働きながら転職活動するなら、条件整理から応募・面接・退職調整まで順番を決め、現職と活動を明確に切り分けることが成功の基本です。
収入を維持したまま転職先を比較できる一方、面接日程、社用端末の利用、会社への情報漏れ、退職時期には注意が必要です。
こんにちは!転職アドバイザーの夏目結衣です。毎日遅くまでの残業や、しんどい人間関係…本当にお疲れ様です。私もかつて「このままでいいのかな」と悩みながら、限界まで無理をして働いていた時期があるので、そのモヤモヤ痛いほどわかります。このブログでは、キレイごと抜きのリアルな葛藤や、エージェント業界のぶっちゃけ話も交えながら、あなたが自分らしい働き方を見つけるためのヒントを親身にお届けしますね!
「辞めてから転職活動したほうがいい?」「平日に働いているのに面接はどうする?」「転職活動していることを会社にバレたくない」と悩んでいる方は少なくありません。
初めての転職では、求人の探し方以上に、現職と転職活動をどう両立するかが大きな壁になります。
でも、最初から毎日何時間も転職活動をする必要はありません。むしろ働きながら進めるなら、応募数を増やしすぎず、時間・情報・体力を管理することのほうが大切です。
この記事では、働きながら転職活動するための5ステップを中心に、期間の目安、平日の面接調整、会社に知られにくくする対策、退職時期、働きながら進めるメリット・デメリットまで具体的に整理します。
働きながら転職活動しても大丈夫?在職中が80.5%だったデータも
在職中に求人を探したり、応募したり、採用面接を受けたりすること自体は基本的に問題ありません。働きながら転職活動をする人は、決して特殊な存在ではありません。
MS-Japanが運営する管理部門・士業特化型転職エージェント「MS Agent」の登録者データでは、2024年1月から6月に求人へ応募した登録者のうち、「現在就業中」が80.5%、「離職済」が19.5%でした。
ただし、この数字はMS Agentを利用して実際に応募した登録者を対象としたものです。
管理部門や士業を中心とするサービスの利用者データなので、「日本の転職希望者全体の80.5%が働きながら活動している」という意味ではありません。
それでも、在職中の転職活動が特別な行動ではないことを知る一つの材料にはなるでしょう。
働きながら転職活動する主なメリットは次の3つです。
- 給与を受け取りながら求人を比較できる
- 次の仕事が決まるまで職歴の空白が生じにくい
- 内定先と現職を比較してから、本当に転職するか判断できる
特に大きいのが、生活費への不安を抑えながら転職先を選べる点です。
退職して収入が途切れると、「早く次を決めなければ」という焦りから、本来なら応募しなかった企業や条件まで受け入れたくなることがあります。
その点、在職中なら「今の会社に残る」という選択肢も持ったまま転職先を比較できます。
私自身、激務と人間関係に悩んで転職活動をしていた頃は、「一刻も早く辞めたい」という気持ちが強くなっていました。
でも支援する側になった今ほど、転職活動は退職を確定させる手続きではなく、今の会社以外の選択肢を確認する作業でもあると感じています。
働きながら転職活動するデメリットも知っておく
一方で、在職中の転職活動には負担もあります。
- 平日の面接日程を調整しにくい
- 仕事のあとに求人検索や面接準備をする必要がある
- 複数社の選考が重なるとスケジュール管理が難しくなる
- 疲労によって企業選びが雑になりやすい
- 退職日と入社日の調整が必要になる
特に注意したいのは、「仕事が忙しいから転職したいのに、転職活動でもさらに忙しくなる」状態です。
平日は通常業務、夜は求人検索、休日は職務経歴書の修正……と詰め込みすぎると、転職先を冷静に判断する余力がなくなります。
働きながら進めるメリットを活かすためには、「全部を最速で終わらせる」よりも、活動を継続できるペースを作ることが重要です。
また、「転職活動をしてよい」ことと、「勤務中に自由に活動してよい」ことは別です。
勤務時間中に社用PCで求人サイトを見る、社用メールで応募先と連絡する、会社のプリンターで職務経歴書を印刷するといった行動は避けたほうが安心です。
現職の顧客名簿、非公開の売上情報、技術情報などを応募先へ持ち出すことも当然避けなければなりません。
転職を考え始めた段階から、転職活動は個人の時間・個人の端末・個人の情報管理の中で進めると線を引いておくことが大切です。
働きながら転職活動する進め方は?5ステップで整理
働きながらの転職活動は、①条件整理、②求人研究、③応募、④面接、⑤退職・入社調整の5段階で進めます。
忙しい人ほど、求人検索から退職準備まで全部を一度に始めないことがポイントです。
ステップ やること 在職中のポイント
1 転職理由・条件整理 不満を次の会社に求める条件へ変える
2 求人・企業研究 情報源と検索条件を絞る
3 書類作成・応募 履歴書・職務経歴書の基本版を作る
4 面接 有休・半休・オンラインを使い分ける
5 内定・退職調整 就業規則と入社可能日を早めに確認する
働きながらの場合、「求人を見る→良さそうだから応募する」を繰り返すより、最初に全体の流れを決めておくほうが迷いにくくなります。
1. 転職理由を「次の会社に求める条件」へ変える
最初から何時間も求人サイトを見る必要はありません。
まずは、「なぜ今の会社を辞めたいのか」を具体化しましょう。
たとえば「残業がつらい」なら、単に「残業が少ない会社」を探すだけでは不十分です。
- 残業は月にどの程度までなら受け入れられるか
- 給与が少し下がっても勤務時間を減らしたいのか
- 残業時間より、突然残業になる働き方がつらいのか
- 繁忙期だけ残業が増えるなら許容できるのか
ここまで掘り下げると、求人票や面接で確認すべきことが見えてきます。
人間関係も同じです。
「人間関係の良い会社」という条件では、求人票から判断しにくいですよね。
「上司へ相談できなかった」「評価基準が分からなかった」「入社後に仕事を教えてもらえなかった」「部署内で情報共有が少なかった」のように具体化すると、次の会社を比較する基準になります。
「何から逃げたいか」と「次に何を選びたいか」は別物です。
ここを曖昧にしたまま応募すると、会社名だけ変わって同じ悩みを繰り返す可能性があります。
私は転職相談で、「辞めたい理由」をネガティブなものとして無理に消す必要はないと考えています。
むしろ、その不満の中にこそ「次の会社で絶対に確認すべき条件」が隠れています。
2. 求人を探す方法は2〜3本に絞る
求人を探す方法には、求人サイト、企業の採用ページ、転職エージェント、ハローワーク、知人経由のリファラル採用などがあります。
働きながらなら、すべてを毎日確認する必要はありません。
「求人サイト+転職エージェント」など、情報源を2〜3本に絞ったほうが選考状況を管理しやすくなります。
さらに、勤務地、職種、最低年収、休日、転勤の有無など、譲れない条件を先に設定しておきましょう。
たとえば「通勤45分以内」「土日休み」「年収○万円以上」「転勤なし」のように検索条件を具体化すれば、見る必要のない求人を減らせます。
転職活動で意外と時間を奪うのは、応募書類よりも、自分が応募しない求人を延々と読む時間だからです。
求人を保存するときも、「なんとなく良さそう」だけで増やさないことをおすすめします。
「給与」「仕事内容」「働き方」「勤務地」など、自分が惹かれた理由を一言メモしておけば、あとで比較しやすくなります。
3. 履歴書・職務経歴書の基本版を先に作る
応募先を見つけるたびに書類をゼロから作ると、在職中の転職活動はすぐに苦しくなります。
履歴書と職務経歴書の基本版を一度作り、応募企業ごとに志望動機や自己PRの重点だけを調整するほうが効率的です。
職務経歴書では、単なる担当業務の一覧ではなく、できる範囲で「何を担当し、どのように工夫し、どのような成果につながったか」を整理しておきましょう。
たとえば営業職なら、「法人営業を担当」だけではなく、「既存顧客○社を担当し、既存顧客への提案や新規開拓を実施」のように仕事内容が伝わる形へ整えます。
ただし、現職の社外秘情報や公開できない顧客名、原価などを書く必要はありません。
在職中なら、現在の勤務先について「現在に至る」または「在職中」などと記載し、事実に沿って職歴を整理します。
退職予定日が正式に決まっていない段階で、確定していない日付を書く必要もありません。
応募先から連絡を受ける時間帯も決めておきましょう。
仕事中に電話へ出られないなら、メール中心を希望したり、電話可能時間を伝えたりすると現職との衝突を減らせます。
転職エージェントを利用する場合も、「平日は○時以降なら電話可能」と先に共有しておけば、勤務中の着信を減らしやすくなります。

4. 面接日程を先に想定してから応募する
書類選考を通過すると、在職中の人には面接調整という次の壁が来ます。
「通過してから考えればいい」と大量応募すると、複数社の面接が同じ週へ集中し、有休や準備時間が足りなくなることがあります。
そのため応募段階から、「本命」「比較したい企業」「条件確認後に判断する企業」など優先順位をつけておくのがおすすめです。
選考が重なった週は新規応募を一度止めても構いません。
たとえば3社の面接が決まっているなら、さらに求人を探すより、その3社について仕事内容、採用背景、働き方、確認したい質問を整理するほうが有意義な場合があります。
在職中の転職相談では、応募数そのものより、選考を抱えすぎて一社一社の判断が雑になることを私は注意しています。
応募件数を増やすことが転職活動の目的ではありません。
「次に働く会社を判断するための情報を十分に集められているか」を意識したほうが、結果的に後悔を減らしやすくなります。
5. 応募開始時点で退職ルールを確認する
退職時期は、内定が出てから初めて調べるのではなく、応募を始める頃に就業規則や雇用契約を確認しておきましょう。
「内定先は1カ月後の入社を希望しているのに、現職では引き継ぎに時間が必要だった」というズレを防ぎやすくなります。
確認しておきたいのは、退職申出の期限だけではありません。
- 就業規則上、いつまでに申し出ることになっているか
- 有給休暇がどの程度残っているか
- 担当業務の引き継ぎにどれくらい必要そうか
- 賞与や評価の時期と重ならないか
- 有期契約か無期契約か
- 内定先へ伝えられる現実的な入社可能日はいつか
厚生労働省が案内する労働契約のルールでは、無期労働契約について、民法627条に基づき法律上は退職の申出から14日を経過すると退職となる考え方が示されています。
ただし、「14日前なら必ず何も調整せず辞められる」と単純化しないことが大切です。
合理的な就業規則による退職手続き、個別の雇用契約、実際の引き継ぎ、有期契約かどうかなど、確認すべき事情があります。
有期労働契約では無期契約と扱いが異なる場合もあります。
また、円満退職を目指すなら、「法律上いつ辞められるか」だけではなく、業務の引き継ぎや関係者への説明を含めて現実的なスケジュールを考える必要があります。
退職時期をめぐって会社とのトラブルが生じそうな場合は、自己判断だけで結論を出さず、労働局などの公的相談窓口や法律・労務の専門家へ確認してください。
働きながら転職活動の面接はどう調整する?
面接は、有給休暇・半休・オンライン面接を組み合わせ、応募先へ複数の候補日時を伝えるのが基本です。
中途採用では平日日中に面接が設定される企業もあるため、すべてを仕事終わりだけで乗り切れるとは限りません。
働きながら転職活動をする人が特に悩みやすいのが、「平日勤務なのに面接をどうするか」という問題です。
実際には、最初から「平日の夜しか無理」と決めつけず、次の順番で調整すると進めやすくなります。
- まず勤務時間外で調整できるか確認する
- 一次面接はオンライン対応できるか確認する
- 難しければ半休や時間休を検討する
- 志望度の高い最終面接などは有休を使う
応募先には在職中であることを伝えたうえで、
- 「平日18時以降であれば調整しやすいです」
- 「○日午後、○日終日、○日午前が可能です」
- 「一次面接がオンライン対応可能か確認したいです」
といった形で相談してみましょう。
大切なのは、「仕事があるのでこの時間しか無理です」と一方的に指定するのではなく、自分から複数候補を提示することです。
企業側にも採用担当者や現場社員の予定があります。
候補を複数出すだけで、調整できる可能性は高まります。
面接理由を会社へ詳しく説明する必要はない
有給休暇や半休を取るとき、「転職面接です」と現職へ伝える必要があるのか不安になる方もいます。
通常、私用として休暇を取得する場面で、転職活動の内容まで自分から詳しく説明する必要はありません。
ただし、有給休暇や時間休の制度、申請手続きは勤務先によって異なるため、社内ルールに沿って申請しましょう。
嘘の病気や家族トラブルなど、後で説明が苦しくなる理由を作るより、「私用」「予定がある」など、必要以上に詳細を話さないほうが無理がありません。
オンライン面接なら移動時間を減らせますが、職場の会議室や社用PCを利用するのは避けましょう。
自宅や個室など会話を聞かれにくい場所を選び、個人端末と安定した通信環境を用意します。
面接直前には、カメラ、マイク、イヤホン、通信状況を確認しておくと安心です。
面接を同じ日にまとめる方法もある
複数社の面接が進んでいる場合、可能であれば同じ日にまとめる方法もあります。
午前と午後に1社ずつ設定できれば、有休を何日も消費するより効率的です。
ただし、詰め込みすぎには注意してください。
1日に3社、4社と面接を入れると、企業ごとの志望動機や質問が混ざったり、疲れて判断力が落ちたりすることがあります。
働きながらの場合こそ、効率だけでなく「面接後に振り返る時間」を残しておくことが重要です。
そして、有休を使うなら「どの企業にも同じ量を使う」と考えなくて大丈夫です。
私は、第一志望度や確認したい条件に応じて、限られた時間をどの選考へ使うかまで含めて転職活動の設計だと考えています。
面接が3社重なったからといって、さらに5社へ応募する必要はありません。
忙しい週は応募を止め、面接準備と企業比較に時間を使う。
働きながら転職活動を続けるうえでは、この「増やさない判断」がかなり重要です。
働きながらの転職活動は何カ月かかる?目安は2〜3カ月
転職活動は2〜3カ月が一つの目安ですが、在職中は退職・引き継ぎまで含めて数カ月単位で余裕を持つほうが現実的です。
doda「転職活動にかかる期間の目安は?スケジュールの立て方を解説」(2025年2月28日更新)では、一般的な転職活動期間を2〜3カ月としています。
また、厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」を紹介するマイジョブ・カードでは、転職活動を始めてから直前の勤務先を離職するまでの期間について、「1カ月以上3カ月未満」が28.8%で最も多く、「転職活動期間なし」が23.6%、「1カ月未満」が18.3%でした。
ここで注意したいのは、資料によって「転職活動期間」の範囲が違うことです。
応募準備から内定までを指す場合もあれば、退職や入社まで含める場合もあります。
そのため、「2〜3カ月で必ず終わる」という意味ではありません。
たとえば、次のような流れをイメージすると現実的です。
- 最初の1〜2週間:転職理由と希望条件を整理する
- 2〜3週間:履歴書・職務経歴書の基本版を作る
- 1〜2カ月:応募・書類選考・面接を進める
- 内定後:条件確認、退職手続き、引き継ぎを行う
実際には準備と応募を並行することもあるため、きれいに段階が分かれるわけではありません。
現職が忙しかったり、応募企業を慎重に選んだりすれば、それ以上かかっても不自然ではありません。
一方、応募先との相性やタイミングによっては、短期間で内定まで進むこともあります。
大切なのは、周囲の「○カ月で決まった」という話と競争しないことです。
転職は早さを競うものではなく、自分が納得できる条件と会社を見極める作業だからです。
希望入社日から逆算して動く
転職希望時期が決まっているなら、逆算してスケジュールを考えると動きやすくなります。
たとえば「春頃に転職したい」と考えているなら、直前になって求人を探すのではなく、数カ月前から条件整理や書類作成を始めておくイメージです。
在職中の場合、内定後にも退職交渉と引き継ぎがあります。
応募企業から入社可能日を聞かれたとき、「いつでも可能です」と答えるのではなく、自分の就業規則や引き継ぎを踏まえて現実的な日程を伝えましょう。
入社時期を必要以上に早く約束してしまうと、現職と転職先の両方に迷惑をかける可能性があります。
転職活動をしない日も予定に入れる
働きながら転職活動するときに、私がぜひ決めてほしいのが「転職活動をしない時間」です。
残業で疲れたあと、毎晩深夜まで求人を見続けても、判断の質が上がるとは限りません。
「早く終わらせたい」という疲労から、本来希望していなかった条件まで妥協してしまうことがあります。
たとえば、
- 平日は求人確認だけにする
- 書類を直す曜日を決める
- 面接がある週は新規応募を減らす
- 週に1日は転職活動を完全に休む
という方法でも十分です。
通勤中に求人を保存し、平日の夜は1社だけ企業研究をする。休日の午前中だけ職務経歴書を直し、午後は休む。
このように活動を小さく分けるほうが、仕事と転職活動を両立しやすくなります。
働きながらの転職活動では、「一週間で何社応募したか」より、2〜3カ月続けても冷静に会社を選べる状態かを重視したほうがいいと私は考えています。
働きながら転職活動が会社にバレないための注意点は?
会社に知られる可能性を下げるには、転職サイトの公開設定、個人端末の利用、勤務時間との切り分け、SNS管理の4点が重要です。
完全に発覚を防げる方法はありませんが、自分の行動が原因になるリスクは減らせます。
「バレたらまずい」と不安になって転職活動そのものをためらう必要はありません。
ただし、転職活動を職場へ持ち込まないという基本は徹底したほうが安心です。
転職サイトの公開設定を確認する
スカウト型の転職サービスでは、登録した職務経歴を採用企業側が閲覧できる場合があります。
MS-Japanの解説でも、現職企業が同じ転職サービスを利用している場合には職務経歴などから気づかれる可能性があり、サービスによっては特定企業への非公開設定を利用できると案内しています。
登録したら、
- 企業側から何が見えるのか
- 現在の勤務先を非公開にできるか
- 特定企業をブロックできるか
- プロフィール変更がどこまで公開されるか
を確認しましょう。
特に、勤務先名を登録するスカウトサービスを利用するときは、公開範囲を理解しないまま使わないことが大切です。
非公開設定の仕組みや名称はサービスによって異なるため、実際に利用するときは各サービスの最新仕様を確認してください。
社用PC・社用メール・社用スマホは使わない
転職活動は、個人のスマートフォンやPC、個人メールアドレス、個人の通信環境で行うのが基本です。
社用PCで求人検索をしたり、社用メールで採用担当者と連絡したりするのは避けましょう。
会社が管理している端末やネットワークでは、利用履歴などが管理されている場合があります。
転職サイトの閲覧だけでなく、履歴書の作成、応募先とのオンライン面接、転職エージェントとの連絡も、できるだけ個人環境へ切り分けてください。
勤務時間中に頻繁に応募先とやり取りすることも、社内ルールとの関係で問題になる可能性があります。
「転職先を探すこと」と「勤務時間を私的活動に使うこと」は分けて考える必要があります。
現職の機密情報を応募先へ持ち込まない
面接では、自分の実績を説明するために数字を使うことがあります。
「売上を改善した」「作業時間を短縮した」など、自分の経験を説明すること自体は一般的です。
ただし、非公開の顧客名簿、原価情報、社内資料、技術情報などを証拠として持ち出すのは別の問題です。
自分の実績を伝えたい場合でも、公開して問題のない範囲へ置き換えることが重要です。
たとえば特定の顧客名ではなく「法人顧客」、社外秘の正確な金額ではなく、問題のない範囲で成果の規模感を説明するなど、守秘義務に配慮しましょう。
特に同業他社を受ける場合は、秘密保持や競業に関する契約・就業規則も確認してください。
厚生労働省「確かめよう労働条件」が紹介する競業避止の裁判例では、退職後の競業制限について、期間、場所、対象となる職種、代償の有無など複数の事情を踏まえて合理性が判断される考え方が示されています。
つまり、競業避止条項があればすべて一律に有効、あるいはすべて無効という単純な話ではありません。
契約内容に不安がある場合は、個別事情によって判断が変わるため専門機関へ確認するのが安全です。
SNSと社内の相談相手にも注意する
「転職活動を始めた」「もうすぐ会社を辞める」とSNSへ投稿すれば、思わぬ経路で職場へ伝わる可能性があります。
実名アカウントでなくても、勤務先、職種、地域、仕事内容など複数の情報が組み合わさると、知人から本人だと気づかれることがあります。
同僚への相談も同じです。
「この人だけなら大丈夫」と伝えた内容が、悪意がなくても別の人へ伝わることはあります。
正式に退職意思を伝えるまでは、職場内で転職活動について話す相手を必要最小限にするほうが無難でしょう。
また、急にスーツ姿で出社する日が増える、勤務中の私用電話が増える、頻繁に半休を取るなど、普段と大きく行動を変えると周囲に勘づかれることもあります。
隠すために不自然な行動をする必要はありませんが、転職活動によって現在の仕事へ明らかな影響が出ないようにすることが大切です。

働きながら転職するか、辞めてから転職するかはどう決める?
基本的には、収入を維持しながら比較できる在職中の転職活動から始め、それが難しい事情がある場合に退職後の活動を検討するのが現実的です。
ただし、「絶対に働きながらでなければならない」という話ではありません。
現在の職場の状況、貯蓄、心身の負担、希望職種、面接のしやすさによって最適な方法は変わります。
働きながら転職活動するほうが向いている人
次のような状況なら、在職中から始めやすいでしょう。
- 当面の給与収入を維持したい
- 退職を急いでいない
- 平日夜や休日に少しずつ時間を確保できる
- 現職と転職先を比較してから決めたい
- 希望条件に合う求人が出るまで待てる
収入が続いている分、条件に合わない求人へ無理に応募せずに済むのが大きな利点です。
今の会社に残る可能性も含めて比較したい方には、特に相性の良い進め方です。
辞めてから転職活動する選択肢もある
一方、退職後なら平日日中の面接や企業研究へ時間を使いやすくなります。
仕事による疲労がなくなり、書類作成や面接準備へ集中しやすくなる人もいるでしょう。
ただし、給与収入が途切れる可能性があるため、生活費や活動期間の見通しを持っておくことが重要です。
「辞めれば時間ができるから何とかなる」とだけ考えるのではなく、生活費、固定費、転職活動が長引いた場合の資金を確認してから判断してください。
現職の負担が非常に大きい場合には、転職活動の効率だけでなく、自分の状態を優先して考える必要があります。
無理を重ねて体調や生活に強い影響が出ている場合は、転職活動だけで解決しようとせず、休養や社内制度、公的な相談先、医療機関など必要な支援を利用することも選択肢です。
考察|成功の分かれ目は「不満を面接質問へ変えられるか」
ここからは転職アドバイザーとしての私見ですが、働きながら転職活動する人にとって、日程調整以上に重要なのが「最初の転職理由を最後まで忘れないこと」だと考えています。
活動を始めた頃は、
- 残業を減らしたい
- 上司へ相談できる職場に行きたい
- きちんと仕事を教えてもらいたい
と考えていたはずなのに、内定をもらうと気持ちが変わることがあります。
「せっかく受かったから」
「ここを断ったら次はないかもしれない」
という不安が出てくるからです。
転職相談でも、在職中の方は仕事・応募・面接を同時に抱えるため、忙しくなるほど「転職すること自体」が目的になりやすいところがあります。
だから私は、転職活動を始めるときに譲れない条件を3つ程度、メモへ残しておく方法をおすすめしています。
そして、その不満を面接で確認できる質問へ変えてください。
「上司へ相談できないのがつらかった」なら、
「入社後、直属の上司と業務について相談する機会はどのように設けられていますか?」
と質問できます。
「仕事を教えてもらえなかった」なら、
「入社後3カ月程度は、どのような流れで業務を覚えていきますか?」
と確認できます。
「急な残業が多かった」なら、
「残業が発生しやすい時期と、主な発生理由を教えてください」
と聞けます。
「評価に納得できなかった」なら、
「評価項目と、評価結果を本人へフィードバックする仕組みを教えてください」
と質問できます。
私は、この「不満→条件→質問」への変換こそ、働きながら転職活動する人が持っている時間を有効に使う方法だと考えています。
「人間関係が良さそう」「面接官が優しかった」という印象だけでは、入社後の働き方までは分かりません。
一方で、自分が今の職場で何につまずいたのかを具体化すれば、次の会社で同じ問題が起きる可能性を面接や選考中に確認しやすくなります。
ここで大切なのは、転職理由を単に面接で好印象に聞こえる言葉へ言い換えることではありません。
本当に改善したい問題を特定し、その問題が応募先でどうなっているのか確かめることです。
これは私自身が転職活動で苦戦した経験からも強く感じる点です。
「今の会社が嫌」という感情が強いほど、次の会社の良いところだけを見たくなります。
でも、転職先で長く働くために必要なのは、魅力を数えることだけではありません。
自分が辞めたい理由と、応募先の働き方が本当に噛み合っているかを確かめることです。
内定はゴールではなく「比較できる状態」
内定が出たら、年収だけでなく、仕事内容、勤務地、勤務時間、休日、残業、転勤、評価方法、教育体制、入社時期などを整理しましょう。
ここでも、最初に決めた譲れない条件へ戻ります。
現職が本当につらいと、「この会社から離れられる」というだけで転職先が魅力的に見えることがあります。
私も転職活動で苦戦していた時期、この感覚を経験しました。
だからこそ筆者としては、働きながら転職活動する最大のメリットは、給与が続くことだけではなく、現職という比較対象を残したまま次の会社を選べることだと思っています。
「内定をくれた会社」ではなく、「今より納得できる働き方へ近づける会社か」。
最後はそこを確認してほしいです。
可能であれば、内定通知や労働条件通知書などで、給与、雇用形態、勤務地、勤務時間、休日などの条件も確認しましょう。
面接中に聞いた印象だけで判断せず、書面で確認できる条件は書面でも確認することが大切です。
働きながらだからこそ「撤退できる」のも強み
働きながら転職活動する場合、応募してみた結果、「今は転職しないほうがいい」と判断することもできます。
これは失敗ではありません。
求人を見たり、実際に面接で他社の話を聞いたりした結果、現在の会社の良い点に気づくこともあります。
逆に、「今の環境はやはり変えたほうがいい」と確信することもあるでしょう。
個人的には、この転職するかどうかを途中で判断し直せる余地こそ、在職中の転職活動の重要な価値だと考えています。
転職活動を始めたからといって、最後まで転職しなければならないわけではありません。
転職市場を知り、自分の経験がどう評価されるか確認し、今の職場と比較する。
それだけでも、働き方を考える材料になります。
もし仕事と転職活動の両立で限界を感じるなら、在職中に活動し続けることだけが正解でもありません。
退職後に活動すれば、平日日中の面接や企業研究へ時間を使いやすくなる一方、給与収入が途切れる可能性があります。
今の職場に残る負担と、退職後の生活費などのリスクを両方整理したうえで、自分にとって無理の少ない方法を選びましょう。
まとめ|働きながら転職活動は5ステップと面接・情報管理がカギ
働きながら転職活動するなら、①条件整理→②求人研究→③書類作成・応募→④面接→⑤退職・入社調整の5ステップで進めると整理しやすくなります。
MS Agentでは2024年1〜6月に求人へ応募した登録者の80.5%が就業中でした。対象が同サービスの登録者に限られる点には注意が必要ですが、在職中の転職活動が珍しくないことを知る参考になります。
働きながら進めるメリットは、給与を維持しながら応募先を比較でき、次の会社が決まるまで今の仕事を続けられることです。
一方で、面接日程の調整、仕事と転職活動の両立、疲労、情報管理には注意が必要です。
期間は、dodaが2〜3カ月を一般的な目安としており、厚生労働省の「令和2年転職者実態調査の概況」でも、転職活動開始から離職まで「1カ月以上3カ月未満」が28.8%で最も多くなっています。
ただし、準備、選考、退職、引き継ぎまで含めれば期間は人によって大きく変わります。
面接は有休・半休・オンラインを組み合わせ、応募先へ候補日時を複数提示すると調整しやすくなります。
会社に知られにくくするには、転職サイトの公開設定を確認し、社用PC・社用メールなどを使わず、転職活動と現職を明確に切り分けてください。
退職についても「法律では14日前だから大丈夫」とだけ判断せず、自分の雇用契約や合理的な就業規則、引き継ぎ、契約期間などを確認し、トラブルになりそうなら公的窓口や専門家へ相談することが大切です。
そして何より忘れてほしくないのが、転職活動を始めたからといって、必ず転職しなければならないわけではないということです。
「辞めるか、我慢するか」の二択ではありません。
働きながら外の会社を知り、自分の不満を条件へ変え、その条件を面接質問へ変え、今の会社と比較してから決める。
初めて転職を考えている方には、そんな進め方をしてほしいと私は思います。
よくある質問
働きながら転職活動するのは違法ですか?
求人を探したり応募したり、採用面接を受けたりすること自体は基本的に問題ありません。
ただし、勤務時間中の私的活動、会社設備の利用、機密情報の持ち出し、競業に関する契約などは別の論点です。転職活動は原則として勤務時間外に個人端末で行い、就業規則や雇用契約も確認しましょう。
働きながらの転職活動は何カ月くらいかかりますか?
doda「転職活動にかかる期間の目安は?スケジュールの立て方を解説」(2025年2月28日更新)では、一般的な目安を2〜3カ月としています。
ただし、仕事の忙しさ、応募数、選考回数、退職・引き継ぎ期間によって変わるため、「3カ月以内に必ず決める」と考える必要はありません。
在職中なら、選考期間だけでなく内定後の退職調整まで見込んで、余裕のあるスケジュールを考えるのがおすすめです。
転職先が決まる前に会社へ退職すると伝えるべきですか?
必ずしも転職先が決まる前に退職意思を伝える必要はありません。
むしろ収入を維持しながら進めたい場合は、内定や労働条件を確認してから正式に退職手続きを進めるほうが、生活面のリスクを抑えやすくなります。
ただ、内定後に入社日と退職日が合わなくなるのを防ぐため、就業規則や雇用契約の退職手続きは転職活動の早い段階で確認しておくのがおすすめです。
無期契約と有期契約では扱いが異なる場合もあります。退職条件について会社と見解が食い違う場合は、労働局などの公的相談窓口や専門家へ確認してください。


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