては、より注意したいのは比較対象を失うことだと考えています。
仮に1社から100件の求人を紹介されたとしても、それらは同じ会社の求人網と担当者の視点を通して選ばれた100件です。
件数が多いからといって、必ずしもキャリアの見方まで多様になるわけではありません。
一方、異なる専門領域を持つ担当者から意見を聞けば、「今の経験をどの業界で評価できるか」「年収以外に何を優先するか」といった見方が変わることがあります。
JACも、異なる専門性を持つエージェントを併用するメリットとして、キャリアについて別の角度からセカンドオピニオンを得られる点を挙げています。
ここでも、JACの主な対象がハイクラス領域である点は踏まえて読む必要があります。
私は、複数利用の価値は「求人をできるだけ大量に集めること」ではなく、自分のキャリアについて複数の仮説を持つことにあると思っています。
そして、仮説を比較できたら社数を減らす。
つまり、転職活動の前半は「比較」、後半は「集中」です。
この二段階に分ければ、複数利用による情報の幅と、1社利用による管理のしやすさを両方取り入れられます。
もう一つ大切なのは、2社の意見が一致したから正解、違ったからどちらかが間違い、というわけではないことです。
エージェントごとに保有求人、得意業界、企業との関係、担当者の経験が違います。
異なる意見が出たときこそ、「私はどんな働き方をしたいのか」「今のつらさから逃れること以外に、次の会社で何を実現したいのか」を考えるきっかけになります。
「比較」はエージェント選びだけではなく、自分の希望を知る作業
ここで、もう一歩踏み込んで考えてみたいことがあります。
複数の転職エージェントを比較する目的は、「一番優秀な担当者を見つけること」だけではありません。
私はむしろ、複数の提案に対する自分の反応を比べることに大きな価値があると考えています。
たとえばA社から高年収だけれど残業が多い求人を紹介され、B社から年収は横ばいでも働き方を改善できる求人を紹介されたとします。
そのとき「意外と私は年収より働き方を優先したいんだ」と気づくかもしれません。
逆に「少し忙しくても、今後につながる専門性を身につけたい」と気づく人もいるでしょう。
これは求人を見なければ分からなかった自分の価値観です。
特に初めて転職する20〜30代は、「どんな会社へ行きたいか」より「今の会社から離れたい」が先に来ることがあります。
私自身もそうでした。
今の会社を早く辞めたいときは、「もう紹介された会社の中から決めて終わらせたい」と思ってしまうこともあるでしょう。
その気持ちは、私自身の転職経験からもよく分かります。
だからこそ、焦っているときほど「この担当者がこう言ったから」だけで決めず、必要なら一度だけ別の見立てを取ってください。
転職エージェントは正解をもらう場所ではなく、自分が納得できる答えを出すための材料を集める場所です。
比較をした結果、「最初の1社が一番よかった」と分かることも十分あります。
その場合は、安心して1社に絞ればいいのです。
最初から1社に決め打ちするのと、比較した結果として1社を選ぶのでは、同じ「1社利用」でも納得感が大きく違います。
まとめ|転職エージェントは1社のみでもOK、比較してから絞ろう
転職エージェントは1社のみでも転職できます。
希望する求人が十分あり、担当者の専門性や情報、キャリア提案に納得できているなら、無理に複数利用を続ける必要はありません。
一方、最初から1社だけに決めると、担当者の相性、保有求人、年収やキャリアの見立てについて比較できなくなる可能性があります。
JAC Recruitmentは2026年6月の記事で、主にハイクラス転職を前提として、まず2〜3社へ相談し信頼できる1社を軸にする考え方を示しています。
マイナビ転職エージェントの2026年7月1日更新記事でも、最初に2〜3社を比較し、最終的に1〜2社へ絞る方法が紹介されています。
なお、リクナビNEXT掲載の平均2.3社という2019年調査は、転職サイトと転職エージェントを合算した199人の利用数であり、2026年現在の転職エージェント単独の平均利用社数ではありません。
初めて転職する人なら、最初の約2週間を筆者なりの比較期間として、求人、専門性、提案、情報、相性を見てから1〜2社へ絞る方法が使いやすいでしょう。
すでに最初の1社で十分な求人と判断材料が得られているなら、登録数を増やす必要はありません。
逆に、希望と違う求人ばかり届く、年収評価の根拠が分からない、別のキャリア案がまったく見えないと感じるなら、担当変更や2社目の追加を検討して構いません。
大切なのは何社使ったかではなく、自分で納得して転職先を選べるだけの比較材料を持っているか。
この基準で考えれば、「1社だけで大丈夫かな」と社数そのものに振り回されず、あなたに合った使い方を選びやすくなるはずです。
よくある質問
転職エージェントは1社のみでも転職できますか?
はい。希望する求人が十分あり、担当者の専門性や提案内容にも納得できていれば1社のみでも進められます。
ただし、求人・市場価値・キャリア案の比較ができているかは確認しておきましょう。
最初から「絶対に1社しか使わない」と決めるより、必要に応じて別の意見も確認できる状態にしておくと安心です。
転職エージェントは何社登録するのがおすすめですか?
一つの目安は最初に2〜3社を比較し、必要な情報が集まったら1〜2社へ絞る方法です。
ただし絶対的な正解ではありません。
忙しい人は2社から始めてもよく、最初の1社ですでに十分な支援を受けられるなら無理に増やす必要はありません。
反対に、登録数を増やしすぎると求人確認や面談、日程管理に時間を取られるため、「管理できる社数か」も基準にしてください。
転職エージェントを1社に絞るタイミングはいつですか?
求人の質、専門性、キャリア提案、企業情報、担当者との相性を比較し、「この担当者の情報を軸に自分で判断できる」と感じた段階が目安です。
複数利用しても新しい判断材料がほとんど増えなくなったら、管理負担を減らすため1〜2社へ絞って構いません。
また、選考が進み始めると面接調整や企業研究に時間が必要になるため、比較が済んでいるなら応募段階で利用先を整理するのも一つの方法です。
執筆:夏目結衣(若手専門転職アドバイザー)


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